神奈川県の小児医療費助成について(県西地域)
人生の三大出費は、「子どもの教育費」「住宅購入費」「老後の生活費」ですが、子どもの教育費は、子育てから始まり、子育て費用にはそのなかでも大きなウェイトを占める医療費があります。医療費に関しては出生率の低下問題もあって子どもが生まれても家計への負担が重くならないように国や地方公共団体による助成制度が充実してきています。
国が推進する子どもの医療費を含む子育てを支援する助成制度はどこに住んでいても同じ内容の助成が受けられます。しかし、法律による助成ではなく地方公共団体が条例で行う助成の内容は市町村でまったく同じではありません。そこで、神奈川県の県西地域に住んでいる人、あるいはこれから住もうと考えている人に参考になるように神奈川県の県西地域の市・町の医療費助成の内容について紹介します。
医療費助成の目的・内容と種類
1.医療費助成とは
医療費助成とは、医療費の負担を軽減するために国および地方公共団体が実施している福祉制度のことです。健康保険に加入することで、病気やケガの治療を病院で受けたときに支払う医療費は、3割負担で済みます(義務教育未就学児と原則として70歳以上の高齢者を除く)。そのため通常は家計への大きな負担もなく病気やケガの治療を受けられます。
しかし、入院するような重い病気やケガ、あるいは入院まで必要なくても治療が長引いて通院治療を長く受けなければならない病気やケガの場合、健康保険だけでは経済的に重い負担になることが考えられます。そこで国や地方公共団体は、医療費助成制度を設けて医療費の負担を軽減する福祉政策の充実に取り組んでいます。特に、将来の日本を担う子どもに対しては、必要十分な医療を受けられるように国や地方公共団体は、医療費の助成を推進しています。今住んでいる市や町での小児医療費助成制度について理解を深めておくことは重要です。これから住む場合には、どこに住むかを決める条件の1つとして参考にできます。
2.医療費助成の種類
医療費助成制度は、大きく分けると「公費負担医療制度」と「公費以外の医療費助成制度」の2種類があります。
「公費負担医療制度」とは、法律に基づいて助成される制度のことです。「公費以外の医療費助成制度」とは、健康保険や地方公共団体の条例に基づいて独自に助成される制度で市町村によって助成の内容・条件が同じではありません。
神奈川県と県西地域にある2市・8町の子ども医療費助成の内容
神奈川県と県西地域の2市・8町の小児医療費助成(2018年6月現在)について紹介します。詳細な助成内容や条件については県および各市町村のホームページでの確認をお願いいたします。また、助成内容と条件は変更される可能性があります。利用にあたっては最新の情報を確認してください。
1.神奈川県の小児医療費助成制度
難病と小児慢性特定疾病の医療費助成制度は、難病の患者に対する医療等に関する法律と児童福祉法に基づいて実施される助成制度です。助成の対象となる指定難病は、2018年4月現在で331疾病、小児慢性特定疾病は2018年4月現在で756疾病です。今後、追加されていく可能性があります。
1-1-1.対象年齢
・難病:年齢の制限はなし
・小児慢性特定疾病:18歳未満(ただし、18歳到達後に引き続き治療が必要と認められると20歳未満まで助成期間が延長されます)
1-1-2.助成内容、申請方法その他
・難病:健康保険の自己負担割合が原則2割に軽減されます。(ただし、所得などに応じて月額の自己負担額に上限があります)
・小児慢性特定疾病:健康保険の自己負担割合が原則2割に軽減されます。(ただし、所得などに応じて月額の自己負担額に上限があります。負担上限額は難病よりも低く抑えられています)
助成を受けるには、まず都道府県・指定都市の窓口に申請を行います。申請後に審査が行われ、認定されると助成を受けられます。指定の医療機関に支払った医療費のみが助成の対象です。
1-2.自立支援医療(育成医療)
自立支援医療(育成医療)は、障がい者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障がい者総合支援法)に基づいて実施される助成制度です。身体に障がいのある子どもが障がいを除去、または軽減するための治療を受けるときに助成を受けられます。対象となる障がいは、「肢体不自由」「視覚・聴覚・言語機能障害」「内臓(心臓・肝臓・腎臓・小腸)障害」「HIVによる免疫機能障害」「その他の先天性内臓障害」です。
1-2-1.対象年齢
対象年齢:18歳未満
1-2-2.助成内容、申請方法その他
健康保険の自己負担割合が原則1割に軽減されます(ただし、所得に応じて月額の自己負担額に上限があります。なお、一定所得以上の所得がある世帯で「重度かつ継続」に該当しないと助成の対象にならない可能性があります)。助成を受けるには、各市町村の窓口に申請を行います。申請後に審査が行われ、認定されると助成を受けられます。指定の医療機関に支払った医療費のみが助成の対象です。
1-3.結核の療養その他(療育の給付)
療育の給付は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)に基づいて実施される助成制度です。医師が指定療育機関において長期の入院治療が必要と認めた結核にかかっている子どもの医療費や学習・療養生活に必要な物品の助成を受けられる制度です。
1-3-1.対象年齢
対象年齢:18歳未満
1-3-2.助成内容、申請方法その他
助成内容は「診察」「薬剤または治療材料の支給」「医学的処置、手術及びその他の治療並びに施術」「病院または診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護」「移送」「学習用品」「日用品」などに関わる費用です。助成を受けるには、各市町村の窓口に申請を行います。申請後、医師が指定療育機関において長期の入院治療が必要と認めた場合、助成を受けられます。
1-4.未熟児養育医療
未熟児養育医療は、母子保健法に基づいて実施される助成制度です。生まれたときの体重が2,000グラム以下、または生活力が特に薄弱な乳児が指定養育医療機関に入院したときに助成を受けられる制度です。
1-4-1.対象年齢
対象年齢:0歳
1-4-2.助成内容、申請方法その他
助成内容は、指定の養育医療機関での入院や治療費が全額助成されます(ただし、所得に応じた一部負担が生じる場合があります)。助成を受けるには、各市町村の窓口に申請を行います。申請後に審査が行われ認可されると助成を受けられます。
2.県西地域内の2市・8町の小児医療費助成の内容
国の法律に基づく子どもを対象としたいろいろな医療費助成制度は、市町村によって助成の内容や条件に原則として差がありません。しかし、子どもを対象とした医療費助成制度で最も利用される回数の多い小児医療費助成制度は市や町によって差異があります。県西地域内の2市・8町の小児医療費助成制度について以下に紹介します。
2-1.小田原市の小児医療費助成
対象者:中学校修了までの子ども
助成内容:通院・入院の保険診療分の自己負担額が無料
所得制限:小学生以上
2-2.南足柄市の小児医療費助成
対象者:中学校卒業までの子ども
助成内容:小学校までは通院・入院の保険診療分の自己負担額が無料。中学校在学中は入院の保険診療分の自己負担額が無料。中学校在学中の通院については、平成30年6月まで、保護者が市民税均等割非課税の場合にかぎり無料。平成30年7月以降、就学援助世帯などの準要保護世帯の子どもにかぎり無料
所得制限:0歳児はなし。1歳以上はあり
2-3.中井町の小児医療費助成
対象者:中学校卒業までの子ども
助成内容:通院・入院の保険診療分の自己負担額が無料
所得制限:なし
2-4.大井町の小児医療費助成
対象者:中学校修了(15歳になった後の最初の3月31日)までの子ども
助成内容:通院・入院の保険診療分の自己負担額が無料
所得制限:なし
2-5.松田町の小児医療費助成
対象者:中学校修了(15歳になった後の最初の3月31日)までの子ども
助成内容:通院・入院の保険診療分の自己負担額が無料
所得制限:なし
2-6.山北町の小児医療費助成
対象者:中学校修了(15歳になった後の最初の3月31日)までの子ども
助成内容:通院・入院の保険診療分の自己負担額が無料
所得制限:なし
2-7.開成町の小児医療費助成
対象者:中学校修了までの子ども
助成内容:小学校卒業までは通院・入院の保険診療分の自己負担額が無料。中学校在学中は入院したときの保険診療分の自己負担額の一部を助成
所得制限:3歳児未満は所得制限なし。3歳以上は所得制限あり
2-8.箱根町の小児医療費助成
対象者:中学校卒業までの子ども
助成内容:通院・入院の保険診療分の自己負担額が無料
所得制限:なし
2-9.真鶴町の小児医療費助成
対象者:中学校卒業前(15歳に達した日以降の最初の3月31日)の子ども
助成内容:病院などで受診した場合の医療保険の自己負担分が無料
所得制限:なし
2-10.湯河原町の小児医療費助成
対象者:中学校卒業までの子ども
助成内容:小学校卒業までは通院・入院の保険診療分の自己負担額が無料。中学校在学中は入院の保険診療分の自己負担額が無料
所得制限:なし
子どもの医療費の負担軽減には保険料が安い全国共済がおすすめ
地方公共団体の子どもの医療費助成は、今回紹介しましたように主に中学校卒業までの保険が適用される診療分に限られています。中学校までの子どもに対してこのような医療費の助成が受けられることは非常に家計にとっては助かることです。しかし、入院が長期になる病気やケガでは入院中の食事代・日用品購入などの雑費のほか、差額ベッド代、保険適用外の治療費や手術代、先進医療費なども必要になる可能性があります。これらが多額になると小児医療費助成制度だけでは家計への負担が重くなります。また、中学校卒業後にも病気やケガをする可能性があり、その場合は小児医療費助成には期待できません。
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