医療費控除とセルフメディケーション減税

2017年12月1日

2017年からセルフメディケーション減税がスタートしました。主婦にとってこれまで身近だった医療費控除との違いはどこにあるのか、我が家の場合はどちらを選んだ方がお得なのかを確認してみましょう。

 

医療費控除とは?

医療費控除は、1年間に支払った医療費を必要経費として収入から差し引くことで、課税所得を少なくする控除です。年末調整などで所得税を支払い済みの方は、確定申告により「医療費控除の額×所得税率」の金額が還付されます。
控除額は以下のように計算します。

 

「実際に支払った医療費の合計額」―「保険金などで補てんされる金額」―10万円

 

医療費控除の額は、上記計算式で出た金額となり、上限は200万円です。

 

医療費控除は、生計を一にする家族の医療費を合算できるほか、以下のような支出も控除対象となります。

・はり・きゅう師や指圧師、柔道整復師へ支払った施術費(疲労改善や体調を整える目的での施術は除く)
・通院にかかる交通費
・入院中の部屋代・ベッド代・食事代 (差額ベット代は除く)
・人間ドック、健康診断の費用(その健診等の結果、重大な疾病が発見され、引続きその疾病の治療を受けた場合のみ)
・助産師による分娩の介助費用
・不妊治療の費用(助成金を差し引いた額)
・特定の目や視力に関する病気の治療の一環としてメガネやコンタクトレンズを作成した場合(病院を介さずメガネ屋等で作成した場合は除く)
・インプラントや歯の矯正の治療費

 

セルフメディケーション減税とは?

セルフメディケーションは、世界保健機関(WHO)において、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義されています。それを踏まえて、自分で健康管理をする人を応援するために、医療費控除の特例としてセルフメディケーション税制ができました。

 

セルフメディケーション税制の対象となるのは、「予防接種・定期健康診断・がん検診」など、健康維持増進や疾病予防への特定の取り組みを行っている個人が、1年間に「スイッチOTC医薬品」を、1万2000円を超えて購入した場合に控除が受けられます。

 

控除の上限額は8万8000円です。セルフメディケーション税制の対象となる商品には、パッケージにセルフメディケーション税控除対象マークが付いています。また、購入の際レシート等に、セルフメディケーション税制の対象商品であることが分かる旨が表示されています。

 

医療費控除とセルフメディケーション減税の申告方法

どちらも、支払いを証明する領収書(レシート)を保管しておく必要があります。また、セルフメディケーション税制は、「一定の取組」を行った証明となる、「予防接種済証」「健診結果通知表」等の添付又は提示が必要になります。
なお、平成29年度分からの医療費控除は、「医療費控除の明細書」を確定申告の際添付することで、領収書の提出が不要になりました。セルフメディケーション税制は医療費控除の特例ですから、こちらも明細書添付での申告となります。

 

領収書は5年間自宅保存が義務付けられています。(平成29年分から平成31年分までの確定申告に関しては、従来の医療費領収書を添付する方法でも申告できます)

 

医療費控除とセルフメディケーション減税は併用不可

注意点は、従来の医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できないことです。
控除額がより大きくなる方で確定申告をすればお得になります。

 

例1)医療費もセルフメディケーション税制対象商品も年間12万円支出
医療費控除の控除額:2万円
セルフメディケーション税制の控除額:88,000円
⇒セルフメディケーション税制を利用しましょう。

 

例2)医療費もセルフメディケーション税制対象商品も年間20万円支出
医療費控除の控除額:10万円
セルフメディケーション税制の控除額:88,000円
⇒医療費控除を利用しましょう。

 

確定申告をしようと思ったら年初から準備すること

どちらの制度も、支払いを証明する領収書(レシート)を保管しておく必要があります。また、セルフメディケーション税制は、「一定の取組」を行った証明書類も必要です。レシートや書類の保管場所を決めるなどして、申告時期になって慌てないようにしましょう。

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