冬場だからこそ注意したい火災の基礎知識

冬には、火災が増える条件が重なって火災が多く発生しています。特に住宅火災は、家族の生活の重要な拠点であり、精神的なよりどころでもある住宅が最悪の場合、焼失してしまいます。火災が発生すれば命の危険があるほか、経済的な損失が大きくなるうえに過去の大切な思い出までも失われて精神的にも大きなダメージを受けて生活の再建が困難になることも考えられます。怖い火災を予防するには、火災の原因と火災予防の対策を知ることが重要です。

第一章 冬場に起こる火災の原因

1.冬に火災が多い理由

冬に火災が多いのは、火気を扱う機会や時間が増えることに加えて空気が乾燥し火災が発生しやすくなることが原因と考えられます。特に、年末年始は火気を扱う機会が多くなり、家を留守にすることも多く、暖房器具を消し忘れるとカーテンや洗濯物などの燃えやすいものに火が触れて火災が起こる可能性が高まります。

また、近年各地で地震や風水害の発生が多くなっています。冬に大きな地震や風水害が発生すると火災が起きる可能性が高くなります。それは大きな地震や風水害などで停電が発生し、停電が復旧すると冬は多くの暖房器具を使っているため、それが原因の火災が発生します。この火災は通電火災と呼ばれ、阪神・淡路大震災で原因が特定された建物火災の約6割が通電火災であったことから注目され、冬には通電火災への注意が必要といわれています。

2.通電火災とは

通電火災とは大きな地震や風水害などによって発電所の設備や送電線に被害が出るなどの原因で停電が発生し、その後停電が復旧し電気が使えるようになって、電気を使用する暖房器具や破損した配線コードなどに電気が流れることで発生する火災のことです。

特に地震のときは電気器具が倒れたり、電気器具の近くや上に家具や衣類など燃えやすいものが散乱したりして火災が起きやすくなります。また、このときガスが漏れていると通電で発火する可能性もあります。冬は電気器具を使っていることが多く通電火災が起きる可能性が高まります。大きな地震では住宅の損壊や倒壊、あるいは土砂崩れなどの危険性から住民が避難して誰もいなくなったところで起きることが多く初期の消火対応ができません。また、消防署も道路の損壊などで十分な消火活動ができません。そのため住宅が全焼することも多く思い出の品が消失してしまうなど全壊以上の大きな被害を受けてしまいます。

通電火災の原因になる電気器具は熱を多く使用する以下のような製品です。

  • こたつ
  • 電気ストーブ
  • ヘアドライヤー
  • 白熱電球を使用したスタンド
  • 電子レンジ
  • オーブントースター
  • タコ足配線されている電気器具 など

3.冬に起きやすい意外な出火原因

3-1 太陽光で火災

学校で虫眼鏡を使って太陽の光を一点に集め、紙が焦げて煙が出ることを確認したことがあるかと思います。そのまま継続すると紙は燃えだします。日常生活でも同じようなことが意図しなくても偶然の結果として起こり、火災になることがあります。例えば、水の入ったペットボトルやガラスの花瓶、鏡などに太陽光があたり、それが虫眼鏡のような働きをすると光が一点(焦点)に集まって、たまたまそこに燃えやすいものがあると発火する可能性があります。すべてのペットボトルやその他のものが虫眼鏡の働きをするわけではありませんが、条件が揃うと火災が発生します。これが原因で現実に火災が起きた事実があります。冬は夏などの季節よりも太陽の高度が低く部屋の奥まで光が届きやすく、よりいろいろなものに太陽光があたって火災のリスクが高まります。

3-2 コンセントにたまったホコリで火災

多くの家庭に電気器具があふれ、コンセントには多数の電気器具が接続されたままになっています。コンセントとプラグの間にすき間があると、そこにホコリがたまります。そのホコリが湿気を帯びると発火する可能性があります。この現象はトラッキング現象と呼ばれ、冬の季節は、他の季節よりも結露が起きやすいので、発火して火災に至る可能性が高くなります。特に家具や大型の電気器具の後ろに隠れているコンセントは気が付きにくく、ホコリもたまりやすいので注意が必要です。

第二章 実は火災が一番多いのは冬ではない?

冬に火災が多いことは火気を使うことが多いので実感として納得できます。しかし、実は冬の季節(12月から2月)も火災は確かに多いのですが、さらに春の季節(3月から5月)のほうがわずかですが火災は多く発生しています。

1.2018年度の総火災発生件数

消防庁のデータによると2018年の火災の総発生件数は年間で3万7,981件(月平均3,165件)です。

冬の季節の3カ月間は1万399件(27.4%、月平均3,466件)。
春の季節の3カ月間は1万1,022件(29.0%、月平均3,674件)。
単月では、3月が4,198件(11.1%)と最も多く、最も少ない月は9月の2,003件(5.3%)。

2.春に火災が多い理由

春に火災が多いのは、冬は主に太平洋側で空気が乾燥しますが、春は大陸から乾いた空気が入ることや気温の上昇とともに湿度が下がることで全国的に空気が乾燥しやすくなること。まだまだ寒い日もあるため暖房器具を使う家庭が地域によって多いこと。および、気候的に強い南風が吹くことが多いことからだと考えられます。

第三章 火災の予防策

冬に起こりやすい火災の予防策

1. 石油ストーブなどの暖房器具やガスコンロなどによる火災の予防対策

日本では電気器具の安全性に配慮が払われており、過熱防止装置などが付いて安全性は増していますが、故障する可能性もあり十分な注意が必要です。

  • 石油ストーブは購入時と給油時に灯油とガソリンを間違えない
  • 石油ストーブへの給油時はスイッチを切った状態で行い、給油タンクから灯油がこぼれないように注意する
  • 石油ストーブは使用開始前に事前点検をし、故障のないことを確認、および古い灯油が入ったままのときはその灯油は廃棄する
  • 暖房器具やガスコンロにカーテン、衣類、紙類などが触れないように注意する
  • 長時間にわたって使用中の暖房器具や調理しているときのガスコンロのそばを離れるときはスイッチを切る。特に子どもだけを残して離れるときは注意する
  • 就寝時に石油や電気ストーブを使っているときはエアコンや湯たんぽなど、別の暖房器具に切り替える
  • 火気の使用中、そのそばで可燃性の化粧品、塗料、殺虫剤、接着剤などは使用しない

2. 停電からの復旧時の通電による火災の予防対策

  • 使用中の電気器具のスイッチを切り、コンセントを抜く
  • 石油ストーブの火が消えているかを確認する
  • 避難するときは分電盤(ブレーカー)のスイッチをオフにする
  • 住宅に居住していて停電が復旧するときは電気器具を使用する前に配線器具やガス漏れの安全確認をする

なお、震度5強以上の地震を感知すると自動でブレーカーのスイッチをオフにする「感震ブレーカーアダプター」が販売されています。ほとんどの分電盤に使用でき、取付工事も不要でばねを利用し電池を使わない製品もあります。地震発生時には気が動転してスイッチのオフを忘れる可能性が高く、また高齢者のみの家庭ではブレーカーのスイッチをオフにすることが困難な場合もあるので便利です。

地震後の対策や感震ブレーカーについては以下のサイトが参考になります。

3. トラッキング現象による火災の予防対策

  • 使っていない電気器具のプラグはコンセントから抜いておく
  • プラグはコンセントに根元までさし込む
  • コンセントの周辺を常に掃除して清潔にしておく
  • 長期間挿しっぱなしのプラグは時々抜いて掃除する
  • 目の届かない、掃除のできない場所のコンセントはなるべく使わない
  • たこ足配線を止める

4. 一般的な火災の予防対策

消防庁は、前述した対策も含め、また火災発生そのものの予防ではありませんが、火災の拡大防止や火災によるケガや生命を守るために必要なことを「住宅防火 いのちを守る 7つのポイント」にまとめて以下の「3つの習慣・4つの対策」を提唱しています。

3つの習慣

  1. 寝たばこは、絶対やめる
  2. ストーブは、燃えやすいものから離れた位置で使用する
  3. ガスコンロなどのそばを離れるときは、必ず火を消す

4つの対策

  1. 逃げ遅れを防ぐために、住宅用火災警報器を設置する
  2. 寝具、衣類およびカーテンからの火災を防ぐために、防炎品を使用する
  3. 火災を小さいうちに消すために、住宅用消火器などを設置する
  4. お年寄りや体の不自由な人を守るために、隣近所の協力体制をつくる

総合的な防火対策については、一般財団法人 日本防火・防災協会の「火災から命を守る(住宅防火読本)」が参考になります。こちらのサイトでは、人と火災の被害を最小限にすることの紹介(火災警報器や消火器について詳しく解説)や、すでに紹介してきました火災の対策の内容も広く網羅されています。

第四章 まとめ

火災は予防策を講じても完全に防ぐことは困難です。また、近隣で起きた火災によって延焼被害を受ける可能性もあります。住宅は生きていくための重要な生活拠点です。生活の基盤である住宅の再建に不安なくできるだけ早く復旧できるように全国共済の火災共済に加入しておくことをおすすめします。火災共済は古い住宅であっても加入した共済の保障の範囲内で新築、および家具や電気器具を新調できる共済金が支払われます。

全国共済への加入をお考えの方は、まずは資料請求からいかがでしょうか?
こちらから全国共済への資料請求ができますので、ぜひお役立てください。