『ふるさと納税』で住民税と所得税が控除される仕組みと手続き方法

ふるさと納税は2008年から始まった制度です。しばらくの間、利用者数は伸び悩んでいましたが、2015年の税制改正で寄附した金額に対して住民税と所得税の税金が控除される、控除額の上限が約2倍に引き上げられました。また、一定の条件を満たせば「ワンストップ特例」が利用でき、確定申告が不要になって利用しやすくなったことから利用者が急増。2018年の利用者は約395万人と改正前の2014年の約44万人から約9倍に増加しました。ふるさと納税の手続きが面倒、あるいはメリットや仕組みがよく分からないからという理由で、まだ利用していない人に、ふるさと納税の仕組みと魅力・メリットについて紹介します。

第一章 ふるさと納税で住民税・所得税が控除される仕組みとは

1.ふるさと納税の仕組みの概要

ふるさと納税は、寄附した自治体からお礼として魅力的な返礼品がもらえ、寄附した金額から2,000円を除いた金額が翌年の住民税・所得税から控除されます。つまり、実質2,000円で、それ以上の価値のある返礼品を受け取れ、応援したい自治体のためにもなるという魅力のある仕組みで運用される制度のことです。

ただし、寄附をする人の年収や家族構成などによって控除の上限額が決められています。例えば、3万円以上の寄附で非常に魅力的なブランド牛やブランド米が返礼品としてもらえるので寄附するとします。そのとき3万円の寄附は可能ですが、控除される上限額が2万円であったとすると、上限額の2万円から2,000円を除いた1万8,000円が住民税や所得税から控除されるだけで2万8,000円の控除額にはなりません。

控除上限額をこえた1万円は控除されないので、実質の負担額は2,000円ではなく1万2,000円になってしまいます。そのため、ふるさと納税の仕組みを最大限に活用するには、自分の控除される上限額がいくらであるかを知ることが必要です。

2.ふるさと納税のタイミング/住民税の控除時期と所得税の還付時期

ふるさと納税の寄附は、その年の1~12月までのいつでも好きなときにできます。期限は決められていません。ただし、人気のある自治体の返礼品は寄附の申し込みが多いと早期に品切れになって終了する可能性があります。そこで、早く寄附してしまうと、その年の年収が途中で見込みより大きく増減した場合、控除上限額も増減し、場合によっては早く寄附を終えてしまうと寄附金額が上限額を上回ることや、大きく下回ってしまう可能性があります。そのため、計画的に利用することが必要です。

なお、所得税は還付されますが、住民税は還付ではなく課税額から控除されるという違いがあります。所得税は翌年の3月の確定申告で還付され、住民税は翌年の6月頃に自治体から住民税の金額の通知を受け取ることで住民税から控除されていることが分かります。

第二章 ふるさと納税による控除で算出される住民税の額はいくら?

住民税の控除額の計算方法

ふるさと納税の住民税控除額の計算方法には基本分と特例分の2つがあり、その合計額が住民税から控除されます。

1.住民税から基本分の控除額の計算式

(ふるさと納税で寄附した金額-2,000円)×10%

なお、控除対象の寄附額は総所得金額等の30%が上限と決められています。総所得金額等とは,年間の総収入金額から経費や純損失・雑損失の繰越控除額を差し引いた金額のことです。因みに所得税は、この金額から所得控除(基礎控除、医療費控除、雑損控除、寄附金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、配偶者控除、配偶者特別控除)などを行った後の課税所得金額に対して、金額に応じた所得税率をかけて計算されます。

2.住民税から特例分の控除額の計算式

(ふるさと納税の寄附金額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率×1.021)

所得税の税率とは、課税所得金額に応じて課税される税率のことです。税率は7段階で最低の5%から最高の45%まであります。課税所得金額が195万円未満であれば税率は最低の5%ですが、195万円をこえて330万円未満は10%、330万円をこえて695万円未満であれば20%と上がっていきます。

1.021をかけるのは復興特別所得税を課税するためです。なお、住民税の課税額は、所得に応じて課税される所得割と所得に関係なく課税される均等割の合計です。特例分の控除額が住民税の所得割額の20%をこえると、上記ではなく以下の計算式が用いられます。この場合、実質的な負担額は2,000円以上になるので注意が必要です。

(住民税所得割額)×20%

控除額の上限を知るには、総務省のふるさと納税の解説サイトに「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」として、年収別、家族構成別に概算の金額が紹介されています。目安のため注意書きを読んでご利用ください。また、「ふるさと納税 控除額 計算方法」などのキーワードで検索すると、数字を入力するだけで控除額の概算を計算できるサイトを見つけられます。

第三章 ふるさと納税による還付で算出される住民税の額はいくら?

所得税の還付額は以下の計算式で算出できます。

(ふるさと納税の寄附金額-2,000円)×所得税率×1.021

なお、控除対象の寄附額は総所得金額等の40%が上限と決められています。その金額をこえると、こえた金額は控除されません。

ふるさと納税による控除額は、第二章の住民税の基本分と特例分の控除額と、所得税の還付額の合計金額です。控除額の上限をこえていなければ、寄附した金額から2,000円を除いた金額が合計額です。

第四章 ふるさと納税の控除を受けるために必要な確定申告の手続きについて

ふるさと納税による寄附金の控除を受けるには、通常、確定申告の手続きが必要です。ふるさと納税を行うと、その自治体から「寄附金受領証明書」が送られてきます。この証明書を確定申告書の必要書類に添付し、寄附をした翌年の3月15日までに居住している管轄税務署に対して確定申告を行います。

ただし、以下の条件を満たせば、「ワンストップ特例制度」を利用できます。「ワンストップ特例制度」とは、確定申告をしなくても、控除金額の全額を住民税から控除される制度のことです。

条件1:確定申告が必要でない給与所得者などであること

給与所得者であっても年収2,000万円をこえる所得者や医療費控除などその他の理由で確定申告が必要な人は、確定申告でふるさと納税の控除申請が必要です。

条件2:1年間に寄附した自治体が5つ以内であること

ふるさと納税は複数の自治体に寄附できます。なお、1つの自治体に複数回の寄附をしても自治体数は1としてカウントします。

条件3:寄附の申し込みの都度、自治体へ必要な申請書を期日までに郵送していること

同一の自治体に異なる時期に寄附をしても、その都度申請書を提出しなければなりません。申請に必要な書類は、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」と「マイナンバーカードおよび申請者本人を確認できる書類」です。特例申請書は、自治体のサイトからダウンロードできます。提出は寄附した翌年の1月10日までに郵送による必着が必要です。

第五章 まとめ

人気が出ているふるさと納税について紹介しました。どこの自治体がどんな返礼品を用意しているかは、「ふるさと納税 返礼品」などのキーワードで検索することで簡単に調べられます。2019年6月に制度が改正され、自治体の過当な競争を避けるために「返礼品の調達額(返礼率)を寄附金額の3割以下とすること」が義務付けられ、少し魅力が薄れました。しかし、寄附金額の3割とは、あくまでも自治体の調達価格です。そのため、一般消費者が調達する価格よりも自治体の調達価格が安い返礼品も多く、一般消費者から見ると「還元率」が3割を大きく上回るお得な返礼品も存在しています。まだ、利用していなければ、この機会に利用してみることをおすすめします。


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