大切な人のために保険金を使える『生命保険信託』とは?活用方法とメリット・デメリット

生命保険に加入する主な目的 の1つは「万一のときに残された家族への生活保障」です。この目的に対して生命保険では保険金として大きな金額の財産を残せますが、『「誰に」「いくら」を残す』しか死亡前に確定できません。そのため、保険金が家族のために適切に使われるかは、亡くなった本人は確認できないという問題が生じます。

もし、保険金を高齢になった配偶者や両親のためにと思っていても高齢で認知症になってしまう可能性があります。その場合、保険金を残しても、うまく管理できずに問題のない生活を送れない可能性があります。このように残った家族の認知症が心配である場合や、離婚で1人親になったときに子どもが幼い場合、保険金を管理して子どものために使ってくれる頼れる人がいないときなど生命保険で保険金を残すだけでは大きな不安が残ります。

そして、このような問題が、少子・高齢化による核家族化、長寿命化、晩婚化などの進展で起こる可能性が高まっています。そこで、保険金を「誰に」「何のために」「何年間」「どのように」使うかなど、これらの問題を解決できる生命保険信託について活用方法やメリット・デメリットについて解説します。

第一章 生命保険信託とは?

1.生命保険信託の概要

生命保険信託とは、生命保険を契約することで死亡時に支払われる保険金を「誰に」「何のために」「いつ・何歳から・何年間」「どのように」「何をしたら・何をすれば」「誰の許可で」使えるかなど、生命保険の契約者の意志や目的をオーダーメイドできめ細かく設計し、死後にその内容を実現できる制度のことです。これにより、認知症が心配される高齢者や幼い子どもであっても保険金を安全に管理し、また合理的に運用して、亡くなった後に残された家族に対する不安を取り除けます。

2.生命保険信託を実現する信託制度とは?

上記のことを実現するために信託の制度が使われます。信託とは、財産を持っている人が「委託者」として、財産を信託銀行などの「受託者」に委託し、受託者は委託された財産を委託者の目的にしたがって、保険金を受け取る人である「受益者」のために管理・運用・処分する制度のことです。

信託には、「財産の使い方を自由に決められる」「現金や預貯金以外の不動産などの財産も信託できる」「信託した財産は受託者との契約で安全に管理できる」などのメリットがあります。信託された財産は、受託者が法律に基づいて管理し、受託者が倒産しても債権者が信託された財産を差し押さえができないなど安全に管理されます。また、信託された財産は運用などに豊富な知識と経験を有している信託銀行などによって安全・有利に運用されます。

第二章 生命保険信託の活用方法

生命保険信託の主な活用方法について4つの例を紹介します。

1.高齢の親あるいは配偶者の認知症が心配なとき

高齢の親を受取人にした生命保険に加入していたとき、親よりも先に死亡すると高齢の親が認知症を発症する心配があります。その場合、もし他に子どもがいないと親が保険金の管理・運用を適切に行えません。そのような場合、生命保険信託を利用すると、運用は専門家が行い、保険金を一括で全額を親が受け取るのではなく、あらかじめ決めた金額を毎月受け取れるようにできます。これにより多額のお金を詐欺でだまし取られたり、無駄使いをしたりすることなどを防止できて、お金の運用を専門家に任せられます。同様に高齢の配偶者を受取人にした生命保険に加入していた場合、残された配偶者が認知症になる可能性があります。そのような不安に対しても利用できます。

2.離婚して1人親の未成年者や障がいを持った子どもが心配なとき

多くの親は子どもを受取人とした生命保険に加入しています。しかし、離婚するとシングルマザーやシングルファーザーとなって1人親の子どもになります。近年、晩婚化の進行で万一、1人親が亡くなったとき子どもがまだ未成年である可能性が考えられます。未成年の子どもは、多額の保険金を一括で全額を受け取っても適切な管理・運用ができません。

子どものためにお金の管理を任せられる親族がいない場合、認知症の親の場合と同じ問題が生じますが、生命保険信託を利用すれば解決できます。例えば、中学卒業までは毎月5万円、高校卒業までは毎月10万円、大学卒業までは毎月15万円、22歳になったら残額を一括で支給するなど細かく設定できます。同様に何らかの障がいのある子どもが、保険金の管理・運用を適切に行えないと考えられる場合にも利用できます。

3.保険金の受取人の死亡後に残った金額の受取人を決めておきたいとき

保険金の受取人が高齢の場合、保険金の全額を受け取る前に亡くなることが考えられます。その場合、子どもや、子どもがいなくても、特定の団体や生前お世話になった人に残った保険金の全額を寄付できる第二受取人(第二受益者)を設定できます。その場合、最初に受け取る人を第一受取人(第一受益者)に設定しておきます。

4.子どもがいない場合に配偶者が亡くなった後の保険金の使いみちを決めておきたいとき

一般的に、夫は妻に保険金を残しますが、生命保険信託を利用していないと妻が亡くなったとき、子どもがいないと残った保険金は妻の法定相続人が受け取ります。妻の法定相続人に優先して受け取ってもらいたい人(自分の親や兄弟姉妹)がいれば、生命保険信託を利用することでその人の設定が可能です。

第三章 生命保険信託のメリット・デメリット

1.メリット

1-1 保険金の使い方をニーズに合わせて設定が可能

生命保険契約では実現できない生命保険契約者の個別のさまざまなニーズを実現できます。

1-2 財産の安全な管理が可能

多額の生命保険金を個人ではなく信託された信用力のある会社によって安全な財産管理ができます。

1-3 遺言書で実現できない保険金の受取人(受益者)の連続した設定が可能

保険金の最初の受取人(第一受益者)が亡くなったとき、残額がある場合、第二、第三の受取人(第二、第三受益者)を連続して設定できます。

2.デメリット

2-1 生命保険信託の手数料のコストが発生する

生命保険契約で支払われる保険金が手数料の分だけ少なくなります。手数料は、信託契約を締結するときに数千円から数万円。契約者が亡くなったときに分割で受益者に支給していく場合は、保険金額の数パーセント、一括で支給する場合は約10万円。分割で支給するときの信託中の管理手数料が年間数万円程度かかります(手数料は信託する会社によって異なります)。また、信託会社によっては、別の手数料が生じることもあります。

2-2 信託できる保険金の金額に制限がある

保険金が100万円以上から可能な場合もありますが、1,000万円以上や3,000万円以上と高額でなければ利用できないのが一般的です。

2-3 生命保険信託を利用できる生命保険会社は一部のみ

生命保険信託は、通常の生命保険契約と同時に指定の信託銀行または信託株式会社と生命保険信託の契約を締結することで始められますが、現時点ですべての生命保険会社で生命保険信託ができるわけではありません。

第四章 まとめ

大切な人に大きな財産となる保険金を自分の意志を入れて残したいというとき生命保険信託は利用する価値があります。しかし、メリットがある反面、信託できる保険金の金額や、余計なコストが発生するなどのデメリットもあるため、利用する場合は、十分に検討する必要があります。

一方、通常の生命保険への加入率は高く、多くの人が万一に備えて加入しています。生命保険信託は、保険金の金額に応じてかかるコストも多くなるため、通常の生命保険と分けて別々に加入する考え方もできます。生命保険信託の加入を検討中で、通常の生命保険に未加入でしたら、「全国共済」の生命共済を検討してください。少額の掛け金から始められるのでおすすめです。


全国共済への加入をお考えの方は、まずは資料請求からいかがでしょうか?
こちらから全国共済への資料請求ができますので、ぜひお役立てください。