お子様の熱中症対策は万全ですか?猛暑に備える子どもの熱中症対策
地球温暖化のためか夏は年々暑さが厳しくなって夏熱中症になる人が増えています。熱中症は重症化すると命の危険もあり、熱中症にならないように注意しないといけません。特に、子どもは熱中症になるリスクが高いので熱中症にならないようにするために症状や予防策について紹介します。
第一章 熱中症の猛威
消防庁のデータによると2018年5月から9月の救急車による熱中症の全国搬送人数は95,137人で2017年の同期間の52,984人と比較すると約1.8倍も多い人数でした。2018年は、埼玉県熊谷市で観測史上最高の気温41.1度を観測したほか、各地で最高気温を記録し、ここ数年のなかでも極めて暑い年であったことから熱中症患者が大幅に増加しました。気象庁は、2019年2月に今年の夏の気温は沖縄・奄美地方を除き平年並み、沖縄・奄美は平年並みか、高い見込みと予想しています。
しかし、近年(2012年以降)気象庁のアメダス観測地点数が真夏日の30度をこえる地点数が400カ所以上になるのは、2014年の6月1日を除きすべて7月に入ってからですが、今年は5月25日に425カ所で30度をこえました。また、地域は離れていますが、ヨーロッパではフランスで6月28日、同国の観測史上で最高の45.9度を記録したほか、各国が異例の猛暑に見舞われていると報道されており、日本も熱中症に今年も十分に注意する必要があります。
第二章 熱中症の症状と症状の重さ別の対策
熱中症は、気温や湿度の高い場所に長時間いたり、水分の補給が不足したりすることで体温調節機能が正常に働かなくなって、さまざまな症状が起きる病気です。軽い症状で済む場合もありますが、適切な対応をしないと命に関わる場合があります。そのため熱中症の症状を知っておくことは適切な対応が早くできるのでとても重要です。軽症から重症までの症状を日本救急医学会は、軽い症状からI度、II度、III度の3段階に分けており、それに沿って症状を紹介します。
1.I度(軽度)の症状
- 現場にて対応可能な病態
- 大量の汗が出る(汗が出てもよい環境でまったく出ないこともある)
- 体がだるい
- 立ちくらみが起きる
- 頭痛、めまい、吐き気などが起きる
- 呼吸や脈が速くなる
- くちびる、足、腕、腹などの筋肉に痛みを伴うしびれやけいれんが起こる
最初は軽症でも、何も対処しないで放置すると、あっという間に重症化することがあり注意が必要です。何かおかしいと思えるI度(軽度)の段階では、すぐに風がよく通る日陰やエアコンの効いた室内など涼しいところで横になるなどして体を休め、冷たい水分(塩水やスポーツドリンクなど)をとり、熱が下がるまで様子をみることが大切です。休むときは、衣類の襟元をゆるめ、できるだけ脱いで、氷で首筋やわきの下、足の付け根、足首など動脈が通っている部分を冷やすと効果的です。
2.II度(中度)
- 速やかに医療機関への受診が必要な病態
- 上記の頭痛・気分の不快・吐き気・おう吐・けん怠感・虚脱感の症状などが一段とひどくなり、体に力が入らなくなってぐったりする
上記の様子をみても回復しないとき、あるいは自分で水分・塩分をとれない場合は、すぐに病院にいくか、救急車を呼びます。なお、「吐き気」や「おう吐」があるときは、口から水分をとらせることは適切でありません。医療機関での点滴などの処置が必要です。
3.III度(重度)
- 採血、医療者による判断により入院が必要な病態
- さらに症状が重くなって40度以上の高熱、呼びかけや刺激の反応が通常ではない、ひどいひきつけやけいれん、意識障害、異常行動が起きる
この段階では、さまざまな内蔵に障害が出て、命を落とす可能性もある危険な状態です。直ちに救急車で病院へ搬送します。なお、「呼びかけや刺激に対する反応が通常ではない」「意識障害があって応答ができない」などのときには、水分を無理に飲ませることは危険です。この状態では水が気道に流れ込む可能性があるので医療機関での点滴などの処置が必要です。
第三章 お子様の熱中症予防
熱中症の対策・予防法、および子どもに対して特に気を付けなければならないことについて紹介します。
1.熱中症の対策と予防法
熱中症は、誰でも気候などの条件次第でかかる危険性があります。特に子どもは、遊びに夢中になったり、体温の調節機能がまだ十分に発達していなかったり、体が小さいことから急激に体温が上昇したりするので熱中症の症状が出る危険性が高く注意が必要です。そのため、日頃から熱中症になりにくいようにしておくことが大切です。
1-1 暑さに負けない体づくり
熱中症にならないためには、まず暑さに負けない体を作ることが大切です。子どもは体力が有り余っているかとは思いますが、受験生などあまり運動しない場合、気温が上がり始める初夏の頃から適度な運動を毎日、または定期的に行い、あわせてバランスのとれた食事、十分な睡眠を規則正しくとるようにします。
1-2 暑さ対策
1-2-1 室内
- 室温をチェックして扇風機やエアコン、遮光カーテン、すだれ、打ち水をして室温を下げる
1-2-2 戸外(外出時)
- 帽子の着用や日傘を利用する
- できるだけ日陰にいる
- 日陰がないところに長くいたら日陰など涼しいところで休憩をとる
- 通気性がよく、吸水性・速乾性のある衣服を着用する
1-2-3 暑さ・熱中症にならない準備
- 飲み水(スポーツドリンクや経口補水液)を携帯して喉が渇いていなくても水分をとる
- 冷却シート、冷却スプレーなど冷却グッズを携帯する
- 事前に「環境省熱中症予防情報サイト 」が熱中症の危険性を示す指数「暑さ指数(WGBT:湿球黒球温度)」を確認したり、熱中症指数計を携帯したりして熱中症のリスクを事前に把握する
2.子どもに対する熱中症対策の注意点
2-1 乳幼児に対して
- 定期的な水分補給をして水分不足に注意
乳幼児は、新陳代謝が活発で汗や尿として体から出ていく水分が多く脱水を起こしやすいため水分を多く含む食事や、定期的に水分補給をさせます
- 体温が上がり過ぎないよう服装や地面からの熱に注意
乳幼児は、自律神経の働きが弱く放熱や発汗による体温調節がうまくできないので、熱のこもらない通気性と吸水性がよい素材や薄い色の衣服を選んだり、遮光性のある帽子などを身につけたりさせます。また、乳幼児は背が低く、あるいはベビーカーなどに乗っていることで気温の高い地面に近いのでより暑さに対する注意が必要です。
- 大人の都合で暑い環境に置き去りにすることに注意
車のなかで乳幼児が熱中症で亡くなる事故が起きています。乳幼児は、危険を感じる能力が弱く、また自力での移動が簡単にできません。大人の都合で、「少しの時間だから」「室内だから」「寝ているので起こしたくないから」と勝手な都合・理由で放置することは非常に危険です。特に車内への置き去りは室内の温度が高温になるので絶対にしてはいけません。
- 子どもは自ら暑さや体の不調を訴えられないので注意
乳幼児は、暑さや体の不調を適切に十分に訴えられません。水分を取らせているので大丈夫と過信しないで、体温、顔色、泣き方など乳幼児の様子をよく観察して手遅れにならないように注意する必要があります。また、乳幼児は遊びに夢中になるので、元気に遊んでいるなと思っても休憩や水分を十分にとらせましょう。
2-2 児童・中高生に対して
児童・中高生は、ある程度自主的に水分を補給したり、休憩を取ったり、体の不調を訴えられます。しかし、団体行動だと我慢をして無理をしたり、スポーツや遊びに夢中になっていたりすると水分補給や休憩が不足して熱中症になる可能性があります。
2-2-1 熱中症の怖さを理解してもらう
まず、熱中症の怖さを理解してもらい、熱中症にならないように十分な水分補給、適度な休憩が必要なことを認識させることが最も重要です。それによって、暑い環境でのスポーツやスポーツの応援、あるいは遊びなどによる熱中症になるリスクを避けられます。また、体力を使う激しいスポーツや暑い場所で行う遊びだけでなく、室内で行うスポーツ、文化活動でも環境次第では熱中症になるリスクがあることを理解させることも必要です。
2-2-2 予防策を怠らないように児童・中高生をサポートする
暑さの感じ方、熱中症の発症には個人差があり、また、熱中症にはその日の体調や暑さに対する慣れなどが影響します。そのため周囲の大人(両親、教師、指導者など)は、過去はこの程度の気温では大丈夫だったから、あるいは他の児童・中高生は大丈夫だからと考えず、1人ひとりの体調の変化を見落とさないで危ないと感じたら、すぐに水分を補給させたり、休憩させたりすることが重要です。
第四章 万が一に備えて共済への加入がオススメ
夏のシーズンには注意が必要な熱中症の症状や予防策を特に熱中症に注意が必要な子どもを中心に紹介しました。軽度な熱中症は、水分補給や涼しい場所での休憩、あるいは体を十分に冷やすことで回復できますが、中度以上の熱中症になるリスクもあり、その場合は医療機関での治療が必要になります。子どもの万が一に備えるには、全国共済には子どもへの保障が充実した月額1,000円の掛け金で可能な「こども1型」があり、加入しておくと安心できます。
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