寒いと怠りがちになる『換気』 冬こそ大事な換気を再確認!

新型コロナウイルス対策の一つとして換気が推奨されてきましたが、寒い季節になると おろそかになりがちです。換気はコロナ対策だけでなくインフルエンザ対策にも効果的です。さらに寒い冬の換気はウイルス対策のみならず、ほかの病気対策などの点からも重要です。冬に換気が必要な理由、得られる効果、効果的に行うためのチェックポイントについて紹介します。

第一章 なぜ換気が冬に必要なのか?換気が必要な3つの理由

1.ウイルスの除去

すでによく知られていることですが、換気は新型コロナウイルスやインフルエンザウイルス対策に効果的です。これらの ウイルスは衣服などに付着して家に持ち込まれ、空気中に飛散し長く滞留する可能性があります。また、せきやくしゃみに含まれるウイルスも空気中に滞留します。換気して、ウイルスを屋外に排出し、新鮮な空気を取り入れることが感染対策として非常に有効です。

2.結露の防止

冬は屋内と屋外の温度差が大きくなり、窓ガラスなどに結露が生じやすくなります。結露の原因となるのは室内の水分で、結露を防ぐには換気が効果的です。換気しないと加湿器や石油ストーブ、あるいは調理などによる水蒸気の発生で室内の湿度が高くなります。 また、人間が部屋にいるだけでも湿度は上昇します。その理由は、 人間1人が1日で、呼気を含めた水分を約1リットル放出するといわれているからです。

ひどい湿気は、天井、壁、床などの建材にカビを発生させたり、腐食させたりして家屋の耐久性や性能を低下させます。結露は目に見える窓ガラスだけではなく壁紙の中の石こうボードなどや床下などにも発生するため、気付かないうちに腐食が進む可能性があります。また、カビはぜん息の原因の一つになり、さらにぜん息の別の原因となるダニを増殖させる可能性があります。そのため、これらの病気を予防するには結露を防止することが重要です。

3.新鮮な空気の確保

人は1日に約1万リットルの空気を吸っているといわれています。1万リットルがどれくらいの量かというと、ドラム缶に換算すると約50本にもなる量です。6畳程度の部屋であれば、2人が1日その部屋で生活すると、部屋の空気を全部吸ってしまう計算になり、空気が二酸化炭素で 汚れてしまいます。新鮮な空気を吸うことで、心身をリフレッシュでき、気持ちよく毎日を過ごすためにも換気は重要です。

第二章 ウイルスだけではない!人体に悪影響を与える物質にも換気が有効

ウイルス対策に必要な換気ですが、室内の空気中にはウイルスのほかにも健康に悪影響を与える物質が発生しています。地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所によると、住宅などの室内空気中から約4000種類の化学物質が検出されています。これらは、主に「建築材料」「家具などの持ち込み品」「居住者の活動」から発生するほか、「屋外からの大気の流入(工場や車の排出ガスなど)」で生じます。空気中に含まれる主な化学物質について紹介します。

1.一酸化炭素(CO)

石油・ガスストーブ・コンロなどが不完全燃焼を起こしたときに発生します。火災時に大量に発生するため、火災による死亡原因の一つです。一酸化炭素は、色、臭いがなく、微量でも吸い込むと中毒症状を引き起こし、死に至る危険性が高く怖い有害物質(気体)です。

2.二酸化炭素(CO2)

二酸化炭素は地球温暖化の原因の一つである温室効果ガスとしてよく知られています。人間の呼吸や石油・ガスストーブ、ガスコンロなどを使用すると発生します。二酸化炭素濃度が3%を上回ると息苦しさ、めまい、吐き気、頭痛などの症状が出てきます。7%以上になると意識がなくなり、最悪の場合はそのまま死に至ります。

3.ホルムアルデヒドなどの有害化学物質

ホルムアルデヒドなどの有害化学物質は、建築資材に使用されて一定の濃度になると目・鼻・喉などの粘膜を刺激して、シックハウス症候群になる可能性があります。現在、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、エチルベンゼンなど13物質について厚生労働省が室内濃度 指針値を設定しています。有害物質を多く使う建築資材は少なくなっていますが、有害物質に過敏な場合、換気を定期的にする必要があります。

4.ハウスダスト

ハウスダストは、室内の空気に含まれる1mm以下の目に見えないチリ・ゴミなどの総称です。主にダニの死骸、カビ、細菌、花粉、繊維クズ、有害化学物質などです。小さいため、室内の空気がほんの少しでも動くと空気中に舞い上がって人間が吸い込んでしまいやすくなります。最近の住宅は気密性が 高まっているため、ハウスダストが室内に滞留して、シックハウス症候群が起きやすくなります。シックハウス症候群の主な症状は、「目のかゆみ」「鼻水」などのアレルギーに似た症状や、「めまい」「吐き気」「ぜん息」などです。住宅の気密性が高いとカビも発生しやすくなります。

第三章 冬の換気チェックポイント

換気に関するチェックポイントを紹介します。なお、室内の空気中にどれくらいのウイルスの有害物質があるかは判断しにくいので、換気のタイミングは明確に判断できません。また、居住している人数、一酸化炭素・二酸化炭素を排出する器具の使用状況、幹線道路や工場があるなど住宅の周辺環境によって換気の頻度は大きく変わります。以下の内容は 目安です。

1.換気の回数・時間

換気は2時間に1回、5分から10分程度の時間が必要とされています。効果は、換気時間より換気の回数を増やすほうが高くなります。効果をさらに高めるには、家具と壁の間に隙間を設けておくことが重要です。隙間があることで風が通りやすくなり、カビなどの発生の防止効果も高くなります。換気の都度、重い家具や電化製品などを動かすことは難しいので、隙間が少ないときは買い替えや大掃除、家具の再配置をするときなどに隙間を少しだけ広げるようにしましょう。寒い冬は、1時間に 3分から5分程度と、時間は短く・回数を増やすと部屋の温度が急激に低下することを避けられます。また、空気の入れ換え前に室温を上げておくとよいでしょう。 最近では、建築基準法の改正により、24時間換気ができる住宅が増えています。換気システムを使っていない家庭も多いようですが、積極的に使うと室温をあまり下げずに換気できます。

冬には窓を閉め切って石油・ガスストーブを長時間使うことが多く、空気中の二酸化炭素や場合によっては一酸化炭素が増加します。一般的に空気中の二酸化炭素濃度は410ppmで、室内の二酸化炭素濃度の基準は1,000ppm(空気全体の0.1%)以下とされています。室内濃度が基準値に達すると「室内環境が悪い=換気不足」と判断できます。二酸化炭素濃度を計測するには、「CO2(二酸化炭素)モニター」が必要です。自治体によっては、「CO2モニター」を無料で貸し出して いるので、お住まいの
市区町村に確認するとよいでしょう。

2.空気の通り道

部屋の空気を効果的に入れ換えるには空気の出入り口が2カ所以上必要です。部屋の入り口に対して、対角線にある窓を開けると部屋の空気全体を効率的に入れ換えられます。1カ所しか開放できないときは、換気扇を使うなどして空気の通り道を作ります。空気の通り道がないときや、流れにくい場所で、特に湿気がこもっているところでは扇風機などを使って空気の流れを作りましょう。

3.空気の入り口・出口

換気は空気の出入り口をそれぞれ全開にするのがよいと思いがちですが、必ずしもそうではありません。空気は狭いところから広いところへ移動するときに空気の流れが強まります。そのため、空気の取り入れ口は 5cmから15cmほど開け、出口を全開にすると効率的に換気ができます。

4.換気の時間帯

換気は、外気の湿度が低い時間帯に行うと室内の湿った空気を排出し、外の乾いた新鮮な空気を取り込むことで結露を防止し、カビなどの発生を予防できます。 一般的に秋から冬の湿度の低い時間帯は、雨天の日を除くと12時から14時頃です。湿度も計測できる温湿度計があると湿度を確認できます。なお、花粉が多い季節で 花粉症の症状がある人は、花粉の飛散量が少ない早朝の換気がおすすめです。花粉の飛散量は気温に比例して上昇します。また、 レースカーテンをしたまま換気することで、花粉の流入を大幅に減らせます。

第四章 まとめ

こまめな換気は新型コロナやインフルエンザ、ぜん息などの病気の予防に効果的です。しかし、病気を完全に予防することは困難です。病気やケガに幅広く使えて手頃な掛け金で始められる全国共済への加入をおすすめします。

 


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