こたつで寝るのは危険?体への悪影響と火災のリスクに備える

冬の寒い時期に手軽に暖を取れるこたつは、エアコンや石油ストーブと並んで多くの家庭で使用されています。足元が暖かくて心地よく、スマホやテレビを見ながらそのまま眠ってしまうことも少なくありません。しかし、長時間こたつで暖まることは体に悪い影響を与えます。また、こたつが原因で火災が起こる可能性もあります。こたつを使用するときに体に与える悪影響や火災のリスク、およびこたつを安全・快適に使用するポイントについて紹介します。

第一章 こたつで寝ると風邪をひく?体によくない?

こたつでスマホやテレビを見たり、読書をしたり、うたた寝するなどして暖まることは、リラックスできるので、健康に悪いとは思えないかもしれません。しかし、眠ってしまうなどしてこたつで暖まる時間が長いと体に悪い影響を与えることがあるのです。その理由について紹介します。

1.汗をかきすぎて脱水症状になる

こたつの温度が高いため、体は体温を下げようと汗をかきます。汗をかくと通常は気化熱で体温は下がりますが、こたつの熱で体温が下がらず、汗をかき続けます。その状態が長く続くと気が付かないうちに、最悪は脱水症状を引き起こしてしまう可能性があります。起きていれば水分補給も可能ですが、 眠ってしまうと気が付かず、補給できないため、脱水になるリスクが高まります。

2.こたつでの睡眠は質が低下する

こたつで眠ることは寝られても睡眠の質が悪くおすすめできません。質の高い安眠のためには、体温が下がることが必要です。睡眠中に汗をかくのは体温を下げて安眠するためです。しかし、こたつで寝ると体温が下がらず、質の高い睡眠が十分にできません。

3. 寝返りが不十分で肩こりや腰痛になる

寝返りをすることは、体の血流をよくし、体の一部に負担がかかりすぎるのを防止する効果があります。しかし、こたつで寝眠ると布団よりも寝返りが十分にできず、関節や筋肉に負担をかけて睡眠の質の低下に加えて、体がこって疲れが十分に取れません。うたた寝程度ではあまり大きな問題になりませんが、長時間の睡眠では肩こりや腰痛を引き起こしてしまう可能性があります。

4.自律神経が乱れて免疫機能の低下や心身の調子が悪化する

長時間こたつで暖まると、生命を維持するために必要な代謝や内臓の働き、体温の調節など体の機能を24時間コントロールする神経である自律神経が乱れます。こたつは下半身だけが暖まりますが上半身は寒いため、上半身と下半身の寒暖の差が激しくなります。そのため、体温を調節する自律神経の働きが狂って乱れやすくなります。自律神経の乱れは、免疫機能を低下させ、風邪を引きやすくなったり、心身の調子を悪化させたりします。

5.ヒートショックの引き金になる可能性がある

こたつだけの問題ではありませんが、暖かい部屋から急に寒い部屋に移動するとヒートショックが起きる可能性があります。ヒートショックとは急激な温度変化で失神、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすことです。こたつで暖まっているときも例外ではありません。 1.の脱水症状と
重なることで心筋梗塞をより起こしやすくなるので注意が必要です。

6.低温やけどを負う

触ると皮膚がただれるような高温やけどは、70度以上なら1秒程度で皮膚組織が破壊されてしまうといわれています。通常、こたつの温度はそこまで上昇しないので、高温やけどとはなりません。しかし、45度前後の温度に数分から数時間にわたって触れ続けると低温やけどを負う可能性があります。特にうたた寝して、こたつのヒーター部分に長時間にわたって肌が接触すると危険です。低温やけどの初期段階は、皮膚が赤らむ程度ですが、時間の経過とともに症状が進行します。放置すると、最悪は2週間程度で皮膚の感覚がなくなったり、皮膚の壊死(えし)・黒ずみが生じたりします。

低温やけどは見た目の症状があまりひどくないので、やけどの程度(深刻さ)が判断できません。低温やけどだと思ったら、放置せずに病院で受診する必要があります。放置して症状が進行すると、軽い手術では済まず、また長期間の治療が必要になることもあり、治療しても傷跡が残る可能性があります。なお、アロエやみそを塗るなどの昔の知恵による対処法がありますが、低温やけどにはほとんど効果はありません。低温やけどは皮膚の表面だけでなく皮膚の奥深くまで損傷しているからです。

第二章 こたつは体への影響だけでなく火災のリスクも

空気が乾燥する冬は火災が発生しやすくなります。また、いったん火災が起きると燃え広がるスピードも速く大きな被害の発生につながるため、火気の取り扱いに注意が必要です。総務省消防庁の「2021年における火災の状況」によると住宅火災の出火原因は、「こんろ(16.1%)」「たばこ(11.1%)」「ストーブ(7.6%)」「配線器具(6.0%)」「電気機器(5.9%)」の順です(放火を除く)。こたつは、0.4%と率は低いのですが、ゼロではないので以下のことに注意して、これらを避けるか、十分に注意して使う必要があります。

1.こたつの布団に引火

こたつにかけている布団が、こたつ内部に押し込まれた状態で使用すると、ヒーター部分に接触して、出火する可能性があります。

2.こたつの電源コードから出火

こたつの電源コードが断線しているとそこから出火する可能性があります。電源コードが重い家具などの下になっている場合や、電源コードをきつくぐるぐる巻きにした状態で長期間保管しておくと電源コードが断線しやすくなります。

3.こたつのヒーターから出火

通常のこたつのヒーターは、一定時間で切れて高温になりすぎることを防止する機能が付いています。しかし、何らかの理由でその機能が故障すると出火する可能性があります。

4.こたつ内部に入れた衣類から出火する

冬の寒い日に服を着替えるとき、こたつで服を暖めることがあります。また、完全に乾燥していない洗濯物を、こたつに入れて乾かすことがあります。このとき、衣類がヒーターに接触したままで長時間にわたって放置していると、そこから出火する可能性があります。

第三章 こたつは安全に使いましょう

こたつによる火事を防ぐには、こたつも火事の原因となることを認識して正しく使うことが重要です。

1.こたつをつけっぱなしにしない

こたつは、一定の温度以上にならない温度調節機能がついています。しかし、故障する可能性もあるため、また条件次第では温度調節機能が正常に働いていても火事が起こる危険性があります。そのため、こたつを使わないときは必ず電源を切るようにします。家を留守にすることが多い人や家に誰もいなくなる独身者や共働き夫婦などの世帯は、最近はスマートプラグを使うと、こたつの電源ON/OFFが外出先からでもスマホからできるのでおすすめです。

2.故障していると思われるこたつを使用しない

温度調整ができないときがたまにある、電源に触ると切れることがあるなど故障の可能性が考えられるとき、そのまま使用すると、出火する可能性が高まります。また、一般的に電気製品には寿命があり、長く使っているこたつほど突然、故障する可能性があります。

以下のような状態になったら、修理するか買い替えを検討しましょう。

  • 電源を入れてもヒーターがつかない、ついても切れることがある
  • ヒーターの温度調整が機能していない
  • 異常な臭いがするときがある

3.ヒーターを使用前に掃除する

こたつを使うとき、一般的に多くの家庭では長い間押し入れなどにしまわれているので、ヒーター部分にホコリなどの汚れがついていることがあります。その汚れが、こたつを使用するとヒーターの熱で燃える可能性があります。こたつを使用する前に掃除して、ホコリなどの汚れを落としてから使用しましょう。ホコリは、パソコンなどの掃除で使うエアースプレーが便利です。

4.火事になりにくい機能のあるこたつを選んで使用する

こたつには、通常は温度調節機能が付いていますが、それ以外にも「タイマー機能」や「人感センサー機能」が付いている機種があります。「タイマー機能」は設定した時間にON/OFFができる機能です。電源の切り忘れ防止に利用できます。こたつにその機能が付いていない場合は外付けして使える商品があります(こたつ以外の電気製品にも使用が可能)。人感センサー機能は、こたつに入ったとき・出たときをセンサーが感知してヒーターのON/OFFを自動で切り替えてくれる機能です。

5.難燃性(防炎)のこたつ布団や毛布を利用する

こたつに難燃性の繊維で作られた布団や毛布を使用すると、一般的な布団や毛布よりも安全です。布団や毛布のほか、こたつの下の敷物(クッション)やこたつの周囲のカーテンなどにも難燃性の商品を使うとより安全です。

6.こたつの周辺に燃えやすいものを置かない

こたつの出火そのものの防止はできませんが、こたつの周辺に燃えやすいものがなければ延焼を防止できて被害を小さくできます。

第四章 まとめ

こたつは足元が暖まる心地よい暖房器具です。また、エアコンよりも光熱費を抑えられることから多くの家庭で利用されています。しかし、使い方によっては体に悪影響を与え、火災のリスクもあります。 病気やケガ、そして火災への備えとして全国共済の生命共済や火災共済は、手頃な掛け金から始められるのでおすすめです。


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