子どものためにどんな共済保険を選べば良いの?「子ども向け保障型共済保険」を徹底解説
大切な子どもが病気やケガをしないように願い、また将来、必要になる教育資金を貯蓄しておきたいという思いは、多くの親に共通しています。しかし、願うだけでは思いがけない病気やケガに遭うことを防止できず、また生活費のなかから毎月定期的に貯金を続けるのは簡単ではありません。そこで、多くの親は、これらの問題を解決するために保険に加入したいと考えます。そのようなニーズに最適なのが共済保険です。
共済は、民間保険会社と異なり営利を目的としていないので家計への負担を軽くして、子どもを育てるうえで大切な病気やケガのときの保障、あるいは教育資金を貯蓄できます。そこで、子どものための共済保険の種類、その特徴、および選び方のポイントなどについて解説します。なお、子ども向けの共済には「貯蓄型」と「保障型」がありますが、「保障型」にフォーカスして紹介します。
第一章 子ども向けの共済には「貯蓄型」と「保障型」がある
子ども向けの共済保険にはいろいろな種類があります。大きく分けると主に教育資金を積み立てることを目的とした「貯蓄型」と、掛金を抑えて充実した医療保障や死亡保障が受けられることを目的とした「保障型」があります。
「貯蓄型」には、子ども向け以外では保障が一生涯にわたって続く「終身保険型」、保障が満期まで続く「養老保険型」、介護を受けることになったら保障を受けられる「介護保険型」、老後の保障(年金)が受けられる「個人年金保険型」などいろいろな種類があります。子ども向けに最適なのは教育資金の貯蓄に適した「学資保険型」です。「学資保険型」では、子どもが18歳や20歳などある程度まとまった資金が必要になるタイミングを満期にして、掛金を払っていくと満期保険金を受け取れます。個人で積み立てして貯蓄する方法との大きな違いは、解約すると不利になるので頑張って積み立てるという強い意志で続けられること、および保険者である親が万が一死亡しても保険料の払い込みが不要で保険金を受け取れるようにできる点です。
一方、「保障型」では、掛け捨てで貯蓄はできませんが、家計への負担を低く抑えて子どもが病気やケガをしたときの医療費の保障があります。子どもの医療費については健康保険の負担に対して、居住地の自治体が医療費を助成する制度があるため、高額な医療費が必要になることはまずありません。しかし、場合によっては重い病気やケガをすると差額ベッド代、入院中の食事代、そのほかにも先進医療を受けたときの医療費などは健康保険も利用できず、また自治体の助成の対象外となるため、家計に大きな負担が生じるリスクがあります。「保障型」は、このようなリスクに備えられます。
第二章 子ども向け共済保険を選ぶ際のポイント
1.「貯蓄型」または「保障型」を選ぶときのポイント
「貯蓄型」か「保障型」のどちらがよいのかは、教育資金を貯蓄したいのか、子どもの病気やケガに対する医療保障を重視したいのか、どちらに重きを置くかによって異なります。そのため、どちらが良い・悪いは一概に言えません。
ただ、「貯蓄型」では掛金が高く、加入時に家計の負担が大きくなくても、事情が変わって家計の負担が重くなり、満期まで続けられずに途中で止めると、通常は掛金よりも少ない金額しか戻ってきません。加入期間によっては、掛金がまったく戻ってこないこともあります。また、子どもが大きくなってからの加入では、満期の期間までの年数が短くなるため、掛金が高くなって家計への負担が重くなります。子どもが生まれてすぐに加入すると掛金は少なくてすみますが、加入期間が長くなるので加入期間中にインフレになると満期に受け取る金額の実質的な価値が下がるリスクがあります。ただし、これは預貯金でも貯蓄期間が長くなると同様のため、「貯蓄型」だけのデメリットではありません。
2.「保障型」の子ども向け共済保険を選ぶときの3つのポイント
「保障型」を選ぶときのポイントは以下の3つです。
2-1.月の掛金が家計に負担にならないか?
先にも紹介しましたように子どもにかかる医療費は自治体によって差はありますが、多くの場合、中学校を卒業するまでは大きな負担にならないような助成を自治体から受けられます。そのため、医療費の負担があまり大きくなることがないので、余計な負担にならない掛金で加入できるかを確認しましょう。
2-2.個人賠償責任補償がついているか?
小さい子どもは、思いがけない行動でほかの子どもを傷つけたり、他人の貴重品を壊したりするおそれがあります。特に、近年は自転車による事故で多額の損害賠償請求を親が受ける事例が増えてきています。
2-3.先進医療を受けたときの保障があるか、もしくは特約として付けられるか?
健康保険が適用される場合、健康保険と自治体の助成で家計の負担が大きくなることはありません。しかし、病気によっては健康保険が適用されない先進医療を受けるリスクがあることも考えておく必要があります。
第三章 都道府県民共済(全国共済)、コープ共済、JA共済の子ども向け共済保険の比較
子ども向けの共主な共済の「都道府県民共済(全国共済)」「JA共済」「コープ共済」について比較します。
1.都道府県民共済(全国共済)「生命共済 こども型」
都道府県民共済(全国共済)「生命共済 こども型」は、「保障型」の共済保険です。「保障型」の子ども向け共済保険を選ぶときの3つのポイントに沿って概要を紹介します。
1-1 家計の負担の程度
月額1,000円(こども1型の場合)の掛金で加入できるため、家計の負担を最小にできます。主な保障内容は以下のとおりです。
- 入院保障(病気、事故):日額5,000円
- 通院保障(事故のみ):日額2,000円
- 死亡保障:500万円(交通事故)、200万円(病気)
- その他、所定の手術を受けたとき、がんと告知されたとき、後遺障害が残ったとき、契約者(親)が死亡したときの保障があります。
1-2 個人賠償責任保険あり
保険額は1事故につき最高で100万円です。ただし、1,000円の自己負担と通算の支払いに限度額があります。
1-3 先進医療保障あり
所定の先進医療による治療を受けた場合、1万円から最高150万円の保障があります。
2.コープ共済「たすけあい ジュニア20コース」
「たすけあい ジュニア20コース」は、「保障型」の共済保険です。「保障型」の子ども向け共済保険を選ぶときの3つのポイントに沿って概要を紹介します。
2-1 家計の負担の程度
月額1,000円(J1000コースの場合)の掛金で加入できるため、家計の負担を最小にできます。主な保障内容は以下のとおりです。
- 入院保障(病気、事故):日額6,000円
- 通院保障(事故のみ):日額2,000円
- 死亡保障:150万円(交通事故)、100万円(病気)
- その他、所定の手術を受けたとき、後遺障害が残ったとき、契約者(親)が死亡したときの保障があります。
2-2 個人賠償責任保険あり
個人賠償責任保険を利用するには、月額掛金に140円プラスして特約を付加する必要があります。保障額は最高3億円です。
2-3 先進医療保障あり
所定の先進医療による治療を受けた場合、1回あたり最高1,000万円までの保障がありますが、そのためには、月額の掛金に100円をプラスして特約を付加する必要があります。
3.JA共済「こども共済 学資応援隊」
JA共済「こども共済 学資応援隊」は「貯蓄型」に保証も備わった共済保険です。
「こども共済 学資応援隊」の概要
- 契約者である親などに万が一のことがあっても、その後の掛金の支払いが必要ありません。
- 学(教育)資金の受け取りは、中学、高校、大学への進学時期から選べます。
- 給付率(給付総額÷払い込んだ掛金の総額)が所定の契約例の場合に約102.6%などとホームページでうたっています。詳しくは「JA共済 こども共済 学資応援隊」で検索して確認してください。掛金は、「子どもの年齢が0歳、契約者(親)の年齢が30歳のとき、満期年齢22歳、学(教育)資金の支払い開始18歳、共済金が300万円」の条件で加入すると、月額で約1万4,000円となって「保障型」と比較すると高額です。
第四章 まとめ
それぞれの家庭によって必要な保障は異なります。また、親が加入している生命保険によっても選ぶ基準は変わってきます。各共済の保障内容を理解して、最も適した共済を選んでください。
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