生活習慣病を予防しよう!

2018年9月21日

年齢を重ねるに連れて健康診断や人間ドックを受診すると生活習慣病に注意するように医師に指摘されることが多くなります。しかし、自覚症状がないことから注意されても、多くの人は生活習慣をあらためないまま生活を続けます。あるいは、短い期間は生活習慣をあらためても、すぐに元の悪い習慣の生活に戻ります。こうして、悪い生活習慣を変えないまま生活を続けていると、動脈硬化などが進行していき、ある日突然心筋梗塞や脳梗塞など最悪は死にいたることがある重い病気を発症する可能性が高まります。そのため生活習慣病は「サイレント・キラー(静かな殺し屋)」と呼ばれています。このような恐ろしい結果を招く生活習慣病とはどのような病気なのか、そしてこのリスクにどう備えて、発症しないように予防するにはどうすればよいかについて解説します。

第一章 生活習慣病は保険や共済で備えて生活習慣で予防する

多くの人が、医療費や入院費、万一のときに必要な家族の生活保障などのために病気やケガ、事故に備えて保険や共済に加入しています。生命保険への加入率は、公益財団法人 生命保険文化センターの2016年度「生活保障に関する調査」によると男性80.6%、女性81.3%と8割以上の高い率です。

一方で、健康のために具体的に気をつけている人の割合は、厚生労働省の2014年度の「健康意識に関する調査」によると保険や共済への加入率ほど高くないことが分かっています。この調査は、「健康のために積極的にやっていることや、特に注意を払っていることがある」および「生活習慣には気をつけるようにしている」という人を対象にした調査です。

  • 過労に注意し、睡眠、休養を十分とるよう心がけている:55.6%
  • 食事・栄養に気を配っている:69.2%
  • 酒、タバコを控えている:19.4%
  • 定期的に健康診断を受けている:45.6%
  • 運動やスポーツをするようにしている:48.5%

上記の調査結果は、健康志向の強い人に聞いた調査結果でありながら、健康によいことをしている人の割合は高くありません。健康にあまり気を遣っていない人を含めると健康に注意している人の全体に対する割合はさらに低下します。生活習慣病は、名前の通り不健全な生活習慣の積み重ねが原因となって発症します。生活習慣を改めることで心筋梗塞や脳梗塞などの怖い病気になるリスクを大幅に軽減できることから生命保険への加入だけでなく、それと同等以上に健康に配慮した生活を送ることが大切です。

第二章 生活習慣病とは

生活習慣病は、規則正しい食事・睡眠、栄養バランス、適度な運動、ストレス、禁煙、アルコール、食塩や糖分の過剰な摂取など毎日の生活習慣によって病気が進行し、発症する病気の総称です。

具体的な病名は、食生活の習慣が原因で発症するのが糖尿病、肥満症、高脂血症、高血圧症、高尿酸血症、循環器病、大腸がん、歯周病などです。糖尿病、肥満症、高脂血症、高血圧症などは毎日の運動習慣によっても発症するリスクが高まります。喫煙が原因で発症するのは、肺がん、慢性気管支炎、循環器疾患などです。過度な飲酒が原因で発症するのは肝硬変や脂肪肝などです。なお、これらの悪い生活習慣を長く続けると複数の病気の原因となります。特に高血圧症、脂質異常症、糖尿病、肥満症が同時に起こると「死の四重奏」といわれ、そのまま放置すると脳梗塞や心筋梗塞など突然死に至る怖い病気を発症する可能性が大幅に増加します。

生活習慣病は、命にかかわる怖い病気を発症するので恐ろしいのですが、気が付かないうちに病気が進行し自覚症状が現れないことが多く、この点でも恐ろしい病気です。自覚症状が早い段階で現れると早期治療が可能ですが、生活習慣病は、気が付いたときは手遅れ、場合によってはそのまま亡くなってしまうこともあります。

生活習慣病には、がん、脳卒中、心臓病が含まれますが、これらの病気は日本人の死亡者数の約60%を占めます。患者数も多く、厚生労働省の2014年度「患者調査の概況」によると患者数は、高血圧性疾患が1,010万8,000人、糖尿病が316万6,000人、高脂血症が206万2,000人、心疾患が172万9,000人、がんが162万6,000人、脳血管疾患が117万9,000人です。なお、実際に治療を受けている患者以外にも、「病気が強く疑われる人」および「病気の可能性を否定できない人」の患者予備軍まで含めると、例えば糖尿病の場合、いずれも1,000万人の計2,000万人が現在すでに糖尿病である可能性や将来糖尿病になる調査結果があります。

以上のことから、生活習慣病の怖さを知って、生活習慣を改めることで予防をして、健康診断や人間ドックを利用して早期発見・早期治療をすることが大切です。

第三章 生活習慣病を予防するには

健康に悪い生活習慣が長く続くと、生活習慣病を発症し、それが重症化したり合併症を起こしたりすると命にかかわる重篤な病気を発症し、さらに生活機能が低下することで要介護状態に早期になってしまうリスクが生じます。

では、生活習慣病の予防はどのようにすればいいのでしょうか? 生活習慣病の予防対策としては、1次予防から3次予防の3段階があります。

  • 1次予防は、生活習慣改善することで健康を増進し病気の発症を予防します。
  • 2次予防は、健康診断や人間ドックで健康状態の悪化程度を認識し、または病気を早期に発見し、悪化の進行防止、早期治療をします。
  • 3次予防は、さらなる悪化や身体活動の低下・進行を防止し、要介護状態にならないような治療を行います。

過去は、病気の早期発見・早期治療がメインでしたが、現在は、病気になる前段階から生活習慣を改善する「1次予防」が重視されています。

1.「一無、二少、三多」の実践

一般社団法人 日本生活習慣病予防協会は、生活習慣病の1次予防として「一無、二少、三多」を提唱しています。

「一無」とは、禁煙をして喫煙をゼロにすることです。喫煙すると健康を害するニコチン、タール、一酸化炭素を体内に取り込むので、ニコチンが糖代謝や脂質代謝に異常を引き起こし、糖尿病や脂質異常症などを発症するリスクを高めます。また、心臓・血管に悪影響を与えます。タールには、発がん物質、発がんを促進させる物質、その他の有害物質が含まれています。一酸化炭素は、血液の重要な役割である酸素を運搬する機能を妨げ、血液をどろどろにして血栓をつくりやすくします。

「二少」とは、少食・少酒のすすめです。栄養バランスの取れた食事を規則正しく、よくかんで、量は腹七~八分目にとどめます。また、白米、塩分、砂糖を摂取しすぎないように注意します。お酒の飲み過ぎは避けて、飲む場合は日本酒に換算して一合程度にとどめることをすすめています。

「三多」とは、体を多く動かす(多動)、しっかり休養をとってストレスをため込まない(多休)、そしてできるだけ多くの人、事、物に接する生活(多接)のすすめです。「多動」としては、1日に20分の歩行を2回。体操・筋力トレーニングを各10分程度することを推奨しています。「多休」とは、個人差がありますが規則正しい睡眠を6時間から8時間しっかりとることです。また、働きすぎないで休息をしっかりとって心身をリフレッシュし、ストレスを発散させます。

「多接」とは、孤独な生活をしないで、多くの人、事柄、物に接して、創造的な生活を行うことです。認知症の予防やストレスの発散などに効果があります。

2.生活習慣病を予防するためのポイント

2-1 肥満防止(適正体重の維持)

体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値はBMIと呼ばれますが、この値が22のとき、男女とも高血圧、高脂血症、肝障害などの病気になる率が最も低くなることが分かってきています。例えば身長が170cmで体重が75kgの人のBMIは、75÷(1.7×1.7)=25.95です。身長が170cmの人のBMIが22になる体重は63.58kgのため11kgから12kgの減量で理想の体重になれます。なお、BMIが18.5以上、25未満は正常の範囲内です。そのため、まずは3kg減量して72kgになればBMIは25未満になります。

2-2脂肪の摂りすぎに注意する

脂肪の摂りすぎは、肥満やメタボリックシンドロームの原因となります。メタボリックシンドロームになると心臓病や脳卒中などの動脈硬化性疾患を発症するリスクを高めます。

2-3 1日3食を規則正しく食べて野菜の摂取量を増加させる

1日3食を規則正しく食べないで、食事の回数を減らしたり、間隔をあけすぎると、体がエネルギーをためこもうとするため太りやすい体質になり肥満やメタボリックシンドロームになるリスクが上がります。野菜を多く摂ると野菜に含まれる食物繊維によって満腹感を覚えるので食べ過ぎの防止に効果的です。野菜は1日に350g以上摂ることが推奨されています。

2-4 運動習慣をつける

ランニング、ウォーキング、趣味のスポーツなど自分に合った運動を継続します。運動をよくすると、虚血性心疾患、高血圧、糖尿病、肥満、骨そしょう症、結腸がんなどになりにくく死亡率も低くなることが分かっています。また、運動をすることでストレスの発散ができメンタルヘルス面にもよい効果があります。さらに高齢になっても寝たきり防止に効果のあることも分かっています。厚生労働省は、ウォーキングの場合は、目標値を男性は9,200歩、女性は8,300歩としています。

2-5 規則正しく適正な時間の睡眠をとる

睡眠不足になると疲労を感じるようになるだけでなく情緒が不安定になり、また適切な判断ができにくくなります。必要な睡眠時間は年齢や個人差がありますが、6時間から8時間といわれています。また不規則な睡眠にならないようにすることも重要です。

2-6 禁煙と節酒を心がける

タバコは、血管を収縮させ血流を悪くし、血圧を上げて血管に負担をかけるほか、血液中の悪玉コレステロールを増やし、動脈硬化を促進させて心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患を発症するリスクを高めます。アルコールも飲みすぎると、肝臓に大きな負担を与えて肝硬変や脂肪肝のリスクを高めます。

2-7 歯を大切にする

歯が抜ける大きな原因である歯周病は、食生活や喫煙、歯磨きなどの生活習慣に大きく関係しており生活習慣病の1つです。歯周病は歯が抜けるだけでなく、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの原因になったり糖尿病を悪化させたりするなど体に悪い影響を与えます。

まとめ

保険や共済で万が一に備える意識は多くの人が持っていますが、病気を予防する意識を持っている人は健康志向が強まっている現在でもまだ十分ではありません。生活習慣を少し改善するだけで多くの生活習慣病に対する予防が可能です。明日からではなく今日、今から生活習慣を変えて健康増進、病気予防に役立ててください。

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