投資性の強い生命保険とはどんな保険?
生命保険に加入する主な目的は、「死亡や病気・ケガに対する保障」です。しかし、生命保険にはその他の目的として、「節税」や「保障を兼ねた子どもの教育資金などの積立」「保障を兼ねながらも利益を狙う投資」などがあります。今回は、その他の目的の1つである「保障を兼ねながらも利益を狙う投資」ができる「投資性の強い保険」とはどのような保険か、またそれらの保険の特徴やリスクについて紹介します。
第一章 投資性の強い生命保険とは?
投資性の強い生命保険とは以下のような保険です。
(1)変額保険・変額個人年金保険
(2)外貨建て保険
(3)市場価格調整(MVA:Market Value Adjustment)を利用した保険
これらの生命保険は、「資産の運用」や「外貨の利用」を行ったり、「死亡保険金・満期保険金・解約返戻金・年金を市場金利に連動」させたりします。その結果、支払った保険料よりも大きな保障(利益) が期待できますが、思っていたような保障を受けられずに通常の生命保険に比べると損をする可能性があります。また、一般的な生命保険ではあまり発生しない以下の費用が生じるので、これらの費用も考慮して加入を検討する必要があります。
・保険契約関係費用
契約時に必要な初期費用、保険期間中や年金の受取期間中に発生する費用、および契約の締結・維持・管理に必要な費用などです。
・資産運用関係費用
資産の運用にあたって生じる投資信託の信託報酬、信託事務の諸費用、および特別勘定で運用するための費用などです。
・解約控除額
契約日から一定期間内に解約すると積立金から控除される金額です(ただし、解約しなければ発生しません)。
第二章 投資性の強い生命保険の特徴とは?
投資性の強い3種類の生命保険について特徴を簡単に紹介します。
(1)変額保険・変額個人年金保険の特徴
払い込まれた保険料から諸費用を控除した金額を株式や債券などで運用し、その実績に応じて死亡または満期保険金、解約返戻金、年金が変動(増減)する特徴があります。保険会社によって保障内容の詳細には違いがありますが、一般的には死亡保険金に最低保証の金額が定められています。 なお、解約返戻金、変額個人年金保険の死亡給付金(保険金)には最低保証がありません。
(2)外貨建て保険の特徴
通常、円で行う保険料の払い込みや保険金などの受け取りを米ドル、ユーロ、豪ドルなどの外貨で行う 特徴があります。円でなく外貨で行うと、為替相場の変動によって保険料を支払うときや保険金を受け取るときの金額が変動します。仮に保険金を受け取るときに、大幅な円安になると円換算で大きな金額の保険金を受け取れます。逆の場合は、円に換算した後の保険金額が、払込保険料の総額を下回って損失が生ずる可能性もあります。また、外貨建て保険では円を外貨に替えるときの手数料が発生します。金額が大きくなるほど、この手数料も大きくなるので事前に確認しておく必要があります。
(3)市場価格調整(MVA:Market Value Adjustment)を利用した保険の特徴
解約返戻金を受け取るときに、市場金利に応じた運用資産の価格変動に応じて解約返戻金額などが変動する仕組みを持っている 特徴があります。市場金利とは、金融市場などで適用されている金利のことです。市中金利とも呼ばれ、民間の金融機関の貸出金利や預金金利のほか、金融機関同士の取引で使われます。この金利が、契約時より解約時に上昇していると解約返戻金額は減少し、下落していると増加することがあります。
第三章 投資性の強い生命保険の 注意点
1.投資性の強い生命保険のリスク・デメリット
投資性の強い生命保険には、株式投資など元本がゼロになるほどの大きなリスクはありません。しかし、保険金や解約返戻金などが払込保険料の総額を下回ってしまうリスクや、一般の生命保険と比較すると保障額が変動して生活設計が不安定になるリスクが生じます。また、通常の株式投資などと比較したデメリットは、「投資期間が長期間になる」「高い利回り(利益)が期待できない」などです。
2.投資性の強い生命保険のメリット
一方、投資性の強い生命保険 には以下のメリットがあります。
- 運用は投資のプロが行うため、投資の知識が少なくても始められます。
- 保証や確実性はありませんが、預貯金より高い利回りが期待できます。
- 万が一の保障も兼ねて利益の追求(投資)ができ、また通常の生命保険と同様の節税効果も得られます。
第四章 投資性の強い生命保険の加入に適している人
投資性の強い生命保険の加入に適しているのは以下のような人です。
- 預貯金や確実な保障が受けられる生命保険に加入済みで、万が一の備えがある程度できている人。
- 投資で資産を増やしたいが、資産運用に慣れておらず、また十分な知識もないので投資に自信のない人。
- 毎月定期的に貯蓄を継続して行うのが苦手な人。
- 大きなリスクのある株式投資のような投資ではなく、小さなリスクの投資で資産運用したい人。
- 投資期間が長期になっても問題がなくて、資金の必要な時期がある程度決まっている人。
第五章 まとめ
最近、インフレ対策として欧米が金利を上昇させています。その結果、円安になって日本でも物価が上昇し、生活を脅かす懸念が増大しています。しかし、日本銀行は低金利を継続するとしているため、預貯金では資産が増えず、投資で資産を増やし、生活を防衛する必要性が高まっています。投資性の強い生命保険は 防衛策の1つとして利用できます。 ただし、それらにはリスクがあるため、万が一の備えとして 少額で最低限の保障が受けられる全国共済への加入がおすすめです。
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