自転車で対人事故を起こしたら?過失割合、事故後の対応、注意点は?

自転車による事故が増加傾向にあり、賠償額も大きくなっています。そこで、自転車事故の現状や事故原因、過失割合、事故時に必要な対応、および自転車事故を起こしたときの注意点などについて紹介します。

第一章 自転車事故の現状

1.2021年の自転車関連事故の件数

全国の2021年の自転車関連事故件数(自転車が第1、または第2当事者となった交通事故)は、警察庁の発表によると前年より2,021件増加の69,694件でした。自転車事故が全交通事故に占める割合は2016年の18.2% 以降増加傾向が続き、2021年は22.8%まで上昇しています。都市部では、この数値はさらに大きく、東京都の場合、警視庁の報告によると2016年の32.1%から2021年は43.6%と1.36倍に上昇。都市部では割合・上昇率とも全国平均を大きく上回っていることから、自転車事故に対する注意が特に必要です。

2.自転車関連事故の特徴

警察庁によると、 割合は、2017~2021年合計で対自動車が76%、対歩行者・自転車同士が9%です。自転車事故では、自分自身が死亡したり重傷を負ったりするだけでなく、事故の相手に死亡や重傷を負わせて加害者になるリスクがあります。加害者になると自転車事故でも数千万円から約1億円という大きな金額の賠償責任が生じる事例が起きています。

3.自転車事故の死亡者・負傷者の損傷部位

自転車乗用中の死亡者の致命傷になった部位は、頭部損傷が過半数の58%でもっとも多く、胸部(12%)、頸(けい)部(8%)と続きます。そのため自転車事故における死亡リスクを低くするには、自転車に乗っているときは 乗車用ヘルメットの着用が必要です。データによると非着用時 の死傷者に占める死亡者の割合(致死率)は着用時に比べて約2.2倍と高くなっています。 子どもが一人で自転車に乗るときや、大人が子どもを自転車に同乗させるときは、ヘルメットの着用を徹底するようにしてください。子どもだけでなく大人も死亡リスクを低減させるには頭部を守るヘルメットの着用が必要です。
(数値は警察庁による2017年から2021年までの死亡者合計2,145人のデータです。)

自転車に乗っているときに事故で負傷した主な部位は、多い順に脚部(36%)、腕部(21%)、頭部(11%)、頸部(11%)、腰部(9%)、胸部(5%)です。
(数値は警察庁による2017年から2021年までの負傷者合計384,839人のデータです。)

4.13歳未満の子どもの死傷者数

2021年の自転車事故の死傷者数は6万8,114人。そのうち14歳以下の子どもの割合は10.5%です。自転車事故というと、子どもの事故が多いと考えますが、人口構成比から見て極端に多いとはいえません。15歳以上が自転車事故に遭った割合は年齢区分別に見ると以下のとおりです。

  • 15-19歳:17.8%
  • 20-29歳:13.1%
  • 30-39歳:11.7%
  • 40-49歳:12.1%
  • 50-59歳:11.0%
  • 60歳以上:23.7%

交通事故は減少したのに自転車事故の割合はなぜ増えたのか?その危険性と対策」の記事で自転車事故による裁判で高額な賠償額が出た事例を紹介しています。大人も子どもも自転車事故に十分に注意し、また事故が起きたときの賠償や治療費に備えることが必要です。上記の記事は、対人以外の自転車事故についても紹介していますので参考にしてください。

第二章 自転車事故の主な原因

一般社団法人 日本損害保険協会によると自転車事故の主な原因(全体の76%)は以下の2つのルール違反をすることで起きています。

  • 安全運転義務違反:60.1%
  • 一時不停止:15.5%

これら以外には「交差点安全進行義務違反(7.0%)」「信号無視(5.7%)」「その他(4.8%)」など
があります。最近は速度を落とさずに歩道を自転車で通行して歩行者と接触する事故も増加しています。

また、車両相互による以下の事故が起きています。

  • 出会い頭の衝突(52.9%)
  • 右左折時の衝突(29.4%)
  • 追い越し・追い抜き時の衝突(3.8%)
  • 正面衝突(1.6%)
  • その他(9.0%)

第三章 自転車による対人事故の過失割合

自転車と歩行者との事故での過失割合を下の表で紹介します。過失割合は、事故が起きた場所、信号の有無、歩行者・自転車側の信号の色、および歩行者や自転車の過失(自転車の2人乗り、脇見、飲酒、自転車の整備不良など)で大きく変わります。以下の過失割合は、無条件に成立する過失割合ではありません。歩行者や自転車に考慮すべき大きな過失があると過失割合は変わる可能性があります。

なお、自転車による対人事故の過失割合は以下の例を見て分かるとおり、自転車側に大きな過失があるとされます。そのため自転車に乗るときは対人事故を起こさないように十分な注意を払うようにしなければなりません。

過失割合

自転車

歩行者

1)信号機のある交差点内での事故(双方直進)
歩行者が青信号、自転車も青信号で双方が進入して起きた事故

100

0

歩行者が青信号で横断開始、途中で赤信号に変わり、
そこへ自転車が青信号で進入してきて起きた事故

80

20

2)信号機のない横断歩道での事故
横断歩道を歩行者が直進、自転車が直進または右左折して起きた事故

100

0

3)その他
歩行者用道路での歩行者と自転車との事故

100

0

自転車が歩道外から歩道に進入して起きた歩行者との事故

100

0

第四章 事故を起こしてしまったときの対応と注意点

1.事故を起こしてしまったときに必要な対応

自動車事故と同じ対応が必要です。子どもの場合、自動車事故を起こしたときに必要な対応を知らないので親が教えておく必要があります。

(1)ケガをした人と自分の安全を確保する

相手がケガをしているときは必要に応じて救急車を呼ぶとともに、応急手当てや救命処置を行います。交通量の多い道路などで起きた事故のときは、二次被害が起きないように負傷者を安全な場所へ移動させます。ただし、頭や胸を打ち、意識がないときは動かすと危険なこともあるので注意が必要です。なお、軽傷と思われるときも念のため病院での検査を受けるようにしましょう。

(2)必ず警察に連絡する

次に警察に連絡し、事故が起きたことを知らせます。警察の現場確認によって発行される「交通事故証明書」が、保険金の請求時に必要になります。軽い事故の場合でも警察に連絡する必要があります。

(3)損害保険会社に連絡する

最後に加入している保険会社に連絡し、事故発生の日時や場所、事故の概要を報告します。

2.自転車事故が起きたときの注意点

(1)中学生以上には事故の損害賠償が命じられる

子どもの年齢が12歳程度までは一般的に 事故を起こした子どもではなく、親に賠償責任がありますが、中学生以上は損害賠償責任を負うとされています。しかし、中学生や高校生には賠償能力がないので、保険への加入は不可欠といえます。

(2)保険に加入しておかないと示談交渉が進まない可能性がある

全国の都道府県・市町村で自転車保険への加入義務化が進んでいます。しかし、2022年6月現在で加入しなくても罰則はありません。その結果、au損害保険株式会社の調査によると2020年度における自転車保険への加入率は全国で59.5%にとどまっています。そのため自転車事故では、加害者が保険に未加入であることも多く、示談交渉がスムーズに進まない可能性があります。また、損害賠償額が約1億円という裁判事例も数件起きており、保険への加入は避けられません。

第五章 まとめ

自転車事故の増加や高額な賠償額が必要になることもあり、自転車保険への加入は避けられません。自転車事故に対する保障は、全国共済の生命共済、傷害保障型共済、新型火災共済に加入していれば、個人賠償責任保険へ加入できて自転車事故の損害賠償に備えられます。年額の保険料は1,680円(1カ月あたり140円)で、最大3億円の損害賠償に対応できます。神奈川県では自転車保険への加入が義務化されていますので、全国共済で個人賠償責任保険へ加入することをおすすめします。


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