新型コロナウイルスの影響で受付延長。まだ間に合う確定申告

2020年3月6日

確定申告の受付期間中ですが、国税庁は政府が打ち出した新型コロナウイルスの対策を受けて、平年であれば原則として3月15日までの受付期間を1ヵ月延長すると発表しました。同時に確定申告の会場に出向くことなく、自宅や税理士事務所からスマホやパソコンを使ってインターネット経由で申告できるe-Taxをすすめています。そこで、この確定申告期間の延長の理由ともなった国内における新型コロナウイルスの感染状況、e-Taxのメリットや利用方法、および確定申告の基礎知識について紹介します。

第一章 新型コロナウイルスの影響で確定申告の受付を2020年4月16日まで延長

1.確定申告期間延長の背景とe-Tax利用の促進案内

政府は2020年2月26日、今がまさに感染の流行を早期に終息させるために極めて重要な時期であるとして、人が多く集まる全国的なスポーツ、文化イベントなどについて大規模な感染リスクがあることから今後2週間は、中止、延期または規模の縮小などの対応を要請。翌27日には、さらに感染拡大を防ぐために一歩踏み込んで全国すべての小中学校、高校と特別支援学校を3月2日から春休みに入るまで臨時休校するよう要請しました。これを受けて国税庁は2月27日、確定申告の期間を4月16日まで延長することを発表しました。これにより、確定申告会場の混雑を緩和できて感染リスクの低下が期待できます。e-Taxで申告をすれば、確定申告会場に行く必要のないメリットのほかにも、医療費の領収書や寄附金の受領証などの書類を提出する必要がないこと、および計算機能を備えていることから電卓で計算する必要がないメリットなどがあります。

2.新型コロナウイルスの感染状況

感染者数の日々増加については、毎日、ニュースで報じられていますが、厚生労働省も前日までの感染者数を毎日更新し「報道発表一覧(新型コロナウイルス)」のページで発表しています。また、感染者数や、年齢別、都道府県別を図表化して毎日提供している(株)東洋経済新報社の「新型コロナウイルス国内感染の状況」のページでは時系列で感染者の増加傾向などが分かります。

2-1 国内の新型コロナウイルス感染状況(2020年3月1日12時時点)

PCR検査
実施済み者数
陽性者数 症状なし 症状あり 死亡者数
国内事例件数 2,517 239 22 217 5

(注)

  • 症状あり患者217例(国内事例206例、チャーター便帰国者事例11例)
  • 無症状病原体保有者22例(国内事例18例、チャーター便帰国者事例4例)
  • 日本国籍者195名
  • 国内事例のPCR検査実施人数は、疑似症報告制度の枠組みの中で報告が上がった数を計上しており、各自治体で行った全ての検査結果は反映されていません(退院時の確認検査や、疑似症報告に該当しない検査など)

2-2 チャーター便、クルーズ船の患者を除く都道府県別感染者数(2020年3月1日12時時点)

感染者のいる都道府県 感染者数(多い順)
北海道 69
東京 35
愛知 29
神奈川 20
千葉 12
和歌山 11
熊本 5
大阪 4
石川 4
沖縄 3
岐阜 2
京都 2
福岡 2
宮城 1
新潟 1
栃木 1
長野 1
静岡 1
三重 1
奈良 1
高知 1
合計 206

第二章 感染拡大防止のため、国税庁がe-Taxによる申告を推奨

国税庁は、新型コロナウイルスの感染リスクを低下させるために申告期間を延長したことに加えて、e-Taxによる申告を推奨しています。e-Taxの基本、メリット、利用方法を紹介します。e-Taxの利用率は、2018年度の実績値で58.5%にとどまっています。

1.e-Taxとは

e-Taxとは、所得税の確定申告のほか、贈与税、法人税、地方法人税、消費税(地方消費税を含む)、復興特別法人税、酒税および印紙税に関する申告、納税、申請・届け出など各種の手続きが、インターネットなどを利用して電子的に行えるシステムのことです。これにより、納税に関する書面を持参、もしくは送付による提出をする手間が省けます。

2.e-Taxを利用するメリット

2-1 自宅や税理士事務所から申告が可能

申告会場に行く必要や郵送の手間が省けます。

2-2 申告手続きが簡便

源泉徴収票や医療費控除の領収書などは、原本書類の提出・提示を省略できます(ただし、書類は一定期間の保管が必要)。また、計算機能があり簡単に金額計算ができます。

2-3 還付が早い

e-Taxで申告すると、還付金がある場合、書面よりもスピーディーに行われます。通常、書面の場合は1ヵ月から1ヵ月半ですが、e-Taxでは3週間程度といわれています。

2-4 青色申告者はe-Taxの利用で控除額が書面申告より10万円増額(2020年から)

2018年度の税制改定で青色申告の特別控除額が2020年分の確定申告以降、書面による申告では65万円から55万円に減額されますが、e-Taxを利用すると減額されず65万円のままです。なお、同時に基礎控除の金額は38万円から48万円に増額されます。一方、書面による申告では、基礎控除が10万円の増加ですが、特別控除額が10万円減額されるため、税制改定前とプラスマイナスゼロになってしまいます。しかし、e-Taxを利用すると、従来よりも10万円控除額が増額し、税額が減少します。

2-5 早い確定申告が可能

通常、確定申告は毎年、原則2月16日~3月15日が受付期間ですが、e-Taxを利用すると1月上旬から可能です。毎年、確定申告の期間が忙しければ早めに申告できるメリットがあります。

3.e-Taxで確定申告をする方法

さまざまなメリットがあるe-Taxですが、利用するにあたっては事前準備が必要です。

3-1 パソコン、スマートフォンの準備

国税庁が推奨する環境で利用できるパソコン、スマートフォン、ソフトウェアが必要です。パソコンの推奨環境についてはこちらで、スマートフォンの推奨環境についてはこちらで確認ができます。

3-2 e-Taxによる提出方法を選択

e-Taxを利用するために「マイナンバーカード方式」または「ID・パスワード方式」のいずれかを選択します。

3-2-1 「マイナンバーカード方式」とは

「マイナンバーカード方式」とは、マイナンバーカードとICカードリーダライタまたはスマートフォンを利用してe-Taxを行う方法のことです。ICカードリーダライタは家電販売店などで購入でき、価格は3,000円前後です。マイナンバーカード対応のスマートフォンがあれば代用できます。なお、ICカードリーダライタは、自治体が発行するポイントをためたり、国や自治体の行政サービスを自宅に居ながら利用できたりする使い方ができます。マイナンバーカードの作り方は、「マイナンバーカード総合サイト」や、住んでいる市区町村の窓口に問い合わせることで確認できます。

3-2-2 「ID・パスワード方式」とは

「ID・パスワード方式」とは、マイナンバーカードおよびICカードリーダライタが普及するまでの暫定的な対応策で、税務署が発行するID・パスワードを利用してe-Taxを行う方法のことです。マイナンバーカードとICカードリーダライタは不要です。ID・パスワードは、税務署で職員が本人確認を行い発行されます。そのため顔写真付きの本人確認ができる書類(運転免許証など)を持って税務署に行く必要があります。なお、自宅からもID・パスワードを発行してもらえますが、この場合、マイナンバーカードとICカードリーダライタが必要になるため説明を省略します。

3-3 確定申告手続き

e-Tax利用の準備ができたら、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」のページから「作成開始」をクリックして手続きを進めます。

第三章 そもそも確定申告の対象者は?

確定申告は、1年間の所得に対する税金を計算し、納付(または還付を受ける)するために行うので、原則として何らかの収入を得ている人すべてが確定申告の対象者です。ただし、給与所得者は年末調整で税額が計算され控除されるため、会社が行ってくれない収入(所得)や経費がある人以外は確定申告を行う必要はありません。また、収入があっても、その金額が一定金額以下であれば確定申告は不要です。

以下は、一般的に確定申告の対象者となる人です。

自営業者やフリーランスなどの個人事業主

給与所得者ではないため、会社で年末調整が行われないので一定金額以上の収入があれば確定申告が必要です。なお、損失を繰り越せる場合は、赤字で納税する必要がなくても確定申告をすると、例えば翌年に黒字で納税が発生すると税額が減らせるメリットが生じます。

2,000万円以上の給与所得者や2ヵ所以上から給与を受けている人

給与所得者は、原則として年末調整で税額が計算され、給与から税額が控除されるので確定申告は不要ですが、2,000万円以上の給与所得者や2ヵ所以上から給与を受けている人などは確定申告が必要です。

一定額以上の公的年金を受け取っている人

公的年金から源泉徴収されていない人で、受給額から所得控除(生命保険や扶養など)を差し引いたのちに金額が余るようであれば、その差額が所得とみなされるので確定申告の必要があります。なお、年金の源泉徴収が行われている場合は、原則として確定申告の必要はありません。ただし、公的年金などの年間収入金額が400万円以上の場合は、確定申告が必要です。

不動産収入や株取引などの収入がある人

源泉徴収されていない何らかの収入が一定額以上ある場合、確定申告が必要です。ただし、株式の所得は「株式譲渡益課税制度」による税額計算が必要なことや、NISA口座での利益は非課税となり、その投資額が120万円までなら申告は不要などの例外があり注意が必要です。

その他の人

その他の確定申告の対象となる人については国税庁の「確定申告が必要な方」のページを参照してください。

第四章 医療費控除と保険料控除

多くの場合、会社員や公務員などの給与所得者は、会社が行う年末調整で確定申告は不要です。しかし、給与所得者でも確定申告をすることで税額を低くできるのが「医療費控除」と「保険料控除」です。「医療費控除」と「保険料控除」を活用するには、当サイトの「確定申告前に知っておきたい医療費控除と保険料控除について」の記事を参考にしてください。


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