共済と民間保険の違いとは
みなさんが加入している「保険」。保険加入時に渡された保険証券を見ると、どのような団体・会社のどんな保険に加入しているのかが分かります。
では、「共済」と「民間保険」には何らかの違いがあるのでしょうか。
この二つの保険の違いについてまとめました。
運営母体が異なります
共済と民間保険は、運営母体が異なります。
共済の場合「共済組合」もしくは「協同組合」が運営しています。「県民共済」や「農協の共済」などがこの代表的な例ですね。
一方、民間保険は「生命保険会社」や「損害保険会社」などの「会社」が運営しています。多くの保険会社は株式会社として成り立っています。
さて、「組合」と「株式会社」の違いは?という点に移りますが、共に「法人格」を持つ団体です。
同じ法人格であっても、両者には一部の違いがあります。
組合の特徴
組合は組合員によって組織された団体で、組合員からの出資によって成り立っています。
組合員ありきの組織で、出資金は相互扶助の目的で利用されます。
組合員の出資が総額の4分の1までと制限されている上、総会など決定機関における議決権は、出資額に関係なく「組合員1人につき1票」と決められています。
つまり、組合員組織の中で組合員はすべて平等であると言えます。
株式会社の特徴
株式会社は、株式を提示して資本金を募るといった、資本ありきで成り立っている組織です。
株式保有者には、保有数の制限はありませんし、会社とは無関係でも株主となることが可能です。
また、株主総会は会社の決定機関として位置づけられることがほとんどですが、議決権は1株1票という考え方がなされます。
そのため、株主の力関係は株式保有数に比例し、株主の意向が会社に大きく反映されます。
営利か否か、大きな違いがあります
民間保険は会社、共済は組合がそれぞれ運営していることを前項で説明しました。
共済は組合員の相互扶助を目的とした保険ですので、非営利事業となります。
一方、民間保険は保険事業を提供するかたわら、会社としての利益を追求していかなければいけません。
共済は非営利
共済は、組合員が支払った掛金だけを資金として保険運営を行います。
集められた保険掛金は組合員からの保険請求によって保険金を支払うためだけに使われています。
よって、保険金請求が少なく掛金が余剰気味になった場合は、保険加入者に対して配当金が支払われます。
民間保険は営利目的
民間保険は契約者が納めた保険料を資金として保険運営を行います。
ここまでは共済と同様ですが、保険金支払いに必要な資金を上回った場合は、それを資金として資産運用を行います。
資産運用で得られた利益は会社を経営するために使われます。
もちろんそれだけではなく、得られた利益は新たな保険商品を打ち出すことや、契約者が有利になれる保険特約などに還元されます。
加入対象者も大きく変わります
共済・民間保険には加入対象者の違いがあります。
ここでも二つの保険の性質の違いが分かります。
共済の対象者は組合員
共済は、加入対象者が限られています。
協同組合や共済組合に加入した組合員がその加入対象者となります。
詳しい例を挙げると、農業協同組合の組合員が自動車共済に加入する、県民共済組合の組合員になって共済に加入するというスタイルがこれにあたります。
共済を選ぶ場合、母体となる組合に加入しない限り共済の加入対象とはなりません。
出資金を支払い、母体の組合に加入することで共済の加入対象者となります。
民間保険は条件を満たせばだれでも加入できます。
民間保険の場合、車や建物を保有している人など保険商品に対する条件を満たせば、だれでも加入することができます。
私たちは消費者として出資金・株保有なども関係なく、社名や保険商品の概要・特約などのサービスを検討し加入する保険会社と保険商品を自由に選ぶことができます。
保険に対する監督官庁の違い
保険会社に対する監督官庁にも違いがあります。
私たちの生活には加入保険に介入する監督官庁の関わりはほぼ有りませんが、知識として頭の片隅に覚えておきましょう。
共済は根拠法に基づきます。
共済の場合、運営母体の性質がそれぞれに異なります。
例えば、JA共済の場合、母体が農業協同組合であるため、根拠法は農業協同組合法に基づきます。
これによって、監督官庁は農林水産省になります。
全労災やコープ共済などは、消費者生活協同組合法という根拠法に基づき、厚生労働省が監督省庁となり、共済事業を見守ります。
根拠法がない共済事業は違法です。
かつて、「無認可共済」と呼ばれる根拠法がない共済事業が存在していました。
改正保険業法の施行(2006年4月)により、無認可共済は保険業法の規制の対象となり、現在では「無認可共済は違法」とされています。
時折、共済や互助会などという触れ込みで出資金を募る詐欺行為が発生することがあります。
無認可共済は違法であることを知っているだけでも、このような事件に巻き込まれるリスクを減らせます。
民間保険は金融庁が監督官庁となります
民間の保険会社は保険業法という法律が根拠法となります。金融庁が監督官庁となり、業務や運営体制を監督しています。金融庁の監督下において、生命保険業や損害保険業免許の取得規定が設けられています。また、保険会社を経営するに当たり、資本金の最低額など細かい決まりごとが存在し、それらに基づき運営されています。
まとめ
共済と民間保険は様々な点で異なることが分かりました。保険の性質を知ることで、加入すべき保険の選択肢が広がります。
消費者として、安心できる保険探しをしていきましょう。
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