令和元年台風15号による被災を受け、見直すべき備え

令和元年の台風15号は甚大な被害を各地にもたらしました。被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧、復興を心よりお祈り申し上げます。

令和元年の9月9日の早朝に千葉県千葉市付近に上陸した台風15号は日本各地、特に千葉県に大きな損害をもたらしました。令和元年の台風15号だけでなく近年の自然災害は巨大化しており、まず命を守る行動をとって、次に住宅などへの損害に備えることが、自然災害に遭ったときに生活を再建するうえで重要です。そこで、自然災害に備えることの必要性、保険・共済への加入状況、および台風15号がもたらした被害により住宅・生活再建に多大な費用がかかること、自然災害による水災や風災などの損害に対する保障も受けられる全国共済の火災共済について紹介します。

第一章自然災害への備えが重要で必要な理由

内閣府 は、日本は地理、地形、気象などの条件から地震や津波に加えて台風、豪雨、豪雪などの自然災害が発生しやすい国土であると注意を促しています。また、地球温暖化の影響で近年は想定外、前代未聞、史上最悪、過去に経験したことがないなどと形容されるほど自然の脅威が巨大化。これにより自然災害による損害の範囲は広く、また損害額が大きくなっています。損害額が大きくなると生活再建の困難さが増します。自然災害の損害に対しては、国や地方自治体による「公助」や地域共同体による助け合いく社会全体からの義援金などの「共助」が期待できます。しかし、これらによる生活再建には限界があることから、生活再建を迅速・円滑に行うには保険・共済による「自助」が必要です。特に生活の拠点となり、また損害額も大きくなる住宅の再建をスムーズにできるように備えることが重要です。

自然災害への備えが重要で必要なことは多くの人が認識しています。しかし、内閣府の推計では持ち家世帯の保険・共済の加入率(建物のみ)は、2015年度で火災補償のみは約82%と比較的高いですが、水災による補償まで付帯しているものは約66%、地震保障まで付帯しているものは約49%と決して高くありません。近年、自然災害の発生場所は台風の巨大化、竜巻の発生など強風による損害も多く発生していることから、河や崖のそばだけでなくどこに住んでいても自然災害に遭遇する可能性があります。そのため、火災以外の災害に対する保障も充実させる必要があります。

第二章 令和元年台風15号がもたらした甚大な被害

台風15号の規模と被害状況は以下のとおりです(内閣府発表  令和元年9月30日現在)。テレビなどでも報道されましたが、被害の特徴は住宅の被害戸数が多かったこと、および停電が長引いたことです。

1.台風15号の規模

最低気圧

955ヘクトパスカル
最大風速 秒速43.4メートル(10分間の平均風速)
最大瞬間風速 秒速58.1メートル
1時間の最大降水量 109.0ミリメートル
24時間の最大降水量 441.0ミリメートル

2.被害状況

人的被害 物的被害
一般住宅の被害状況 ライフラインその他の被害状況
・死者:1名
・負傷者:136名
・全壊:119戸
・半壊:1,425戸
・一部破損:23,537戸
・床上浸水:88戸
・床下浸水:116戸
※その他、公共の建物、非住居建物の被害が818棟
・電気
最大供給支障戸数:約934,900戸
・水道
最大断水戸数:139,744戸
・その他
通信・放送、公共交通(鉄道、バス、飛行機など)、道路などに支障が生じ、また多くの農水産物に被害が発生

第三章 台風などの風水害に対する全国共済の保障

内閣府は、東日本大震災のとき全壊した戸建て住宅の新築費用は、平均して約2,500万円強であったと報告しています。内訳は朝日新聞 によると戸建て木造住宅の新築費用2,000万円、解体・撤去194万円、家具・家電・衣類などの生活用品269万円、仮住まい・引っ越し費用100万円(仮住まい期間半年間の場合)となっています。建物の一部損壊や浸水の被害の場合は、その程度に大きな差が生じることから一概に言えませんが、数十万円から数百万円程度の費用がかかります。

費用に対して火災保険・共済に未加入だと東日本大震災の場合は生活支援法による支給額300万円、義援金100万円の計400万円であったため、2,000万円以上の不足が生じます。もし火災保険・共済に加入していないと、住宅・生活再建は困難を極めます。ただし、風水害・土砂災害や地震の損害を保障する火災保険・共済に加入していれば、損害の程度に応じて保険金・共済金が支払われますが、加入した保険金額や契約内容によって住宅を元通りに再建するための費用の全額が保障されるわけではありません。

なお、マンションの場合は地震とは異なり台風では建物が全壊するほどの被害が生じるリスクは大きくはありません。しかし風や飛来物によって窓ガラスが破損し、家具や窓の修理費用、およびマンションの1階の部屋では浸水による家具などへの被害が出るリスクはあります。また、台風15号での被害は浸水やがけ崩れなどによる住宅の損害は少なかったのですが、過去には河川の氾濫やがけ崩れによる住宅の被害が多く出ています。その場合、マンションであってもがけ崩れや土石流などが発生すると建物自体にも大きな被害が出ます。マンションであっても風水害による損害発生のリスクに備えたほうがよいでしょう。

第四章 台風などの風水害に対する全国共済の保障

全国共済の火災共済では、台風や暴風雨、突風、高潮・高波、洪水、豪雨、雪崩、降雪、ひょうなどによる風水害で住宅に10万円をこえる損害が生じたとき、風水害等見舞共済金が支払われます。カーポート、門・塀、物置など建物付属物の被害でも保障の対象です。支払われる風水害等見舞共済金額は以下の表のとおりです。

なお、風水害等見舞共済金には市町村が発行する罹災(りさい)証明書が必要です。罹災証明書とは、被災者生活再建支援金や災害義援金などの給付を受けるとき、災害復興住宅融資や災害援護資金の融資を受けるとき、税金、保険料、公共料金などの減免や猶予を受けるとき、災害救助法に基づく応急仮設住宅の利用や住宅の応急修理を受けるときなどにも必要になる書類です。

1. 火災共済の住宅(家財にも加入を含む)に加入し、床上浸水を除く被害を受けたときの保障

区分 損害の程度 風水害等見舞共済金額
加入額2,000万円以上 加入額2,000万円未満
全壊・流失 全壊 600万円 加入額の30%
半壊 大規模半壊または半壊 300万円 加入額の15%
 

一部破損

100万円をこえる破損 60万円 加入額の3%
50~100万円の破損 40万円 加入額の2%
20~50万円の破損 20万円 加入額の1%
10~20万円の破損 5万円 5万円

2.火災共済の家財のみに加入し、床上浸水を除く被害を受けたときの保障

区分 損害の程度 風水害等見舞共済金額
加入額1,000万円以上 加入額1,000万円未満
全壊・流失 全壊 300万円 加入額の30%
半壊 大規模半壊または半壊 150万円 加入額の15%
 

一部破損

100万円をこえる破損 30万円 加入額の3%
50~100万円の破損 20万円 加入額の2%
20~50万円の破損 10万円 加入額の1%
10~20万円の破損 2.5万円 2.5万円

※上記で住宅の損害割合が、全壊とは50%以上、大規模半壊とは40%以上 50%未満、半壊とは 20%以上 40%未満のことです。

3. 火災共済の住宅(家財にも加入を含む)に加入し、床上浸水の被害を受けたときの保障

区分 損害程度
(浸水高とは、居住している部分の床面からの高さ)
風水害等見舞共済金額
加入額
2,000万円以上
加入額
2,000万円未満
床上浸水
(床面以上の浸水または土砂の流入)
住宅の延床面積の
50%以上
浸水高
120cm以上
300万円 加入額の15%
浸水高
60cm~120cm
120万円 加入額の6%
浸水高
60cm未満
60万円 加入額の3%
住宅の延床面積の
50%未満
浸水高
60cm以上
60万円 加入額の3%
浸水高
60cm未満
20万円 加入額の1%

4. 火災共済の家財のみに加入し、床上浸水の被害を受けたときの保障

区分 損害程度
(浸水高とは、居住している部分の床面からの高さ)
風水害等見舞共済金額
加入額
1,000万円以上
加入額
1,000万円未満
床上浸水
(床面以上の浸水または土砂の流入)
住宅の延床面積の
50%以上
浸水高
120cm以上
150万円 加入額の15%
浸水高
60cm~120cm
60万円 加入額の6%
浸水高
60cm未満
30万円 加入額の3%
住宅の延床面積の
50%未満
浸水高
60cm以上
30万円 加入額の3%
浸水高
60cm未満
10万円 加入額の1%

5. 火災共済の支払い例

住宅の保障2,100万円、家財の保障1,100万円の火災共済に加入しているとき、次の損害を受けた場合の風水害等見舞共済金額がいくらになるかを紹介します。

1.台風で住宅の屋根が一部損壊し、150万円の損害が生じたとき

加入金額が2,000万円以上で、一部損壊・100万円をこえる損害のため、60万円が支払われます。

2.洪水で浸水高100cmの床上浸水に自宅の延床面積の50%以上の被害に遭ったとき

加入金額が2,000万円以上で、延床面積の50%以上に浸水高100cmの床上浸水による損害が生じたので、120万円が支払われます。

第五章 まとめ

火災共済への加入で、火災はもちろん近年の自然災害の巨大化で増加してきている風水害による住宅・家財の損害に対する保障を受けられます。また、地震特約を付加することで地震に対する備えもできます。掛け金は、木造住宅の場合、住宅が1坪当たり70万円の保障限度額で月額49円(年払いのとき560円)、建物が家族人数1人あたり400万円の保障限度額で月額280円(年払いのとき3,200円)です。鉄筋コンクリート造りの住宅の場合、1坪当たり70万円の保障限度額で月額30円(年払いのとき336円)、建物が家族人数1人あたり400万円の保障限度額で月額168円(年払いのとき1,920円)です。地震災害に備えるためには地震特約を付加する必要があります。

 

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