雪対策は大丈夫ですか?家庭でもできる大雪対策

昨年(2017年から2018年)の冬は、北陸、関東甲信越地方から東北地方太平洋側の東日本を中心に大雪となり、多数の自動車、電車が長時間にわたって立ち往生したり、水道管の破裂による断水が起きたり、物流が混乱して店舗の商品が不足したりするなど市民生活に大きな影響が出ました。また、観測史上1位の最低気温や積雪量を北海道、東北、関東、北陸地方の各県で記録するなど寒さが厳しい年でした。

一方、2020年の冬は、株式会社ウェザーニューズによると暖冬傾向となる見通しです。ただし、2017年8月に発生した黒潮大蛇行が継続していることから、その影響で関東地方では降雪量が多くなる可能性があると発表しています(なお、予想は修正される可能性もあるため最新の情報に注意を払ってください)。このため昨年よりは大雪になる可能性は低そうですが、近年の気候は突然大きく変動することも多く大雪に見舞われるリスクも想定しておいたほうがよいでしょう。特に、都市部では大雪に慣れていないため思わぬ事故、災難に巻き込まれる可能性があります。そこで大雪に見舞われたときにどのような被害に遭うリスクがあり、どのように対策すれば、あるいはどのような知識があればリスクを回避できるかについて紹介します。

第一章 大雪がもたらすさまざまな被害について

1.大雪による被害の状況

大雪に見舞われることが少ない関東地方の都市部では大雪による被害の実態はあまり想像できないのではと思われます。過去にどの程度の人的・物的被害が出ているかについて紹介します。消防庁が公表している2017年11 月から2018年3月までの大雪による被害は次のとおりです。

人的被害は、死者 116人(前年65人)、重傷者624人(同337人)、軽傷者 915人(同499人)、住宅への被害は、全壊9棟(同1棟)、半壊18棟(同1棟)、一部破損326棟(同257棟)です。なお、凍結した路面での転倒や車のスリップ事故などによるもので救急車が出動しなかったケースではケガしていても軽傷者の人数に含まれていない可能性があるため実際の負傷者や物損被害はもっと多いと想定されます。消防庁は近年の人的被害(死亡者)は、特に屋根の雪下ろしなど除雪作業中が多く、犠牲者の約7割が65歳以上の高齢者であると注意を促しています。

2.大雪による被害の具体的な事例

国は大雪によってもたらされる被害を以下の5つに分けて注意を促しています。

  1. 除雪中の事故
  2. 雪道を車で運転中の事故
  3. 雪道を歩行中の事故
  4. 雪山などでのレジャー中の事故
  5. 雪崩による事故

雪国ではない都市部では、主に「2.車による雪道での事故」「3.歩行中の雪道での事故」についての知識を持ち、冬のレジャーに出かけるときや冬山に登るときには「4.雪のレジャーでの事故」「5.雪崩による事故」に関する知識を身に付けておくと、万が一のときに身を守れます。ここでは上記の5つの事故について紹介し、対策については第二章「大雪のさまざまな被害を防止する知識・心得・対策」で解説します。

2-1 除雪(雪かきや雪下ろし)中に起きやすい事故

よく起きるのは以下のような作業中の事故です。

  • 雪下ろし中に屋根から転落する
  • 屋根から落ちてくる雪の直撃を受ける
  • 雪を水路などへ流すときにそこに転落する
  • 除雪機を使用中に取り扱いを誤ってケガをする
  • 除雪作業中に心筋梗塞(こうそく)などを発症する

2-2 雪道を車で運転中に起きやすい事故

◆降雪時、降雪後の路面の凍結によるスリップ事故

降雪が1cm以上あった後、おおよそ24時間以内の時間帯、およびアイスバーン(氷のようになった路面)はスリップしやすいので注意が必要です。なお、冷え込む夜間や朝方や日陰などではアイスバーンであるにもかかわらず路面がぬれているように見えるので、特に注意が必要です(このような路面はブラックアイスバーンと呼ばれます)。また、車が発進や停止を繰り返すことで路面が非常に滑りやすくなる信号のある交差点、路面が凍っていなくても寒い日は凍結していることのある橋の上、日陰になることが多く寒い日には凍結していることが多いトンネルなどの出入り口などもスリップしやすいので危険です。

◆視程障害の発生による事故

視程障害とは、空気中の浮遊物によって光が散乱・吸収・反射され、目に届く光の量が減少することで視界が悪くなることです。地吹雪などで視界が真っ白になり、何も見えない状態になることはホワイトアウトと呼ばれます。雪による視程障害は雪の量、風の強さ、車高、交通量などさまざまな条件によってその程度は変わります。雪が降っていないときでも視界が悪くなることがあります。

2-3 雪道を歩行中に起きやすい事故

歩行中の事故は以下のような条件のときによく起こります。

  • 横断歩道の白線の上
  • 車が出入りする部分の路面(駐車場やガソリンスタンドへ車が出入りする道路など)
  • 人がよく通る路面(バスやタクシーの乗り場付近、交通量の多い道路など)
  • 坂道(上り坂よりも下り坂を歩くときはより転倒しやすいので注意)
  • 道路の融雪や凍結防止のため路面の温度を上げているロードヒーティングの切れ目(凍結している部分があるため注意)

2-4 雪山などでのレジャー中に起きやすい事故

レジャー中に起きやすい事故は以下のような条件のときによく起こります。

  • 厳しい気候や急激な気候変動に対して体調の管理、変化やトラブルに対応する装備の不十分による事故
  • スキーやスノーボード中の転倒、滑落、人や立木への衝突による事故
  • 立ち入り禁止区域へ入って迷い遭難する事故(携帯電話があっても通話できない可能性があります)

2-5 雪崩による事故

雪崩による事故は以下のような場所でよく起こります。

  • 傾斜角度30度以上、特に35~45度程度の急な斜面
  • 「落石注意」の標識が設置されている斜面
    上記の斜面のうち、高木が密生している斜面より低木の林やまばらに植生されている斜面は雪崩が発生しやすく、笹や草に覆われた斜面などは何もない裸の斜面よりも雪崩はよく発生します。

雪崩は以下のような条件のときによく起こります。

  • 気温が低く、かなりの積雪があるところに短期間で多量の降雪があったとき
  • 急な斜面のある尾根の風下がわにせり出した積雪ができたとき。このような積雪は雪庇(せっぴ)と呼ばれる
  • 急な斜面に雪が風で吹き寄せられ堆積した場所ができたとき
  • 0度以下の気温が続き、吹雪や強風のとき
  • 過去に雪崩が発生した斜面
  • 春先や降雨後、フェーン現象などによって気温が上昇したとき
  • 斜面に積雪の亀裂ができているとき

第二章 大雪のさまざまな被害を防止する知識・心得・対策

前述の大雪による被害別に家庭でもできる被害防止のための知識・心得・対策について紹介します。

1.除雪(雪かきや雪下ろし)中に起きやすい事故

以下のことを守ることで安全に除雪できます。

  • 作業時には不測の事態に対して迅速な対応が取れるように家族、となり近所にも声をかけて、さらに2人以上で作業を行う
  • 事故のなかで死亡など重大な事故につながる屋根などの高所からの落下に備えて、建物のまわりに雪を残して雪下ろしを行う
  • 晴れの日には作業にあたって油断が生じやすいが、屋根の雪がゆるんでいることもあって危険なため、十分に注意する
  • 屋根からの転落事故の約3割が、はしごからの落下というデータがあり、はしごから屋根への移動時には、必ずはしごをしっかり固定する
  • 除雪機の雪による詰まりを取り除くときは必ずエンジンを切る、および機械に巻き込まれにくい服装で作業を行う
  • 低い屋根の雪下ろしでも危険なため油断しないで作業を行う。転落による死亡の約6割が1階の屋根からというデータがある
  • 作業開始直後と疲れたころは事故が起きやすいので特に慎重に作業を行う
  • 面倒でも命綱とヘルメットを着用する
  • 命綱、除雪機など用具はこまめに手入れや点検をしておく
  • 万が一に備えて携帯電話を持って作業を行う

2.雪道を車で運転中に起きやすい事故

以下のポイントを守ることで安全に走行できます。

2-1 凍結路面での運転のポイント

坂道走行ではあらかじめ適切なギヤにシフトダウンして、アクセルを一定にして走行。急ブレーキやシフトダウンを行うとふらついたり、スピンしたりします。下り坂の走行ではエンジンブレーキを最大限に使って走行。カーブしている道路ではカーブの手前で十分に減速して、坂道と同様にカーブ中は控えめな速度を一定に保ち走行します。いずれの場合も急ブレーキをかけるとタイヤがロックして走行を制御できなくなるため、速度を控えめにして、ブレーキは早めにゆっくり踏み込んでゆっくりと止まるようにしないと危険です。最近の車にはABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が装着されていますが、それに頼りすぎない走行を心がけることで安全な走行ができます。

2-2 視界が悪いときの運転のポイント

吹雪など視界の悪いときは昼間でもライトを点灯し、スピードを落とし、車間距離を十分に取って走行します。大型車とすれ違うときや後を走行するときは大型車が巻き上げる雪煙で視界が悪くなることを想定してワイパーを早めに作動させて走行すると安全です。また、ヘッドライトやテールランプ、ワイパーに付いた雪で性能が落ちると危険なため、安全な所でタイミングを見て落とすと視界の悪化を防止するとともに相手の車に自分の車の存在を知らせられます。

また、最悪の事態を想定して、タイヤチェーン・ジャッキ・牽引用ロープ・工具・ブースターケーブルなど必要な道具や防寒具・雨具・長靴・作業用衣類・手袋・軍手・タオル・着替え・毛布・使い捨てカイロ・冬の道用のスペアタイヤ・滑り止め用の砂・除雪用ブラシ・停止表示板・発煙筒・スコップ・非常用の水・食料・目立つ色の布の旗・懐中電灯・ラジオを用意しましょう。

3.雪道を歩行中に起きやすい事故

以下のポイントを守ることで安全に歩行できます。

転倒を避けるポイントは歩幅を小さく、体の重心が少し前に来るように前かがみで靴の裏全体を路面に付けてゆっくり歩きます。また、靴は滑りにくい靴底を選び、必要に応じて、つえを持ったり、滑りを防止できる着脱が可能な「靴用アタッチメント」など使用すると安全に歩行できます。

4.雪山などでのレジャー中に起きやすい事故

以下のポイントを守ることで雪山でのレジャーを安全に楽しめます。

ウインタースポーツを楽しむときは、いきなり激しい運動をしないで体力や自分の運動能力に合わせて体を慣らしながら行います。また、山の天気は変わりやすいので事前に天気予報を確認し、危ないと思えるときは早めに切り上げて安全な場所に移動することが必要です。スキーやスノーボードなどを楽しむときは、自分の能力以上の無理な滑りは事故に直結します。

5.雪崩による事故

雪崩による事故を防止するには、第一章「2-5 雪崩による事故」で紹介しました「雪崩が起きやすい場所・条件」を熟知して危険な場所や条件のときに注意をしてそのような場所に立ち入らないようにします。しかし、気を付けていても雪崩は突然発生することがあります。雪崩に遭うことや遭難を想定して電波発信機(ビーコン)を所持しておきます。携帯電話は通じない場所にありますが、予備のバッテリーとともに持っていくと使用できるときに危険な状態を通報できます。また、冬山登山では経験者とともに行動するなど、できるだけ単独行動を避けてグループで行動します。さらに、万が一に備えて冬山登山に必要な知識やスキルを身につけてから楽しむようにすることが必要です。

第三章 万が一に備えて「火災共済」「生命共済」へ加入

都市部では大雪による住宅の被害は起きにくいかもしれません。しかし、近年の気候は極端に寒かったり、暑かったりするため雪による被害に遭う可能性はゼロではありません。全国共済の新型火災共済に加入しておくと雪害の被害に対する保障も受けられます。また、火災や大雪による被害以外にも風水害、特約への加入で地震など幅広い被害に対して保障を受けられるため加入しておくと万が一のときに安心です。

人的被害は予防策を講じても完全に防止することは困難です。万が一に備えて全国共済の「生命共済」へ加入しておくと合理的な掛け金で幅広いケガや病気のときに保障を受けられます。火災共済生命共済への加入をおすすめします。

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