共済の大きなメリット「割戻金」。もらえる条件・時期・金額を解説

民間保険会社と比較して共済で保険に加入する主なメリットは以下の3つです。

  • メリット1:営利を目的としていないため掛金が割安
  • メリット2:割戻金を受け取れるため、実質的な掛金がさらに割安で家計への負担が小さい
  • メリット3:民間保険会社と比較して保障内容が分かりやすく年齢や性別に関わらず掛金が一律のため、加入の判断がしやすい

今回は、あまり詳しく知られていないと思われる割戻金について、もらえる条件、時期、金額など共済別に紹介します。

第一章 そもそも割戻金とは?

割戻金とは、1年の決算で掛金から支払われた共済金と事業にかかった経費などを差し引いて剰余金が発生したとき、共済は営利を目的としていないため、共済保険の加入者に返還されるお金のことです。年度によって共済金の支払いが多かったり、少なかったりするため、割戻金の金額はその年度における共済金の支払いが少ないと多くなり、逆だと少なくなります。

民間保険会社の場合、一般的に剰余金が出ると保険加入者に還元されずに会社の利益になって株主などへ還元されます。民間保険会社の配当金付き保険に加入すれば、剰余金が出た場合に配当金として保険加入者に還元されますが、保険料が配当金の付かない保険よりも高くなっています。そのため、配当金は、保険加入者に還元される点では共済の割戻金と同じですが、還元される金額(率)が、一般的に割戻金のほうが多いことから配当金と割戻金は同等とはいえません。

第二章 各共済組合の割戻金はいつごろ、どれくらいの額がもらえるの?

代表的な共済組合である「都道府県民共済(全国共済)」「JA共済」「コープ共済」の割戻金が、いつごろ、どのような条件で、どれくらいの金額が還元されるかについて紹介します。なお、割戻金は年度によって異なり、還元方法も変更される可能性があります。また、詳細をホームページで公開していない共済組合もあります。詳細、かつ最新の割戻金については各共済組合に確認してください。

1.都道府県民共済(全国共済)

1-1 支払い時期、条件

都道府県民共済(全国共済)の割戻金は、毎年3月の決算で剰余金が生じると、前年の4月から当年3月までに払い込まれた掛金に割戻率を乗じて算出された金額が、8月上旬に指定の口座に還元されます。ただし、加入者への保障をより盤石にするために「こども型」を除く割戻金から一定の割合(払い込みした掛金の5%相当分)は、出資金に振り替えられます。

また、割戻率が20%未満となった年度、および5月末日までに出資金への振替を希望しない申し出を行うと振り替えられません。出資金は共済組合を脱退するときに返還されます。割戻金を受け取るには、当年の年度末に共済に加入していることが条件です。年度の途中で解約すると還元されません。

1-2 割戻金の実績 (2019年度の実績)

割戻率

備考

総合保障型 32.72% 総合保障2型に加入し、年間2万4,000円掛金を支払っていた場合の
割戻金は7,852円
こども型 21.14% こども2型に加入し、年間2万4,000円掛金を支払っていた場合の
割戻金は5,073円
熟年型 26.06% 熟年2型に加入し、年間2万4,000円掛金を支払っていた場合の
割戻金は6,254円

(注)生命共済総合保障型の割戻金は加入する都道府県民共済によって異なります。上記の率は全国平均で、全国共済の場合は33.34%です。

2.JA共済

2-1 支払い時期、条件

JA共済の割戻金は、原則として加入後1年を経過した後の年度末(3月)の決算で剰余金が生じると、割戻金が還元されますが還元日は割戻金について説明してあるページには明示されていません。なお、加入する共済保険の種類によって加入から3年、または5年を経過してからでないと割戻金が還元されない場合があります。また、毎年の還元ではなく据え置きを選ぶと、共済の契約が終了するまで割戻金は還元されませんが、所定の利息が付加されます(加入する共済保険によっては据え置きしか選べない場合があります)。割戻金の詳細についてはJA共済の窓口に確認してください。

2-2 割戻金の実績(2019年度実績)

割戻金の割戻率、還元額はホームページで確認できませんでした。JA共済に確認してください。

3.コープ共済

3-1 支払い時期、条件

コープ共済の割戻金は、毎年3月の決算で剰余金が生じると、割戻金が還元されます。還元日は割戻金について説明されているページには明示されていません。また、受け取り方法は加入しているコープ共済 によって異なりますが、割戻金の詳細は、コープ共済から送付される「控除証明書(共済掛金払込証明書)兼 割戻通知書」で確認できます。なお、加入する共済保険によっては、毎年還元されずに契約終了時まで据え置きされますが、還元を期間中に請求することも可能です。詳しくは、加入しているコープ共済に確認してください。

3-2.割戻金の実績 (2019年度の実績)

割戻率 備考
生命共済 10.4%から32.8% 加入するコースによって割戻率は異なります。
最も多い割戻率は20%台です。
こども共済 3.2%から16.7% 加入するコースによって割戻率は異なります。
最も多い割戻率は16%台です。
定期生命共済 率の明示はなし。 割戻金が生じる種類別・男女別に契約の単位金額あたりの単価で明示されています。
具体的な金額についてはコープ共済に確認をしてください。

第三章 割戻金と生命保険料控除

生命保険料控除とは、1年間に生命保険、介護医療保険、および個人年金の掛金(または保険料)を支払っていた場合、一定の金額(最大で12万円)を所得から控除でき、所得税を軽減できる制度のことです。ただし、その年度に割戻金などを受けていると、生命保険料控除の対象は、掛金(または保険料)から割戻金を差し引いて計算した金額になります。

なお、割戻金があっても解約時に解約一時金とともに受け取る割戻金、または解約一時金の支払いを受けた後に受け取った割戻金は、原則として一時所得の収入金額に算入されるため、掛金(または保険料)から控除する必要はありません。

第四章 まとめ

それぞれの共済組合で割戻金には違いがあります。各共済組合が提供しているホームページの情報から分かる範囲で割戻金に関する情報を紹介しました。必要な保障が受けられて、かつ実質的な掛金を最も軽減できる共済選びにぜひ役立てください。

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