公的年金受給額を増やすワザ
100歳時代と言われ、長生きした時の生活を心配する人が増えてきました。働くのが難しくなったリタイヤ後の生活を支えるのが年金です。今回は公的年金のうち、国民年金受取額を増やすワザをご紹介します。
国民年金の仕組み
国民年金は、日本国内に居住している20~60歳の人が保険料を払い、65歳以降一生涯年金が受け取れます。H29年の国民年金保険料は1ヶ月当たり16,490円です。保険料納付義務があるのは第1号被保険者(20歳以上の学生や自営業者、無職者、自営業者の配偶者など)です。第2号被保険者(厚生年金加入者)と第3号被保険者は自分で保険料を納付する必要がなく、納付したものとして将来の年金の受給額が計算されます。
65歳以降受け取れる年金を老齢基礎年金と言います。受給額は加入年数によって変わります。20~60歳までの40年間加入した場合、779,300万円(H29年4月分からの年金額)となります。
何歳まで長生きするとモトがとれる?
自営業者、学生、無職の方などの第1号被保険者は、年間約20万円の国民年金保険料を払っています。 40年間払い続けた場合の保険料総額は以下となります。
約20万円×40年間=約800万円
では、何年でモトがとれるのかと言うと、約10年という計算になります。つまり、75歳以上長生きすれば、老齢基礎年金は払い損にならないという計算になります。
老齢基礎年金を増やすワザ①繰り下げ受給
老齢基礎年金は、実は、65歳から受給せずに、66歳以降最長70歳まで受取開始を遅らせることができます。受給申請を遅らせて請求することを「年金の繰り下げ受給」と言います。繰下げの請求をした年齢に応じて、年金額が月単位で増額される仕組みになっています。
繰下げ請求と増額率
(厚生労働省 「老齢基礎年金の繰り下げ受給」参照)
もし、69歳11か月まで年金を繰り下げ受給した場合、年金額は65歳からの受給額779,300万円(H29年4月分からの年金額)に対し、141.3%増しの約110万円に増えます。ただし、払った国民年金保険料分を回収するためには約8年かかります。そのため、78歳よりも長生きすることで繰り下げ受給してモトがとれ、長生きする程、受け取れる年金額が多くなります。100歳時代と言われ、長生きした時の生活が心配な人は、70歳までは年金に頼らなくてすむように働いて、年金を繰り下げ受給する、というのが有効な方法のひとつになります。
2年で元がとれる年金があります!
もう一つ、将来の年金を増やす方法があります。こちらは掛け金を受給開始後、たった2年で回収できます。国民年金の「付加年金」と言って、毎月の国民年金保険料に400円追加して納付します。付加保険料を払うことで、将来受け取る老齢基礎年金に付加年金(200円×付加保険料納付済月数)が上乗せされます。
加入できる最大年数の40年間付加保険料を支払った場合の、支払額と上乗せ額を見てみましょう。
納付済保険料・・ 400円 × 480月 =19万2000円
受取年金額・・・・ 200円 × 480月 = 9万6000円
ご覧の通り、2年でモトが取れるのです!
付加年金は定額のため、支給額は増減しません。また、「そんなにお得なら400円といわず、もっと保険料を払いたい!」思う人もいるでしょうけれど、400円しか納付できません。
付加年金は誰でも加入できるわけではありません
残念ながら、付加年金は、誰でも加入できるわけではありません。付加年金に加入できるのは国民年金第1号被保険者(学生・自営業・無職者等)のみとなっています。
ただし、第1号被保険者であっても、以下に該当する人は加入できません。
・国民年金基金加入中
・保険料免除対象者
お住まいの市区町村役場の窓口で申込みができます。お得な制度ですので、利用できる方はぜひ検討しましょう。
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