共済の仕組み・理念を裏切った無認可共済と詐欺事件について

2018年7月15日

共済という言葉を聞いたことがある人は多いと思われます。しかし、どのような仕組み・理念で運営されてどのような業務を行っているかなどについて詳しいことはわからない人が多いのではないでしょうか。

そこで、共済について仕組み・理念を簡単に紹介したうえで、過去に根拠法がなく設立された無認可共済が起こした詐欺事件であるオレンジ共済事件について紹介します。無認可共済については法律の改正が行われましたが、共済を利用するにあたっては信頼できる共済を選ぶことが重要なことを示しています。

第一章 共済の仕組み・理念と無認可共済とは?

1.共済の仕組み・理念とは

共済の仕組み・理念は、「一定の地域または職域でつながる人たちが団体を構成し、資金を出し合って事故や災害に遭ったときにその資金を利用して相互に扶助する」ことです。

そして、共済の大きな特徴は、利益を追求しないで加入者全員で助け合うことを目的としていることです。そのため民間会社が提供するサービスよりも安く利用できます。共済の運営主体は協同組合などが事業を行っていることが多いため組合員しか加入できないというイメージが一部にあります。しかし、出資金を支払うことで組合員になれ、共済が提供するさまざまなサービスを利用できます。また、組合員になるための出資金を支払うことなく利用できる場合もあります。

2.根拠法のある共済とない共済の違いと無認可共済とは

共済は、大きく分けると「根拠法のある共済」「根拠法のない共済」の2種類がありました。根拠法のある共済とは、正確にいうと保険業法第2条第1項に定める「他の法律に特別の規定のあるもの」に該当する共済のことで、これに該当しない共済はすべて「根拠法のない共済」でした。この「根拠法のない共済」が、無認可共済のことです。

なぜ、根拠法のないあいまいな共済が存在したのかというと、法律の適用を受けなくても共済の事業ができたからです。無認可共済は、無認可といっても認可を受けなければならないのに受けていなかったのではありません。認可が不要だっただけですので、違法ではなかったのです。当時、保険業法は、共済が行う事業の保険について「不特定の者を相手方として保険の引き受けを行う事業」を規制の対象にしていました。

しかし、それ以外の事業については規制していないため、「特定の者を相手方として保険の引き受けを行う事業」は、無認可でも行えました。そこでペットのための医療費の共済、葬儀費用の共済などさまざまなニーズに応える共済事業が生まれました。しかし、詐欺事件が起きたり、クレームも増えてきたりしたため規制なしでは問題があるとして規制されることになっていきます。

3.根拠法のある共済とは

「根拠法のある共済」とは、大手の共済では具体的には「全国共済(都道府県民共済グループ」「全労済」「co・op(コープ)共済」「JA共済」などがあります。最後の「JA共済」を除く3共済は、消費生活協同組合法(生協法)が根拠法で厚生労働省の管轄です。「JA共済」は農業協同組合法が根拠法で農林水産省の管轄です。これらの共済は、根拠法に基づいて、しっかりとした共済事業が運営されています。運営は、法律や監督省庁の管理のもとで行われているので安心できる共済です。

厚生労働省

第二章 無認可共済が起こした詐欺事件、オレンジ共済事件の概要

無認可共済が存在したときに共済が利用されて起きた大きな詐欺事件の1つにオレンジ共済事件があります。オレンジ共済事件とは、友部達夫元参議院議員の政治団体が運営していた無認可共済団体が起こした詐欺事件のことです。この共済団体は、1986年に設立され「オレンジ共済」や「オレンジ介護共済」などを運営していましたが、1992年から「オレンジスーパー定期」の名称で年6~7%の配当をうたった商品を販売。中高年を中心に2700人ほどから約93億円もの資金を集めました。

そもそも配当をすることで出資を募ることは、銀行や信用金庫など預金を抱える金融機関以外が行うと出資法に違反する行為です。1992年ごろの定期預金金利は5%程度でしたが、その後急速に低下。1993年には2%台に低下し、1995年には1%を割り込んだこともあって多くの人が年6~7%の配当に魅力を感じたと考えられます。加えて、友部達夫元参議院議員が国会議員になったのは1995年ですが、約93億円のうちの約63億円が国会議員に当選後に集められたものです。国会議員という肩書きをフルに生かして資金を集めたと思われます。集めた資金の多くが、選挙費用や政界工作費、借金返済や遊興費、および組合の専務理事だった妻や息子らによって私的に流用されました。1996年に同組合は倒産し、組合員が支払った資金はほとんど返済されませんでした。1997年当時に現職であった友部参議院議員は逮捕され、2001年に有罪確定し失職しました。

手錠

第三章 無認可共済の解消を目指した保険業法改正の内容

無認可共済は、規制をしないとオレンジ共済事件のような詐欺の温床になりかねないという懸念から2005年に保険業法改正が公布され、2006年4月1日から施行されることになりました。これにより、無認可共済は、「保険会社」「少額短期保険業者」のいずれかにならなければならなくなり、共済全体に保険業法が適用されることになりました。

これにより、保険業改正前の「根拠法のある共済」「無認可共済(根拠法のない共済:特定の者が対象)」「民間の保険会社(不特定の者が対象)」が、改正後は、「根拠法のある共済」「少額短期保険業者(登録制)」「民間の保険会社(免許制)」に変わりました。なお、「1つの会社内の共済」「1つの労働組合の共済」「1つの学校内の共済」「1つの地域にある団体内の共済」「小規模(契約者が1000人以下)な共済」などは、保険業法の規制対象外となる適用除外保険業者になれます。これらの団体の共済事業に関する運営は、保険業法ではなく団体ごとの独自のルールに基づき可能です。

法律の改正で制度上は、無認可共済はなくなりました。しかし、お互いの助け合いが理念という共済の仕組みは悪用しやすく、今後も資金だけを集めて本来の目的に利用しない共済、資金を集めやすくするためにマルチ商法の手法で資金だけを集めていずれは破綻する共済などが現れる可能性があるので注意が必要です。

共済や互助会などの名称で死亡や損害などを補償する目的で資金(保険料などの名目)を集める事業を行っている団体があって、その事業に興味があっても聞いたことがない団体であれば、少なくとも保険業法上の「根拠法のある共済」「少額短期保険業者」「民間の保険会社」のどれに相当するかの確認をしましょう。そして、預かった資金(保険料、掛け金など)をどのように管理しているか、しっかり確認したうえで契約を判断することが必要です。

天秤と法律書

第四章 まとめ

詐欺に利用される可能性のあった「無認可共済」は、法律上はなくなりました。しかし、共済の仕組みを利用して違法覚悟で詐欺を行う業者が現れないともかぎりません。共済に加入するときは、安心できる共済であることを確認してから加入するようにしましょう。助け合いの心から生まれ、非営利で事業を行う全国共済は、消費生活協同組合法に基づき、厚生労働省の認可を受けて運営されているから安心できます。全国共済であれば低価格で安心の保障が受けられます。

 

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