落雷の発生状況と落雷による住宅や家財への損害対策の方法

2019年1月23日

一般財団法人 全国自治協会によると2010年度における共済金の支払額の割合は、落雷による損害が約51%で2位の風水害の約21%、3位の火災の約10%を大きく上回っています。意外に多く発生する落雷の損害について、落雷の発生件数や月別・地域別の発生件数の特徴、および落雷による人的被害や住宅や家財への損害の対策方法について紹介します。

第一章 落雷害と落雷の発生件数と月別・地域別の特徴

気象庁の発表によると2005~2017年の12年間に報告された落雷害の件数は、1,540件(1年間の平均件数:約118件)です。全体の発生件数を月別にみると8月に約30%、7月に約23%と夏季の2カ月間に集中し、半数をこえます。地域別にみると太平洋側で約65%、日本海側で約35%が発生。地域別の発生件数を月別にみると4~10月は太平洋側に多く、11~3月は日本海側に多く発生しています。夏季に起きる雷と冬季に起きる雷では性質が異なります。夏季は高いところで下向きに発生し、冬季の雷は低いところで上向きに発生する傾向があり、雷のエネルギーは、冬季の雷が夏季の雷に比べると約100倍以上もエネルギーが大きいという特徴があります。

落雷害数ではなく落雷数は、財団法人 全国自治協会の資料によると2001年から2010年の発生件数は、多い年では100万件をこえ、少ない年では40万件を下回りますが、発生件数は横ばいで増加はしていません。地域別の落雷数は、「北海道」「東北」「関東甲信」「東海」「北陸」「近畿」「中国」「四国」「九州・沖縄」で分けると、「関東甲信」「九州・沖縄」「東北」「近畿」で多く発生しています。

第二章 落雷による損害の状況と対策

1.落雷による事故・損害の状況

落雷による損害は、財団法人 全国自治協会の資料によると損害件数・損害に対する共済金の支払額は、1991年の221件(約1.4億円)から2010年は1,513件(約12.3億円)へ大幅に増加しています。落雷数は大きく伸びていませんが、損害の件数と金額がともに増加している理由の1つは、家電製品の増加とともに高性能化・小型化・省電力化によって低電圧で動作する電子機器が増加していることです。このため落雷による過電圧やノイズに弱いことが考えられます。さらに、インターネットやCATV(ケーブルテレビ)の普及で落雷による電流の侵入経路が、以前の電力線や電話線に加えて増加し、そこに接続されている電化製品が損害を受けるためです。

電化製品が壊れるのは、落雷によって雷が持つ数十万ボルトの巨大なエネルギーで発生する「雷サージ」が電力線などを伝わって接続されている電化製品を直撃するからです。この損害は電圧が大きいため防ぐことは困難です。この場合、電化製品だけでなく建物外壁を焼損させ、建物本体を燃やす大きな損害をもたらす可能性があります。また、雷の直撃を受けると人の生命も危険にさらされます。落雷による損害は、このほかに落雷による放電や空中での放電によって生じる電磁波によって誘導電流が生じ、その誘導電流による「雷サージ」も電化製品を壊します。この放電による電圧は、直撃による場合に比べて低いため一定の対策で損害を軽減できます。

2.落雷に関する対策

落雷が頻繁に付近に起こることが少なく、また雷がどこで発生し、どこに落雷するかを事前に予測することは困難なことから雷対策を十分にしている人は多くありません。しかし、身の回りの電化製品は増加し、それらの製品は電圧の変化に弱くなっており損害が増加しています。場合によっては1回の落雷で、高額な製品が多いと数十万円から数百万円の損害が発生する可能性があります。また、パソコンで作業をしているときにパソコンが壊れるとデータが消失し、金額に換算できない損害が発生する可能性も考えられます。可能な限りの対策をしておくことで損害を最小限にとどめられます。

2-1 電化製品への誘導電流の発生による雷サージ対策

誘導電流による雷サージは、住宅内と外部がつながっている電力線や電話線などから伝わって、接続されている電化製品を壊す可能性があります。そのため、コンセントなどの接続端子と電化製品の間に、雷サージを防ぐサージ防護デバイス(SPD:Surge Protective Device)を設置します。電力線に接続する機器は500円から3000円くらいで購入できますが、電話回線にも対応できる製品は1万円以上します。

デスクトップパソコンのデータ保存対策には、上記の対策以外に停電による対策が必要です。停電するとデスクトップパソコンの場合は、保存していない作業中のデータが失われます。場合によってはパソコン本体にも悪影響を与えます。そのため、早めに電源を落としてコンセントから抜いておくか、停電対策用に無停電電源装置(UPS)を経由してパソコンを使用することで作業中のデータを守れます。

2-2 雷の直撃による人体への対策

人間は雷に打たれるとケガを負い、最悪の場合は死亡します。落雷によって毎年数名~数十名程度の死亡者・負傷者が出ています。落雷は一般的に高いところに落ちますが、周囲に何もない場所では人間を直撃する可能性が高く、また、近くに高いものがあっても人間を直撃することもあります。

そのため、雷が近いと思ったらすぐに以下の行動を取ることが重要です。

・すぐに建物や乗り物の中に避難する。
・傘、ゴルフクラブ、釣ざおなどを持っている場合、細くとがったものに雷は落ちやすいのですぐに手放す。
・建物や乗り物などの避難場所が近くにないときは、体を低くし、現在の場所よりも低い場所があれば、低い姿勢のまま移動する。

注意点として、高い木の下に避難する方法がありますが、落雷による被害は、直撃だけではなく落ちた雷が地面などを伝わって感電することでも生じます。これは「直撃被害」に対して「側撃被害」と呼ばれます。そのため木の下に避難するときは、幹・枝・葉から2メートル以上離れることが必要です。電柱など高い物体の場合は4メートル以上離れる必要があります。

第三章 新型火災共済で落雷事故への備えも安心

全国共済の新型火災共済は保障範囲が「住宅」と「家財」に分かれます。住宅と家財に加入することで落雷による住居の損害だけでなく電化製品の損害に備えられて安心できます。なお、落雷による電化製品の保障では、損害査定額に加えて臨時費用(6万円)も支払われます。

まとめ

落雷による損害額が意外に多く発生しています。落雷の発生件数や月別・地域別の発生件数の特徴、および落雷による人的被害、住宅、家財への損害を防止する対策について紹介しました。落雷による損害は、火災、風水雪害などの損害も保障される全国共済の新型火災共済がおすすめです。手頃な掛け金で落雷による損害だけでなく幅広い損害に対して保障を受けられます。

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