女性が直面する健康リスクに備えましょう
女性が主に直面する健康上のリスクにはどのようなものがあり、どの程度のリスクの大きさがあるかを知ることは、リスクに対する保障を検討するときにとても重要です。特に男女雇用機会均等法や育児休業がはじまった1980年代後半~1990年代以降に女性の社会進出が急速に増加、また晩婚化、未婚化比率の上昇や離婚の増加などによって女性が働く期間は大幅に長くなっています。さらに、女性活躍推進法が2016年4月から施行されるなど、政府は女性の活躍を広げることを成長戦略の1つとして掲げ、社会全体で女性の活躍を推進する機運がますます高まっています。
そのため社会で活躍する責任として健康に注意した生活が必要になるとともに、万が一、健康を害したときに安心して治療ができるために十分な保障を受けられるようにする必要があります。そこで、女性の主な健康リスクと、女性の健康リスクは男性に比べてどの程度大きいのか、および女性の健康リスクに合理的に備えるにはどうすればよいかについて紹介します。
第一章 女性が直面する健康リスク
女性が直面する主な健康リスクと、男性に比べて女性の健康リスクはどの程度大きいのかについて紹介します。
1.女性が直面する主な5つの健康リスク
1-1 女性ホルモンの分泌量の変化
女性のライフサイクルは、小児期(10歳頃以下)、思春期(10歳頃~18歳頃)、成熟期(18歳頃~45歳頃)、更年期(45歳頃~55歳頃)、老年期(55歳頃以上)に分かれます。このライフサイクルにおいて、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が変化し、これに伴って思春期以降に起こりやすくなる女性に特有の病気があります。例えば、月経不順、月経困難症、過多月経、子宮内膜症、子宮筋腫、更年期障害、心血管系疾患、骨粗しょう症などです。
1-2 妊娠・出産時にかかる体への負担
女性には妊娠・出産時に体への負担がかかることによって、流産、異常分べん、子宮外妊娠、妊娠高血圧症候群、胎盤早期はく離などが起きるリスクが生じます。
1-3 女性性器の構造上の問題
女性のデリケートゾーン(性器)は、粘膜が男性より広いことや尿道が短いなどの構造上の問題から病原体(ウイルスや細菌)が粘膜から入ってきやすくなっています。そのため女性に起きやすい病気として、腟(ちつ)炎、バルトリン腺のう腫・バルトリン腺炎、ヘルペス、尖圭(せんけい)コンジローマ、トリコモナス腟炎、カンジダ腟炎などがあります。
1-4 原因が解明されていないものの女性に多い病気
原因が解明されていませんが女性に多い病気として関節リウマチ、悪性貧血、習慣性流産などの自己免疫疾患があります。
1-5 女性に特有のがん
女性に特有のがんとして、乳がん、子宮体がん、子宮頚(けい)がん、卵巣がん、外陰がんなどがあります。
2.女性の健康リスクは男性よりも約1.2倍以上大きい
厚生労働省の2017年度「患者調査の概況」によると、入院患者数の総数は131.3万人(男性:59.9万人、女性:71.3万人)で女性が男性よりも約1.2倍多く、外来患者数の総数は719.1万人(男性:305.4万人、女性:413.7万人)で女性が男性を約1.4倍上回っています。総務省統計局の人口推計(2018年10月1日現在)によると女性の人口は男性を約5.5%上回っていますが、それを考慮しても女性のほうが男性よりも健康リスクが高いことが分かります。
生涯で2人に1人ががんになるといわれています。厚生労働省の「全国がん罹患数 2016年速報」によると、2016年のがんの新規患者数は約99.5万人(男性:約56.7万人、女性:42.8万人)で、女性よりも男性のがん患者が多くなっています。しかし、がんの部位別患者数をみると、女性の部位別で最も多いのは乳がんで患者数は約9.5万人です。一方、男性の部位別で最も多いのは胃がんで患者数約9.3万人です。そのため乳がんは、男女別・部位別でみると最も多くの患者がいるがんになり、女性にとって注意が必要です。
第二章 特に気をつけたい「乳がん」と「子宮がん」
女性が、「乳がん」と「子宮がん」に気を付けたほうがよい理由、女性ががんになる原因、および予防法について紹介します。
1.女性が特に「乳がん」と「子宮がん」に気をつけたほうが良い理由
女性に特有の病気はたくさんありますが、女性にとって乳がんや子宮がんは、特に気をつけて対策することが重要です。その理由は3つあります。
1-1 乳がんは部位別のがんで最も発症しやすいこと
すでに説明しましたとおり、乳がんは男女別・部位別でみると患者数が最も多いがんであるからです。
1-2 高齢化の進展でがんになる確率が高くなること
高齢化によるがんになる確率は男性も同じですが、女性の場合は社会進出して働き続ける年齢が高くなっていることや晩婚化、離婚率の増大などによって男性と同様にがんになって、就労できなくなったときの生活保障に対する対策が必要になるからです。また、近年、若い女性に「乳がん」と「子宮がん」が急増しているためです。全国健康保険協会によると「女性に特有のがんの若年化が進み、20~40歳代で発症するケースが急増。乳がんは、20歳代から徐々に増え始め、40歳代後半から50歳代にピークを迎えますが、30歳代に急激に増加」と述べています。また、「子宮がんには、子宮の奥の子宮体部にできる子宮体がんと、子宮の入り口の頸部にできる子宮頸がんがありますが、子宮体がんは30歳代での発症も増え、子宮頸がんは20~30歳代に急増」と報告しています。
1-3 がん患者が復職できない就労問題の増加
がん治療の進展で、がんは早期発見・早期治療で治る病気になりつつあります。しかし、治療が長引き、体調が完全に元に戻るまでの期間が長くなります。このため女性も、社会進出が増大していることから、男性と同様に社会問題化してきているがん患者の就労問題が大きな課題になります。
がん患者の就労問題とは、がんになることによって会社を休職・退職に追い込まれる問題のことです。厚生労働省は、抗がん剤などの影響で体調が元に戻らず、体の負担にならない業務への異動が会社によっては簡単に認められず、やむを得ず休職や退職せざるを得ない会社勤務者が約34%おり、自営業の場合は約13%が廃業していると報告しています。がんは、治療が長引くことによる治療費のほか、収入が激減、またはゼロになる大きなリスクが生じることからがんに気をつける必要があります。
2.女性に特有のがんになる原因
2-1 乳がん・子宮体がんのリスクを高めている女性ホルモン
乳がんや子宮体がんの発生には、女性ホルモン(エストロゲン)が関係しています。初潮の時期が早い、あるいは閉経時期が遅い、または出産の経験がないと、エストロゲンの影響を長期間受けるため、乳がんや子宮体がんの発症リスクが高くなります。
2-2 子宮頸がんを引き起こすのはヒトパピローマウイルス
子宮頸がんの主な原因は、性交渉によって感染する「ヒトパピローマウイルス(HPV)」です。HPVには、性体験のある女性の約80%が感染するといわれています。しかし、免疫機能によって感染してもすべての女性ががんになるわけではありません。ただし、HPVに長期間感染したままの場合、子宮頸がんになるリスクが高まります。
2-3 女性に特有のがんになるその他の原因
女性に特有のがんには、前述のとおりそれぞれに特有の原因がありますが、喫煙、動物性脂肪を摂取しすぎること、野菜・果物の摂取不足、多量の飲酒、運動不足、不規則な生活習慣などもがんになるリスク要因です。
3.女性に特有のがんの予防
女性に特有のがんの予防は、がんになる原因をなくすことですが、女性ホルモンの影響は避けられません。しかし、禁煙やバランスの取れた食生活、適度な運動・睡眠など規則正しい生活習慣を維持することで健康リスクを軽減できます。生活習慣の改善の他に、乳がんは自己触診やマンモグラフィー、エコーによる検診が予防に効果的です。また、子宮頸がんも定期的な検診とワクチンの接種が予防に効果的です。
第三章 女性が直面する健康リスクへの備え
女性、特に働いている女性は、女性に特有の健康リスクに備える必要性があります。女性に特有の病気に対する保障が充実した、保険会社の女性向け保険がありますが、女性は、男性に比べると健康リスクが高いことから、一般的な医療保険の掛け金の平均は比較的高く設定されています。全国共済の生命共済で、例えば医療1型特約(月額の掛け金1,000円)に加入すると合理的な掛け金で基本コースの保障に加えて以下の保障を受けられます。
保障内容 | 保障金額 |
入院一時金(1回の入院につき) | 20,000円 |
手術(当組合の定める手術) | 5万円・10万円・20万円 |
先進医療(当組合の基準による) | 1万円〜150万円 |
在宅療養(入院を20日以上継続し退院したとき) | 40,000円 |
疾病障害(所定の状態に該当した場合) | 100万円 |
また、がんが心配な場合は、新がん1型特約(月額の掛け金1,000円)に加入すると以下の保障がプラスされます。
保障内容 | 保障金額 | |
がんと診断されたとき | 50万円 | |
がんによる入院 | 1日目から無制限(支払い日数限度なし) | 1日当たり5,000円 |
がんによる通院 | 1日目から60日目まで | 1日当たり2,500円 |
がん手術(全国共済の定める手術) | 5万円・10万円・20万円 | |
がん先進医療(全国共済の基準による) | 1万円〜150万円 |
*上記の保障内容はいずれも年齢が18歳から60歳までの場合です。保障内容の詳細は、全国共済へ問い合わせてください。
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