火災保険と地震保険、火災共済の違いをご存じですか?

損害保険と生命保険の違いを確認しよう

損害保険はモノに対する保険、生命保険はヒトに対する保険です。損害保険の「補償」と生命保険の「保障」には、大きな考え方の違いがあります。損害保険は、「実損填補(じっそんてんぽ)」と言って、「実際の損害額の範囲で、保険金を受け取れる」という仕組みになっています。対象の建物を建て直すために必要な費用が2,000万円の場合、「多めに保険金が下りると安心だから3,000万円入っておこう」ということはできません。

理由は、実際の損害額以上に保険金を受け取れるようにしてしまうと、自分の自動車や家を故意に壊してしまう人が次々と出てきてしまい、保険会社は保険金支払いが増えすぎて潰れてしまいます。「事故を起こして保険金を受け取れたほうが得をする」などということは、モラル的にもあってはならないことです。そのため、損害保険は、実際に壊れたものを修理したり、再度購入(再調達)したりするための金額が、加入できる補償額上限となっています。

火災保険は何故必要?

火災保険は損害保険の一種で、火災やその他の災害によって、住まいや家財が損害を受けた場合に補償をしてくれる保険です。近所の家から発生した火災で自分の家が全焼しても、実は被害を賠償してもらうことはできません。「失火責任法」という法律があり、失火が重過失(てんぷら油を火にかけたまま長時間台所を離れることや寝たばこ等のひどい不注意)の場合以外は、火災により他の人に損害を与えても、損害賠償の責任を負わなくてもよいとされています。そのため、自分の家が火災にあった場合の補償を確保するためには、各人が火災保険に加入する必要があります。

地震保険とは

一方、地震保険は火災保険とセットで加入できますが、内容は全く別の保険です。補償額は火災保険の半額が上限ですが、その補償額で火災保険以上の保険料になることもあります。そのため、地震保険の保険料は高いと思われる方も多いのですが、そもそもこれだけ地震が頻発する日本では、保険料支払いリスクが高すぎて、保険商品として成り立たせることができません。そこで、一定以上の保険金支払いが発生した場合には、政府が一部を再保険の形で負担するという仕組みになりました。地震大国日本において、地震に被災した方の生活再建を支援するために創られた、政府と民間損害保険会社共同運営の保険なのです。そのため、保険料はどの保険会社で加入しても一律となっています。

地震保険は、「地震・噴火・津波を直接または間接の原因とする火災・損壊・埋没・流失による損害」を補償してくれます。FP相談でお客様と火災保険のお話をしているときに、「地震の直後火事になったら火災保険金がもらえる」と間違った理解をされている方が時々いらっしゃいます。地震発生後すぐに、火災やもらい火で家が燃えてしまった場合は、火災保険の補償対象外で、地震保険に入っていないと保険金は受け取れませんのでご注意ください。

火災保険と火災共済の違い

火災保険とよく似たものに火災共済というものがあります。火災保険は民間損害保険会社の保険商品ですが、火災共済は、非営利団体が行っている共済事業です。用語も違いがあり、火災保険は「保険金」「保険料」という言葉を使いますが、火災共済では「共済金」「掛金」となります。また、火災共済には、地震保険にあたる保障として、地震共済金があります。

①保険料(掛金)の違い

建物価格に対する保険料(掛金)を比べると、火災保険より火災共済はかなり割安感があります。更に火災共済には割戻金といって、集めた掛け金から支払いをした後に剰余金を、加入者に毎年還元してくれます。保険料の安さという点では、共済のほうに軍配が上がります。

②補償の違い

火災共済の主な保障対象は、「火災」「破裂・爆発」「落雷」「他人の住居からの水もれ」「建物外部からの物体の落下・飛来」となっています。これに対し、火災保険では前述の補償に加え、一般的な基本補償として「風災」「ひょう災」「雪災」「水災」等がカバーされます。火災保険のほうが、補償対象が広くなっています。ただし、火災共済も「風災」「ひょう災」「雪災」「水災」に関しては、見舞共済金(都道府県民共済なら最高600万円まで)が受け取れますので、共済でも一定の備えはカバーできると言えます。

自然災害や床上浸水のリスクが高いエリアにお住みの方は、火災保険で補償内容を厚くしておくべきか検討してみましょう。

③プランの違い

火災保険は損害保険会社と契約者との間の契約になりますので、いわばオーダーメイドで補償の種類を追加することができます(補償の種類を増やすと保険料は上がります)。一方、火災共済は、基本的な保障をパッケージしたシンプルな設計で、掛け金を安く抑えています。

④地震保険の違い

火災保険に加入する場合にセットで地震保険に加入できます。地震保険は、火災保険の保険金額の30%から50%に相当する額の範囲内で加入できます。一方、火災共済に地震保険をセットで加入することはできません。その代わりに火災共済独自の地震共済金の保障があります。都道府県民共済の場合で、地震共済金は火災共済保障額の5%です。更に特約でつけられる地震特約共済金15%を合わせると、20%までの保障を確保できます。

まとめ

火災保険と言っても、火災以外に様々な被害に対する補償内容が用意されていますので、どのような種類の損害で、いくらの補償や見舞金を受け取れるのかを理解して加入しましょう。保険料が上がったとしても、火災以外にもいろいろな特約をチョイスして付けたい場合と、特に「水災」「地震」をできるだけ手厚くしたい方は、民間損害保険会社の火災保険を検討するとよいでしょう。一方、シンプルに火災の保障をなるべく安い掛金で準備したい方であれば、掛金の割安な火災共済は、検討に値すると言えます。希望の補償範囲や保険料予算に合わせて、火災保険にするか共済保険にするかを検討いただければと思います。

 

筆者プロフィール
家計の窓口 代表
ファイナンシャル・プランナー
ゆりもと ひろみ
大阪出身。1995年神戸大学理学部地球科学科卒業。
出産を機にマネープランの必要性を痛感し、FP(ファイナンシャル・プランナー)となる。
一男一女の子育てをしながら、開業以来1,200件以上のFP相談を受ける。 資産運用・家計管理・住宅購入・保険見直しなど幅広いマネー相談に精通し、働くママとして奮闘する経験を生かした、親身なアドバイスが好評。
2013年、FP開業10周年を節目に、日本初の本格的女性FP養成機関株式会社FPフローリストを設立。
後進の育成と良質のFPサービスの普及に尽力している。

 


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