円安時に『外貨建て保険』への加入は損?得?そもそも『外貨建て保険』とは?
今、外国為替市場で急速な円安が進行し、2022年10月中旬現在で約150円と1990年以来の安値です。これにより 日本では輸入品の原材料価格が上昇。さまざまな製品の値上げラッシュが続き、家計に大きな打撃を与えています。円高の場合、高価格な輸入ブランド商品が安くなったり、海外旅行に安く行けたりするメリットがあります。一方、円安では輸出企業にメリットが生まれますが、消費者にとってのメリットは多くありません。円安で積極的に利益を得るには、外貨建ての資産を購入し、さらに円安が進行したときに売却するという方法があります。外貨建ての資産には外貨建て保険・外国株式・外国債券・外貨預金などがあります。外貨建て資産は円安が進むほど資産価値が増えます。ここでは外貨建て保険の概要、メリットとデメリット、損か得かについて紹介します。
第一章 そもそも『外貨建て保険』とは?
外貨建て保険とは、保険料の支払いや保険金・解約返戻金などの受け取りなどが原則として、すべてドルなどの外貨で行われる保険商品のことです。アメリカを始め世界各国がインフレ抑制のために 金融政策を利上げに転換し始めましたが、日本はゼロ金利政策を変更する姿勢を現状示していません。その結果、円安が進行し、日本より金利が高いドルなどの外貨で運用される養老保険、終身保険、年金保険に加入すると高い利回りが期待できるメリットがあります。
ただし、円安時に外貨建て保険に加入するにあたってはメリットだけではなくデメリットがあり、十分に検討する必要があります。次章の「『外貨建て保険』のメリット・デメリット」や「円安時に『外貨建て保険』は損?得?」を参考に、加入するかどうか慎重に判断するようにしてください。
第二章 『外貨建て保険』のメリット・デメリット
1.外貨建て保険のメリット
1-1 資産の運用効果が高い
日本は低金利のため、高金利の外貨で運用される外貨建て保険は円で運用される円建ての保険よりも運用性に優れています。例えば、保険料は保険会社が定めた予定利率で計算されています。予定利率とは、保険会社が 保険加入者に約束する運用利回りのことで、保険料を決めるときの要素の1つです。そのため予定利率が変動すると保険料も変動し、予定利率が高くなるほど保険料は安くなっていきます。
予定利率の変動は、保険会社が保険料を積み立てて将来の保険金の支払いに備えているだけでなく、保険加入者に有利になるように積極的に運用しているために起こります。高い金利であるほど運用利回りも高くなることが期待でき、より多くの運用利益が見込まれるため予定利率は高くなります。その結果、円建て保険より外貨建て保険の保険料は安くなります。
1-2 資産のリスク分散ができる
預金金利よりもインフレの上昇率が上回ると円の価値が減少します。外貨建て保険を契約すると、外貨で資産を持つことになり、円安の進行による資産減少のリスクを分散できます。例えば、1ドル110円から1ドル150円の円安に なった場合、受け取る保険金が1万ドルとすると110万円が150万円に増加します。
2.外貨建て保険のデメリット
2-1 為替変動のリスク
今は円安ですが、円安の継続は保障されておらず、突然円高になる可能性があります。例えば、運用利回りが高くても保険金を受け取るときにドル円が150円から110円の円高になると、受け取る保険金は約3割減少します。場合によっては元本割れになる可能性もあります。なお、外貨建て保険はドルなどの外貨で受け取っても円に替えるのが一般的です。しかし、受け取った外貨を海外旅行や子どもの留学などの資金として、円に替えないでそのまま外貨を使うのであれば為替リスクの影響を小さくできます。
為替変動のリスク対策は、 保険金を円でもドルでも受け取れるようにしておくことですが、加入時に両方で受け取れるかを確認する必要があります。また、保険が満期を迎えても 為替レートがより円安になってから保険金を円で受け取る『据え置き』が可能かを加入前に確認しておきましょう。
2-2 円建て保険よりコストが高い
外貨建て保険は、支払う保険料を円から外貨に替えるときや保険金の受取時に外貨を円に替えるとき、手数料がかかります。また、契約初期に必要な手数料などもあるため、円建て保険より高いコストがかかります。
2-3 外貨建て保険の仕組みを理解する知識が必要
外貨建て保険は、為替リスクや為替手数料の負担があります。このことを 加入時にしっかり理解しておかないと、金利の高い預金と勘違いする誤解が生まれます。外貨建てでの元本保証があり、金利が高く有利だと思っても、円で考えると決して有利でもなく、最悪は元本割れが起きて損をする可能性があります。
第三章 円安時に『外貨建て保険』は損?得?
『外貨建て保険』はメリット・デメリットがあり、同じ保障内容の保険であっても 、将来の円安の動向、資産のリスク分散に対する考え方などによって損得か変わってきます。
保険料の損得のみで検討すると、例えば1ドルが130円のとき、一般的な終身保険の円建て保険料よりドル建て外貨保険のほうが3割程度安くなる可能性があります。ただし、保険会社や保険の種類(特約条件も含む)で損得の状況が変わります。同じ条件で円建てと外貨建ての保険料がいくらになるかを必ず確認する必要があります。
今後、さらに円安が 進行していくと、 受け取る保険金が増えていくため支払う保険料が安くなるメリットは薄れていきます。ただし、受け取る保険金が増えるので保険金を受け取るときまで円安が継続していると、外貨建て保険が円建てよりもメリットがでる可能性があります。
なお、損得に大きな影響を与える為替レートの動向は、経済・政治・社会情勢の変化に対する各国の金融政策などに依存します。為替レートは不確実性が高いため、専門家であっても正確に動向を見通せません。そのため病気やケガ、死亡のときのリスクに対する備えのためだけであれば、円建ての保険をおすすめします。外貨建て保険への加入が合理的な場合の条件は2つです。
- 一定のリスクに対しての備えがあるが、さらに保障を充実させたい場合
- 円安による資産価値の減少対策、リスク分散のための手段として外貨建て保険を検討する場合
外貨建て保険を検討する場合、外貨を利用した投資でもあるため、投資に対する考えかたをしっかり持っていることが必要です。特に大切なこととして、投資をするときに必要な3原則 があります。3原則とは、「余剰資金で行うこと」「目先の利益ではなく長期的な利益の視点で行うこと」「リスク分散した投資を心掛けること」です。この3原則を 実践していくことで、外貨建て保険でのリスクが低くなります。
第四章 まとめ
『外貨建て保険』に加入することは、為替レートの動向次第では、円建て保険よりもメリットがあります。しかし、リスクも高いので慎重に考えて加入を検討しなければなりません。投資ではなく病気やケガ、死亡のための保障であれば、手頃な掛け金で始められる全国共済への加入が経済的にもっとも合理的でおすすめできます。
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