意外に知らない!?保障・保証・補償の違い

日本で「保険」の意味を知らない人は、小さな子どもを除けばいないほどよく知られ、実際に利用されています。個人年金保険まで加えた共済や民間保険への世帯加入率は、生命保険文化センター「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」によると約90%にも達しており、多くの世帯が加入しています。(※世帯員2人以上の場合)また、自動車や2輪バイクの所有台数は、世帯数を上回っていますが任意保険への加入率は70%を超え(損害保険料率算出機構「自動車保険の概況」より)、また自賠責保険への加入は義務付けられていることから保険なしで車やバイクは利用できません。そのほかにも保険は、火災や自然災害、個人賠償への備え、近年では家族同然のペットへの万が一のリスクに備えるために広く利用されています。

誰もが利用している保険では、その説明に同じ読みの「ほしょう」に対して異なる3つの漢字が使われています。そこで、今回は、この3つの「ほしょう」にどのような意味の違いがあるかについて解説します。

第一章 保障・保証・補償の違いについて

保険で使用される「保障・保証・補償」は、同じ「ほしょう」の読みでも異なる漢字が当てられているのは、ちゃんとした違いがあるからです。そして、その意味の違いから主に「保障」は生命保険、「保証」は年金保険、「補償」は損害保険の用語として使い分けられています。なお、同じような意味に使われることもある「保障・保証・補償」ですが、明確な意味の違いがあるため混同して使うと意味がおかしくなります。

1.保障とは?

保障とは、「地位や財産、権利などが一定の状態で保護されること」あるいは「損害などによってその状態が変化したり、害を受けないように保護したりすること」を意味する熟語です。その意味の重要なポイントは、危険(リスク)や不安定な状態に対する「保護」です。そのため生命、社会生活、身の回りや国の安全、あるいは人権に対する危険(リスク)や不安定な状態に対して「保護」することは「生命保障」「社会保障」「安全保障」「人権保障」などの複合熟語として使われます。この意味から、かけがえのない「生命」を金銭的に保護する生命保険で主に使用されます。

2.保証とは?

保証とは、「あることやあるものに対して間違いがない、あるいは問題がないと無条件、無制限、あるいは一定の範囲で責任を負うこと」です。その意味の重要なポイントは、「責任」です。そのため製品の品質に責任を負う意味の「品質保証」、債務を返済することを請け負う「債務保証」「連帯保証」などの複合熟語として使われます。この意味から、最近は「保証」の信頼が崩れて問題になっていますが、国として老後の生活に必要な資金の一部を、責任を持って運用して給付する制度である年金保険で主に使用されます。

3.補償とは?

補償とは、「人的・物的・精神的などの損害・損失に対して金銭的に補填すること」です。その意味の重要なポイントは「補填」であり「与えた損害に対する償い」です。そのため「損失補償」「遺族補償」「事故補償」「国家補償」などの複合熟語として使われます。この意味から、主に発生した損害に対する金銭的な「補填」や「与えた損害に対する償い」の意味から損害保険で主に使用されます。

「保障・保証・補償」には意味の違いがあることを紹介しました。この用語の持つ意味からくる違いを理解しておくと保険でカバーされる内容をより深く理解できます。例えば、「保障期間」「保証期間」「補償期間」のような場合、紛らわしいですが「保障期間」は保護される期間を意味し、生命保険などで使われます。「保証期間」は、責任のある期間を意味し、メーカーなどが製品の購入者に対して使用します。「補償期間」は、損害への補填を意味し、損害保険などで使われます。

第二章 「保障」と「補償」が混在して使われている保険

上記で「保障・保証・補償」には意味の違いがあることを紹介し、「期間」には、3つの「ほしょう」が重複して使用されることを紹介しました。そこで、「期間」だけでなく「保障」「補償」の用語が混在して使われている保険の分野があることについて少し詳しく紹介します。

保険は大きく分けると、「第一分野保険」「第二分野保険」、および「第三分野保険」の3種類の保険があります。「第一分野保険」とは、生命保険会社が扱う生命に対する保障が目的の生命保険のことです。「第二分野保険」とは、損害保険会社が扱う「もの」や「人」に対する補償が目的の損害保険のことです。「第三分野保険」とは生命保険と損害保険の両方の会社が扱い、生命保険と損害保険の中間に位置する「医療保険」「がん保険」「介護保険」などのことです。

既に説明しましたが、生命保険では「保障」、損害保険では「補償」が使われます。しかし、第三分野保険に分類される保険では、同じ「医療保険」であっても生命保険会社が扱っている医療保険では「保障」が使われ、損害保険会社が扱う医療保険では「補償」が使われます。第三分野保険に属する「医療保険」「がん保険」「介護保険」などを検討するときは、「保障」または「補償」の意味の違いに注意しながら目的にあった保険を選ぶようにしましょう。

第三章 全国共済の保障について

全国共済は、主な保険として万が一のリスクに対し「保障」を目的としてニーズにあった保険を提供しています。

1.子どもに対する保障

名称(月の掛け金) 主な保障内容・保障額
 

こども1型
(1,000円)

病気・事故入院 5,000円/1日(1日目から360日目まで)
事故通院    2,000円/1日(1日目から90日目まで)
交通事故死亡  500万円
病気死亡    200万円

2.働き盛りの家庭に対する保障

2-1 入院と死亡バランスの取れた保障タイプ

名称(月の掛け金) 主な保障内容・保障額
 

総合保障2型
(2,000円)

事故入院 5,000円/1日(1日目から184日目まで)
病気入院 4,500円/1日(1日目から124日目まで)
事故通院 1,500円/1日(14日以上90日まで)
交通事故死亡 1,000万円
病気死亡 400万円

2-2 入院への手厚い保障タイプ

名称(月の掛け金) 主な保障内容・保障額
 

入院保障2型
(2,000円)

事故入院 1万円/1日(1日目から184日目まで)
病気入院 1万円/1日(1日目から124日目まで)
事故通院 1,500円/1日(14日以上90日まで)
病気・事故死亡 10万円

2-3 入院・死亡の両方への手厚い保障タイプ

名称(月の掛け金)

主な保障内容・保障額

 

総合保障2型+入院保障2型
(4,000円)

事故入院 1.5万円/1日(1日目から184日目まで)
病気入院 1.45万円/1日(1日目から124日目まで)
事故通院 3,000円/1日(14日以上90日まで)
交通事故死亡 1,010万円
病気死亡 410万円

3.特約保障(特定のリスクに対する保障の付加)

名称(月の掛け金) 主な保障内容・保障額
 

医療1型特約
(1,000円)

入院一時金 2万円(1回の入院につき)
所定の手術に対して 5万円・10万円・20万円
所定の先進医療に対して 1万円〜150万円
20日以上の継続入院後の在宅療養 4万円
疾病で所定の障害が生じたとき 100万円
 

新がん1型特約
(1,000円)

がんと診断されたとき 50万円
がんで入院 5,000円/1日(1日目から無制限)
がんで通院 2,500円/1日(1日目から60日目まで)
所定のがん手術に対して 5万円・10万円・20万円
所定のがん先進医療に対して 1万円〜150万円
 

 

新三大疾病1.2型特約
(1,200円)

がんと診断されたとき 50万円
心筋梗塞、脳卒中で入院 5,000円/1日(1日目から124日目まで)
がんで入院 5,000円/1日(1日目から無制限)
がんで通院 2,500円/1日(1日目から60日目まで)
所定の三大疾病手術に対して 5万円・10万円・20万円
所定の三大疾病の先進医療に対して 1万円〜150万円

4.家を災害から守る損害保障

4-1 新型火災共済

木造住宅 鉄筋コンクリート造住宅
住宅に対する掛け金 月払い49円/1坪

年払い560円/1年

月払い30円/1坪

年払い336円/1年

住宅に対する保障額 1坪あたり70万円

(最大保障額4,000万円)

1坪あたり70万円

(最大保障額4,000万円)

家財に対する掛け金 月払い280円/1人

年払い3,200円/1人

月払い168円/1人

年払い1,920円/1年

家財に対する保障額 1人あたり400万円まで

(最大保障額2,000万円)

1人あたり400万円まで

(最大保障額2,000万円)

4-2 地震特約

地震特約を付加した場合の掛け金と保障額は、例えば、新型火災共済で住宅+家財の保障額を3,000万円にしたとき、地震特約の掛け金は月払いで1,024円(=3,000×0.34125円)。保障額は450万円(=3,000×0.15万円)です。

まとめ

保険の説明に使われる3つの「保障・保証・補償」について、その違いを説明しました。保険を検討するときはこの3つの意味を考えながら目的にあった適切な保険を選ぶようにしましょう。第三章では、ご参考のために掛け金が安く、保障内容がシンプルで分かりやすい全国共済の主な保険も紹介しました。

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