各地で高まる巨大地震の可能性への備え 火災共済の地震特約について

気象庁のホームページによると震度5弱以上で地盤の状態によっては亀裂や液状化が生じ、場所によっては落石やがけ崩れが発生すると記載されています。建物では耐震性能の低い住宅(おおむね1981年以前に建築された住宅)は震度5弱から被害が生じるリスクが高まります。鉄筋コンクリート造りの建物は耐震性能の低い場合は震度5強から被害が生じるリスクが高まります。そこで、過去の震度5弱以上の日本における地震の発生を2017年から現在(2019年5月)まで、気象庁の公表データでみると、2019年は5件(震度5弱が3件、震度6弱が2件)、2018年は11件(震度5弱が7件、震度5強が2件、震度6弱が1件、震度7が1件)、2017年は8件(震度5弱が4件、震度5強が4件)起きています。なお、2016年は熊本県で起きた大きな地震の余震が多かったこともあって震度5弱以上は33件も起きています。

近い将来においても政府は東北の青森県東方沖から関東の房総沖にかけての日本海溝沿いで、今後30年以内にマグニチュード7以上の地震が発生する確率は最大90%と発表。また、首都直下地震の30年以内の発生確率は70%、東海から四国沖の南海トラフで発生する地震も30年以内の発生確率は70%から80%と予測されています。日本のどこででも起きる可能性のある巨大地震に備えを怠らないようにしなければなりません。地震が起きることで生じる住宅や生活の再建費用、被災者のための公的支援制度の概要、公的支援制度では不足する費用に対する備えに適した火災共済の地震特約の内容などについて紹介します。

第一章 日本海溝沿い、首都直下の大地震の発生確率は最大で「90%」

政府の地震調査研究推進本部が2019年2月に発表した東北の青森県東方沖から関東の房総沖にかけての日本海溝沿いで、今後30年以内に地震が発生する確率を公表。それによると、マグニチュード7級の地震は「青森県東方沖および岩手県沖北部、宮城県沖」の90%、「茨城県沖」の80%が発生確率の高いエリアです。

一方、首都直下地震の30年以内の発生確率は70%といわれ、都道府県庁所在地の市役所(東京は都庁)付近で震度6弱以上の揺れが起こる確率は千葉市85%が最も高く、次いで横浜市82%、水戸市81%と続きます。

第二章 災害が起こったらこれだけ掛かる住宅・生活再建の費用

1.内閣府がすすめる保険・共済への加入

内閣府は、重要なお知らせとして以下の4つの理由から地震による災害から我が家を守るために保険・共済への加入が必要としています。

1-1 世界のマグニチュード6.0以上の地震の約2割が日本で起こっており、地震が過去に起きて将来も起きる可能性のある活断層は、北海道から九州まで、分かっているだけでも約2,000カ所ある。

1-2 このうち、近い将来に、大きな地震を起こす可能性の高い活断層が複数ある。

1-3 地表に現れておらず地下に隠れて、まだ見つかっていない活断層もあるとされており、大規模な地震が発生する可能性が高いといわれている地域だけでなく、どこで、いつ大きな地震が起きてもおかしくない。

1-4 住宅と生活の再建に多額の費用が必要で公的な支援金や善意の義援金では十分ではなく自助による備えが必要である。

2.住宅・生活の再建費用の実績(東日本大震災時)

東日本大震災で全壊被害に遭った住宅の新築費用は、平均して約2,500万円であったのに対して公的支援と善意による寄付金をあわせても約400万円で約2,000万円以上も不足しました。この費用には、家財の調達費用、引っ越し費用は含まれておらずさらに不足金は増加します。

3.地震保険の加入比率

内閣府の推計によると持ち家世帯の建物の火災保険・共済への加入率は全体の82%ですが、地震補償を付けている世帯の割合は49%まで低下します。火災保険・共済に加入するだけでは地震によって生じた火災による損害は補償されません。

将来、大きな地震が30年以内に起こることが予測されます。政府は、地震のリスクに備えて住宅・生活の再建費用は自助努力が必要なことから、万が一に備えて地震による補償を受けられるようにしたほうがよいと考えています。また、建物の被害程度が大きくなくても、家財が大きな被害を受けて再購入が必要になる場合もあることから、持ち家の場合は、建物の補償と家財の補償の双方に備えることが必要になります。地震保険に加入することで、地震の損害のすべてを補えませんが、経済的な負担を大幅に軽減できます。

4.自宅周辺エリアの災害リスクを知って必要な補償の検討

地震以外にも台風などの暴風や洪水被害、突風・竜巻被害、大雪被害、火山の噴火被害なども考えられます。すべての自然災害に備えるために自宅周辺にどのような種類の災害リスクがあって、そのリスクの大きさはどれくらいかを知って必要な補償を受けられる保険・共済への加入が重要です。自宅周辺エリアの災害リスクは下記のサイトでさまざまなリスクに関する情報を入手できます。

第三章 被災者のための公的支援制度

国は地震の被災者のための公的支援制度として「被災者生活再建支援制度」を設けています。程度によって、世帯あたり最大300万円の支援金が支給されます。公的支援制度の支給金は、基礎支援金と加算支援金の合計額です。公的支援制度の対象となる地震を含む自然災害には、一定の基準があり、その基準を満たさないと支援が行われません。

1.基礎支援金

基礎支援金は、住宅の損害の程度によって以下の4段階に分かれて支給されます。

住宅の損害の程度 支給額
住宅が全壊した世帯 100万円
住宅が半壊、または住宅の敷地に被害が生じ、住宅をやむを得ず解体した世帯 100万円
危険な状態が継続し、住宅に居住できない状態が長期間継続している世帯 100万円
住宅が半壊し、大規模な補修をしなければ居住することが困難な世帯(大規模半壊世帯) 50万円

2.加算支援金

加算支援金は、住宅の再建方法に応じて以下の3つに分かれて支給されます。

 

住宅の再建方法 支給額
建築・購入 200万円
補修 100万円
賃借(公営住宅以外) 50万円

なお、基礎支援金・加算支援金の制度の内容は2019年5月現在ですが、将来変更される可能性があります。

第四章 地震への備えとして新型火災共済の地震特約がおすすめ

いつ起きるか分からない地震への備えとして、新型火災共済の地震特約がオススメです。新型火災共済の地震特約の特長、受け取れる共済金の金額、掛け金、加入条件、加入方法について紹介します。

1.特長

非営利団体が組合員の助け合いを目的に運営しているため、掛け金が家計にやさしく安く設定されています。また、シンプルな保障内容で分かりやすいのも特長です。

2.地震特約で受け取れる共済金額

地震などによる住宅または家財の半壊・半焼以上の損害に対して、新型火災共済の加入額の15%が支払われます。ただし、新型火災共済には、地震特約に加入しなくても上記の損害に対して5%の地震保障(地震等基本共済金)が支払われるため、支払われる金額は合計で加入額の20%となります。ただし、特定の事由に該当する場合、例えば地震などが発生した日から10日経過後に生じた損害に対しては共済金が支払われません。また、減額して支払われる場合があります。

3.掛け金

神奈川県に加入の対象となる物件があり、新型火災共済の加入額(住宅と家財の合計)が2,900万円の場合は、以下の計算式で計算されます。

3-1 物件が木造などの場合

年払いの場合:2,900万円×7.2/10,000=20,880円
月払いの場合:2,900万円×0.63/10,000=1,827円
※端数(円未満)出た場合、1円未満は切り上げ。

3-2 物件が鉄筋コンクリート造などの場合

年払いの場合:2,900万円×3.9/10,000=11,310円
月払いの場合:2,900万円×0.34125/10,000=990円
※端数(円未満)出た場合、1円未満は切り上げ。

4.加入条件

地震特約は、新型火災共済に付加してのみ加入できます。地震特約のみの加入はできません。

5.加入方法

すでに新型火災共済に加入している場合は、加入者用のマイページから、または全国共済組合へ電話連絡をします。新型火災共済に未加入の場合は、インターネットから新規申し込みで「新型火災共済」と同時に地震特約に加入できます。

新型火災共済など、全国共済への加入をお考えの方、まずは資料請求からいかがでしょうか?
こちらから全国共済への資料請求ができますので、ぜひお役立てください。