個人事業主でも退職金は用意できます!「小規模企業共済」について

平均寿命が延びていることから、「人生100年」を見据えた生活設計が求められています。勤務先に退職金制度がある場合、給与所得者の会社員は退職金が受け取れ、また厚生年金も老後資金としては不十分と言われていますが、受給できるので十分期待できます。一方、個人事業主には退職金制度がなく、また受け取れる年金も国民年金で厚生年金よりも受給額が少なく老後資金としては十分ではありません。個人事業主には健康であればいつまでも働けるというメリットがありますが、いつまで働けるかは予測できず、老後資金として一定のお金を受け取れるようにしておかないと老後の生活が不安定になります。そこで、個人事業主が退職金の代わりに利用できる小規模企業共済について概要とメリット、デメリットをご紹介します。

第一章 小規模企業共済とは?

小規模企業共済とは、中小機構(独立行政法人 中小企業基盤整備機構)が運営する退職金制度のことです。フリーランスなどの個人事業主、小規模企業の経営者や役員は、廃業や働けない事態に陥ったとき、給与所得者であれば受け取れる退職金がありません。そこで、掛金を積み立ててとまったお金を受け取れるようにすることで、個人事業主などの生活の安定や事業再建などを目的として小規模企業共済が運営されています。小規模企業共済には、掛金に利息がつくほか、「掛金の全額が所得控除の対象になって節税できる」「共済金の受取時にも節税できる」「低金利の貸付制度を利用できる」「積み立てを継続しやすい」という4つのメリットがあります。詳しくは、「第二章 小規模企業共済のメリット」で解説します。

小規模企業共済を利用するには以下の加入資格を満たす必要があります。(引用:中小機構より)

  1. 建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社などの役員
  2. 商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社などの役員
  3. 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員、常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員
  4. 常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
  5. 常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人などの士業法人の社員
  6. 上記1と2に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)

なお、以下の注意点があります。

  • 2つ以上の事業を行っている事業主または共同経営者は、主たる事業の業種で加入します。
  • 常時使用する従業員には、家族従業員や共同経営者(2人まで)は含みません。
  • 会社などの役員とは、株式会社・有限会社の取締役または監査役、合名会社・合資会社・合同会社の業務執行社員です。ただし、外国法人の役員は対象外です。

その他、個人事業主であっても生命保険外務員や学業を本業とする全日制高校生など、および営利を目的としない法人の役員など加入資格のない例があります。詳しくは中小機構の「加入資格」のページで確認してください。

第二章 小規模企業共済のメリット

小規模企業共済には掛金を退職金として受け取れる以外にも4つのメリットがあります。

1.掛金の全額が所得控除の対象になるため節税できる

確定申告で掛金全額を課税対象所得から控除できて高い節税効果が得られます。概略の節税効果は所得が400万円、掛金が毎月1万円の場合、年間約3万6,000円、25年間では約90万円を節税できます。毎月の掛金を5万円に増やすと25年で約450万円も節税できます。所得税は収入が多いほど高額になるため、高所得者ほど節税効果は大きくなります。

2.共済金の受取時にも節税できる

共済金を受け取る方法は、「一括」「分割」「一括と分割の併用」が可能です。一括受け取りだと税法上退職所得扱い、分割受け取りだと公的年金等の雑所得扱いになり、いずれの場合も節税効果があります。なお、受け取り時の年齢や受取方法などで税法上の扱いが異なります。

3.低金利の貸付制度を利用できる

事業資金の低金利の貸し付けを即日でも受けられます。貸し付けを受けられる金額は、掛金の納付期間に応じた限度額の範囲内です。貸し付けには、「一般貸付制度」「緊急経営安定貸付け」「傷病災害時貸付け」「福祉対応貸付け」「創業転業時・新規事業展開等貸付け」「事業承継貸付け」「廃業準備貸付け」があります。現時点の利率は、「一般貸し付け」が1.5%でその他は0.9%です(利率は改定される可能性があります)。延滞金の利息は年利14.6%です。

4.積み立てを継続しやすい

月々の掛金は最低1,000円から最高70,000円まで、500円単位で自由に決められます。加入後に増額・減額もでき、被災や病気などによる入院で掛金の納付が著しく困難になったときは、半年または1年の間、掛金の払い込みを止められるなど積み立ての自由度が高くなっています。掛金の納付方法も月払い、半年払い、年払いから選択でき、前納すると一定割合の前納減額金を受け取れます。

第三章 小規模企業共済のデメリット

退職金制度のない個人事業主などには大きなメリットのある小規模企業共済ですが、以下の2つのデメリット(注意点)があります。

1.積立期間によっては掛け捨てまたは元本割れになる

掛金の納付月数(積立期間)が6カ月未満、および12カ月未満の場合は、掛け捨てになる場合があります。また、掛金の納付月数が20年未満の場合、解約の事由によっては元本割れになる場合があります。そのため、20年以上は継続できるようにしなければ加入するメリットを最大限に活かせません。なお、掛け捨て、または元本割れになる条件は、解約事由と解約者が個人事業主・法人の役員・共同経営者のいずれかによって細かく規定されています。詳しくは中小機構の「共済金(解約手当金)について」のページ、または窓口にて確認してください。

2.共済金の受取時に課税される

小規模企業共済のメリットとして受取時に節税できることをあげました。しかし、積立時に掛金の全額を課税所得金額から控除できるという大きな節税効果があるのに対して、受取時にも節税効果があるとはいえ課税は免れないため、デメリットというより注意点として認識しておく必要があります。

第四章 まとめ

退職金のない個人事業主などは、廃業や事業から引退するときの備えとして小規模企業共済へ加入しておくと老後の生活への備えとして安心できます。しかし、これだけでは不十分です。万が一の病気やケガに対する保障も万全にしておく必要があります。病気やケガの保障には手頃な掛金で始められる「全国共済」がおすすめです。


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