災害から大切な子どもを守るための備え
日本は、もともと世界の他の国に比べると、昔から自然災害が多く発生する国であることをご存じでしょうか?日本は自然災害が多く発生することに加えて、近年、数十年に一度といわれ異常気象が原因と考えられる大きな災害が各地で毎年起きています。また、近くに大きな河川や崖などがない地域でも大きな被害をもたらす都市型災害も発生しており、日本のどこに住んでいても自然災害に対する十分な備えを日頃からしておく必要があります。
大きな災害であっても必要な知識と十分な備えをすることで、少なくとも最も大切な命を守ることが可能です。小さな子どものいる家庭では高齢者とともに災害に対して子どもは弱者であり、より注意深く備えなければなりません。そこで、今回は特に大切なお子様を災害から守るために必要な知識に重点をおいて紹介します。
第一章 災害大国日本で親として子どもたちを災害から守るための備え
日本が世界の他の国と比較して自然災害が多いこと、およびその理由と、自然災害から子どもを守る役目は親の責任であり、災害から守るには、子どものことを考慮した十分な知識と備えが必要なことについて紹介します。
1.世界の国のなかで自然災害の多い日本
日本が世界の他の国に比べて自然災害が多いこと について紹介します。
日本の国土面積は世界の0.28%、人口は世界の1.9%の割合しかありません。しかし、2014年の内閣府発行の防災白書によると、マグニチュード6以上の地震の18.5%は日本国内で発生し、災害死亡者は世界の1.5%の割合にとどまりますが、自然災害で発生する被害金額は17.5%にも達しています。日本に災害が多い理由として、環境省 自然環境局生物多様性センターは、以下の4つの理由をあげています。
1-1.日本列島が4枚のプレートの上に位置していること
世界には10数枚のプレートがあるとされており、そのうち4枚のプレートの上に日本列島が位置しています。プレートは動いていることから、プレートが多いとその力によるひずみが大きくなることで地震や火山活動が活発になって災害が多くなります。
1-2.地形が急で河川の長さが短く急流であること
日本の国土の約70%を山や丘が占めています。そのため、美しい自然に恵まれていますが、山の斜面は急で険しく、もろく崩れやすいという特徴があり、また山から流れだす河川の勾配も急で氾濫などの水害が発生しやすくなります。
1-3.梅雨と台風の時期にしばしば集中豪雨が起きやすいアジアモンスーン気候の地域に位置していること
農作物に恵みとなる雨をもたらすアジアモンスーン気候が、近年の異常気象で集中豪雨となり、現状のままでは将来、集中豪雨の回数はさらに増えると予測されています。
1-4.土地の開発で河川や海岸、火山に接して多くの人が住む住宅地や農地が多いこと
人口増加やそれに伴う都市開発によって、大都市周辺の昔は人が住んでいなかった場所までが宅地開発され、その結果、洪水、土砂災害、津波、液状化などによる災害が起きやすくなっています。
2.自然災害から子どもを守るのは親の責任
子どもを守らない親などどこにもいませんが、自然災害の多い日本では、ちょっとした判断の遅れで大切な命が危険にさらされます。そのため、子どもを思う気持ちだけでは守ることが困難です。いつ、どこで起きるか分からない自然災害に対して、子どもを守るために必要な安否確認の方法や、避難所生活で大人とは異なった防災・避難所生活のためのグッズを用意しておく必要があり、それらに関する十分な知識がないと親として子どもを守る責任を果たせません。
例えば、万が一のとき避難所までたどり着ければ、それで安心できるわけではありません。避難所では多くの人が心身に余裕がなく、子どもの甲高い声、乳幼児の鳴き声など通常の生活環境であれば、許容される程度であっても他人から非難される可能性があります。また、仮設トイレの数は少なく、必要なときにすぐに利用できません。さらに、仮設トイレは和式が多いため、小さい子どもは怖がって使えないことも考えられます。このような状況を理解して必要な備えをする知識が必要です。
第二章 緊急時の連絡方法を確認しておく
災害は家族が一緒にいないときに起こる可能性があります。そのため、災害時には、なにはともあれ最初に子どもを含めた家族間での安否確認が必要です。ただ、家族との連絡が取れない場合もあるので緊急時の連絡方法についていろいろな方法を知っておきましょう。
1.子どもがスマホまたは携帯電話を利用できるとき
1-1 スマホや携帯電話で通話ができるとき
大規模な災害では物理的に電話回線や設備機器が切断、破壊によって、あるいは通話量が異常に多くなると電話が通じなくなりますが、通話が可能であれば最も速く、確実に安否や現在の場所、およびその場所の状況が確認できて、どうすれば最も安全かを相互に確認できます。電話に出られない場合はNTTの災害用伝言ダイヤル(171)で安否や必要なメッセージを1伝言あたり30秒以内の音声で残しておけます。このサービスは、被災地の通信量が増加し、つながりにくい状況になったときにNTTが提供する音声の伝言板サービスです。お子様含めて使い方を覚えておきましょう。また、携帯電話会社も災害時の音声伝言サービスを提供しています。契約会社や利用条件によっては利用ができない場合もあるため、利用が可能かどうかを確認し、利用できればこの方法も使えるようにしておきましょう。NTT災害用伝言ダイヤル(171)の案内は、NTT東日本はこちら、NTT西日本はこちらです。
NTTの災害用伝言ダイヤル(171)サービスは、災害が発生し必要と考えられた期間しか利用できません。しかし、以下の日に無料体験が可能です。これらの日を利用して使い方を確認しておきましょう。ただし、無料体験日は変更される可能性があります。
- 毎月1日・15日(0:00~24:00)
- 正月1-3日(1日の0:00~3日24:00)
- 防災週間(8月30日9:00~9月5日17:00)
- 防災とボランティア週間(1月15日9:00~1月21日17:00)
なお、災害が起きたとき通話量が多くなると電話が通じにくくなりますが、そのような場合でも被災地と離れた場所との通話はつながる可能性があります。そのため、災害時に安否確認をするために遠方の親戚や知人を連絡先に決めておくと、間接的に親戚や知人を介して安否確認ができます。家族間で万が一のときの安全確認のために誰に連絡するかを話し合っておきましょう。
1-2 スマホや携帯電話で通話ができないとき
通話ができないときは、「LINE」「Skype」などのアプリを使った通話はできる可能性があります。また、何らかの事情でスマホや携帯電話をすぐに利用できないことが考えられます。その場合は、「LINE」や「Twitter」などのSNSアプリを使い文字で安否や必要な情報をメッセージで伝えるようにしましょう。1つのメッセージで家族全員に伝えられる方法もあるので、使い方を知って設定しておきましょう。ただし、スマホや携帯電話も基地局に障害が起きていると利用できない可能性があります。パソコンとインターネットが利用できれば、「災害用伝言板(web171)」の利用ができます。こちらも念のため、利用方法を確認して使えるようにしておきましょう。
2.子どもがスマホまたは携帯電話を利用できないとき
スマホや携帯電話を持っていない、持っているけど電池切れになっている、あるいはすぐに利用できない状況である場合は、通常の電話を使って連絡を取ります。自宅や会社外で通常の電話が利用できないときは公衆電話を使用しなければなりませんが、最近は設置場所が減っているので、あらかじめ通学・通勤路などで設置してある場所を確認しておきましょう。公衆電話からも災害用伝言ダイヤル(171)は利用できます。公衆電話には一般の電話よりもつながりやすいメリットもあります。
なお、子どもが学校、幼稚園、保育園にいる時間帯の場合、親が迎えに来るまでは子どもをこれらの教育機関が守ってくれることになっています。しかし、実際には親を待たずに子どもを帰宅させるケースもあって問題になっています。念のため、自治体や教育機関に「子どもだけで帰さない」ことを確認しておきましょう。また、子どもには名札(氏名、連絡先を記入)を付けるか、持たせておきましょう。他にも、家族で待ち合わせ場所を決めておくことで安否確認がしやすくなります。
3.家族間の安否確認の注意事項
- NTTの災害用伝言ダイヤル(171)は、災害が起きれば、すぐに利用できるわけではありません。サービスが利用できるまで数時間を要することがあります。すぐに使って利用できなかったときは時間をおいてから利用すると使える可能性があります。メッセージは残してから2日を経過すると消去されます。また、災害対象のエリアに指定された局番でないと利用できません。ただし、災害用伝言板(web171)は、すべての電話番号で利用できます。消去される期間は同じ2日間です。
- スマホや携帯電話は充電が切れても使えるように予備のバッテリーを用意しておきましょう。
- 公衆電話の利用には10円・100円硬貨が必要です。硬貨またはテレホンカードを用意しておかないと利用できません。
第三章 子どものための防災・避難グッズ
以下の防災・避難グッズを前もってそろえておきましょう。
- 子ども用の防災頭巾、ヘルメット、帽子、軍手、マスク
- おんぶ用のひも、紙おむつ、ミルク、離乳食、使い捨てタイプの哺乳びん、除菌シート、母子手帳(乳幼児のいる家庭)
- 子どもの名札(名前、年齢、血液型、連絡先を記入)
- 毛布、バスタオル(防寒のためなど)、トイレットペーパー、ウエットティッシュ、普通のティッシュペーパー、歯磨きティッシュ
- 紙コップ、紙の皿、割りばし、ラップ
- 着替え(下着、くつ下、防寒具、雨具など)、タオル、ハンカチ
- 子どもがお気に入りのおもちゃや絵本
- 寝袋、レジャーシートなどのアウトドア用品
- 子どもがお気に入りのお菓子や缶詰、キャンディータイプのビタミン剤や栄養剤
- 飲料水(水は1人1日3リットル、最低3日分)
- 筆記用具、携帯ラジオ、懐中電灯、予備の電池、ごみ袋、ライター、マッチ、ロープ、ナイフ
- ばんそうこう、包帯、止血パッド、ワセリン、消毒薬、常備薬
- 携帯トイレ など
第四章 まとめ
大切なお子様を自然災害から守るためには必要な知識を知り、そして十分な備えを行ってください。また、ケガをしたり、慣れない避難所生活の疲れから病気になったりする可能性もあります。そのための備えとして全国共済の「こども1型」への加入をおすすめします。月の掛け金が1,000円で、入院で5,000円/1日、事故による通院で2,000円/1日が保障されるほか、手術や先進医療が必要になったとき、後遺障害・重度障害になったときに所定の保障が受けられます。
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