「終身保険」への加入は必要?加入するメリットとデメリット

生命保険文化センターの2019年度「生活保障に関する調査」 によると、生命保険への加入率は男性が81.1%、女性が82.9%と非常に多くの人が加入しています。加入目的で圧倒的に多いのは「万が一のとき家族の生活を保障するため」と「病気やケガのときの医療費に備えるため」です。生命保険には、いろいろな種類がありますが、前者の目的のために死亡保険、後者の目的のために医療保険があります。そして、それぞれの保険は、またいくつかの種類に分かれ、そのなかで加入者が多いのは、終身保険と掛け捨て保険(定期保険)です。そこで、今回は、終身保険について加入するメリット・デメリットについて紹介します。

第一章 そもそも終身保険とは?

各保険会社からさまざまな終身保険の商品が販売されていますが、終身保険には以下の4つの特徴があります。

1.保障が生涯にわたって続く

保険を解約しない限り、被保険者が生存している期間は保障が生涯にわたって継続します。

2.保険料が変わらない

原則として、保障の条件を変更しない限り、保険料は契約時の金額から変わりません。

3.解約返戻金がある

何らかの理由で終身保険を途中で解約すると返戻金が戻ってきます。解約返戻金の額は、契約からの経過期間に応じた累計の払込保険料を上回る場合と下回る場合があります。多くの場合は解約返戻金が戻るので保険料のすべてが掛け捨てにはなりません。おおむね、保険料払込期間終了後は解約返戻金額が保険料払込総額を上回ります。保険料払込期間中に解約すると、保険料払込総額を下回ることがほとんどです。契約後、早い時期に解約すると、解約返戻金が受け取れない場合があります。保障が必要ではなくなったときには、解約しても解約返戻金があるため、万が一の保障目的だけでなく、老後資金、相続税や葬儀費用など将来、予測される費用としても活用できます。

4.保険料の払込期間を設定できる

保険料を生涯にわたって払い続けるタイプ(終身払込タイプ)か、契約からある一定の年齢まで、もしくは一定の期間まで払い込むタイプ(有期払込タイプ)が選べます。保険料の払い込みを終えても、解約するか、保険料を受け取る要件に該当する状態になるまで保障を継続して受けるか選べます。この場合、例えば、払込期間を60歳以降にしておくと、解約返戻金が戻るため老後資金としての活用もできます。なお、保険料を月払いよりも半年払い、半年払いよりも年払い、年払いよりも一時払いにすることで軽減できます。

第二章 終身保険の種類について

主な終身保険の種類について紹介します。

1.低解約返戻金型終身保険

終身保険は保障が生涯にわたって続き解約返戻金があります。そのため、解約返戻金がなく、保障期間も一生涯ではない掛け捨ての定期保険に比べると保険料が高額です。そこで、通常の終身保険と比べて、解約返戻金の額を約70%に減額して、保険料を安くしているのが低解約返戻金型終身保険です。保険料を短期払いにすると、保険料払込期間中に解約したときの解約返戻金は多くありませんが、保険料の支払いが完了すると支払った保険料を上回る解約返戻金を受け取れる商品が多く販売されています。短期間で保険を解約することがない場合、メリットの大きな終身保険です。

2.積立利率変動型終身保険

金融市場などで適用されている金利は固定ではなく変動していますが、積立利率変動型終身保険は、その名前の通り、市場の金利に応じて定期的に積立利率が見直され、それに応じて保険金や解約返戻金が変動する保険のことです。

保険会社は、保険料から経費や利益を控除した金額を将来、支払いが必要になる保険金のために積み立てており、その際に適用される金利の金融市場の動向に合わせて変わるため、保険金や解約返戻金の額が変動します。インフレのとき、保険金が目減りしないメリットがあります。また、積立利率については最低の率が保証されます。

3.変額終身保険

保険会社は、払い込まれた保険料を株や債券などの金融商品で運用しています。変額保険とは、その運用実績に応じて保険金や解約返戻金の額が変動する保険のことです。そのため、運用結果によって保険金や解約返戻金が増減します。なお、死亡保険金には最低保証がありますが、解約返戻金には最低保証がないので解約返戻金を必要とする場合は、注意が必要です。

4.外貨建終身保険

保険会社は、払い込まれた保険料を株や債券などの金融商品で運用していますが、外貨建保険とは、加入者が支払った保険料をアメリカドル・豪ドル・ユーロなどの外貨で運用している変額保険のことです。日本は、ゼロ金利政策がとられているので、一般的に外貨の金利が高く、多くの金利が受け取れます。しかし、為替の影響を受けるので、例えばドルで運用した場合、金利が多くなっても円高になると受け取れる金利は減少し、保険金や解約返戻金が減る可能性もあります。また、逆に円安になると金利にプラスして為替の利益が上乗せされる可能性もあります。

5.無選択型終身保険

一般的に、終身保険に加入するには健康状態を申告する告知書や医師の診査が必要です。この結果によっては、保険に加入できない可能性もあります。しかし、無選択型終身保険は、健康状態に不安があっても加入できる終身保険です。ただし、通常の終身保険よりも設定できる保険金額が少なくなるのが一般的です。また、契約後、一定期間内に病気で死亡すると、死亡保険金ではなく支払った保険料相当額しか支払われません(災害で死亡した場合を除く)。

第三章 終身保険加入のメリットとデメリット

終身保険に加入するとき考慮すべきメリットとデメリットについて紹介します。

1.終身保険のメリット

1-1 解約返戻金がある
解約返戻金があるので保障と貯蓄(将来の備え)の両方ができることが大きなメリットです。掛け捨て保険の場合、保険料は何も起きなかったときの安心料ではありますが、気持ちとしては無駄になったと思えるので、解約返戻金があることは万が一のことが起きなかったときを考えると大きなメリットです。また、解約返戻金は資金が必要になったときの備えになり、貯蓄できたとも考えられます。

1-2 保険料が固定
一般的に年齢が上がるとともに収入が増えるのに対して保険料が変動しないため、相対的に収入に占める保険料の割合が低くなって負担感が小さくなります。また、固定のため子どもの学資や住宅の購入などのときに支出額が明確に分かります。ただし、保障を見直ししたりすると保険料が変わるので注意が必要です。

1-3 契約者貸付制度が利用できる

不意の出費のために解約返戻金を使いたいと思っても解約すると保障がなくなり、解約返戻金も少なくなって損になることがあります。そのような場合、契約者貸付制度が利用できると、解約せずにその時点の解約返戻金の範囲内で保険会社からお金を借りられます。この制度は終身保険だけのメリットではなく、解約返戻金が戻る保険であれば利用できます。

2.終身保険のデメリット

2-1 途中解約を早期に行うと損をする
解約返戻金が払い込んだ保険料額を上回るようになるまでは、契約後かなりの期間が必要です。そのため、保険加入後、早期に保険を解約すると払い込んだ保険料より少ない金額しか戻ってきません。解約の時期によってはまったく戻ってこない場合もあります。保険料が掛け捨てではもったいないと考えて終身保険に加入しても、保険料が高いために早期に解約しなければならなくなると掛け捨て保険のほうが安くつく場合があります。

2-2 保険料が高額・保障内容を大きくできない
終身保険の保険料は、解約返戻金のない掛け捨て保険よりも高額です。保険に加入するときの目的が、万が一の保障だけでよい場合、保険料が高額すぎて無駄になります。また、保障を大きくしたい場合、保険料が高額になりすぎて加入できない可能性があります。

第四章 まとめ

終身保険は、保障が生涯にわたって続くこと、および解約をしないで保険料を払い続けられれば、貯蓄のも兼ねる可能性のあることが大きなメリットです。将来、病気になる、保険に加入できなくなる可能性がありますが、終身保険に加入していれば、その心配がまったくありません。

逆に、保険料を安くして、万が一の場合の保障をできるだけ大きくしたい場合は、終身保険は適していません。将来のことは誰も明確に予測できないので、どの保険が適しているかの判断は難しいですが、保険はそもそも、万が一のときに備えるべきもので貯蓄を目的とするには適していません。そのため、まず考えるべきことは、万が一のときに必要な保障額はいくらか、そしてその保障に必要な保険料はいくらで、その保険料が問題なく払えるかどうかです。保険料の支払いに余裕があまりなければ終身保険とは別の掛け捨て保険を検討することが合理的です。保険料の支払いに余裕があれば、終身保険のメリットも考慮して一部を終身保険として加入を検討することをおすすめします。


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