「家賃並みの住宅ローンで家が買える」は本当?

2017年12月24日

不動産のチラシで「現在のお家賃並みの支払で住宅ローンが組めますよ!」というフレーズをよく見かけます。賃貸よりグレードが高く広い物件が、同程度の支払いで手に入るなら、「断然買ったほうがお得!」とすぐにでも購入したくなります。けれど、本当に家賃並みの負担で済むのでしょうか?賃貸と住宅取得後のコストの変化を確認して見ましょう。

 

家を購入するときにかかるお金

賃貸と違って、住宅を購入するときには、様々な種類の費用が発生します。大きく分けると、「住宅取得における費用」「住宅ローンを組むための費用」「実際に住み始めるための費用」に分かれます。費用合計の目安は、新築で物件価格の3~5%程度、中古で5~8%程度と考えましょう。

 

住宅取得における費用

・仲介手数料:中古物件の場合不動産仲介会社に払う。物件価格×3%+6万円。税別。
・印紙税:売買契約書や請負契約書等に必要な収入印紙代。一般に数万円。
・登録免許税:不動産の登記にかかる税金
・登記手数料:登記手続きをお願いする司法書士に払う報酬

 

住宅ローンを組むための費用

・事務手数料:金融機関への手数料
・保証料:保証人を立てる代わりに保証会社を利用する場合にかかる費用
・団体信用生命保険料:住宅ローンの借入にあたって加入する生命保険料。一般的に保険料は金利に含まれているが、引き受け基準が緩やかなワイド団信や、一定の疾病や就業不能状態でローンの支払いが免除となる上乗せ保障を選択した場合、金利に上乗せの形で保険料が発生する。
・火災保険料:住宅ローンの借入にあたって、建物にかける損害保険料
・登録免許税:抵当権設定のためにかかる税金
・登記手数料:抵当権設定をお願いする司法書士に払う報酬

 

実際に住み始めるための費用

・リフォーム代やクリーニング費用:中古物件場合必要になります。
・引っ越し代
・家具代:買い替えをできるだけ控えても、カーテンと照明は部屋数に合わせて新調する必要があります。

 

家を買った後にかかるお金

住宅を購入したらスタートする支払いは住宅ローンだけではありません。固定資産税と言って、保有する固定資産に課税される地方税を毎年払わなくてはいけません。またマンションの場合は、管理費と修繕積立金を支払います。修繕積立金は何年か経つと値上がりするケースも多いため、購入前に長期修繕計画をしっかり確認しましょう。

 

住宅ローンの注意点

例えば住宅ローンを3,000万円、金利1%、35年返済で組むと、月々の支払いは84,685円となります(ボーナス払い加味せず)。住宅ローンの返済額が家賃と同程度や家賃より安いと感じたら、すぐに購入に踏み切りたくなりますが、ここで気をつけないといけない点が大きく2点あります。

 

ひとつは、35年の住宅ローンを組むと、支払いが大変になっても、途中でやめることができないことです。賃貸なら、生活がきつくなったら住替えて家賃を減らすことができます。住宅ローンを組むと、完済までの期間はそう簡単には住居費を減らせないため、目先だけではなく、ずっと無理なく払い続けられるかをよく考える必要があります。

 

もう一つは、将来の金利上昇の危険性です。全期間固定金利を選択すれば、今後金利が上昇し、返済額が上がる心配はなくなりますが、返済当初から支払いが増えます。そのため、低い変動金利を選択する人が多いのですが、●年後に金利が上昇した時に、無理なく返済を続けられるかを検討しておく必要があります。先ほど例で挙げた3,000万円、35年返済のローンは、金利が2%なら月々の支払いは99,378円となり、金利1%に比べて14,693円も支払いが増えてしまいます。

 

一見家賃とローン返済額は同じでも、住宅ローンを組むことで抱えるリスクがあることを知っておきましょう。

 

賃貸と購入の大きな違い

購入の良いところは、住宅が自分の資産になることです。住宅ローンを返済完了すれば、固定資産税などの負担だけで住み続けることができます。また不要になれば貸したり売却したりすることもできます。

 

一方、賃貸の良いところは、家計の状況や家族の人数に合わせて、いつでも住み替えが可能なこと。間取りや家賃を気軽に変更できるため、不確定要素が多い家庭は賃貸の方が良いかもしれません。

 

家賃と住宅ローンの目先の金額だけを比較するのではなく、トータルのコストや暮らしの変化をよく考えて、住宅取得を成功させましょう。

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