共済(火災共済)と火災保険の違いとは?

2017年10月30日

持ち家や賃貸物件には火災保険の加入が必須です。
お手持ちの保険証書には「火災共済」や「火災保険」などという記述があるはずです。
では、「火災共済(共済)」と一般的な「火災保険」は何が異なるのでしょうか。

 

共済の特徴を知ろう

そもそも「共済」という言葉をさかのぼると、「相互扶助(互いに助け合う)」という意味にあたります。人道的観点での助け合いや、お金を出し合う助け合いがこれにあたります。

共済の場合、共済組合に加入した組合員が、それぞれの家計から一定の費用を「共済掛金」として拠出します。
共済掛金は組合員全体の協同の財産となります。
組合員が被った万一に対し、経済的な損失を補てんするために共済掛金から「共済金」を支払い、生活を保障する仕組みが「共済」です。

 

営利目的ではありません

「共済」は、組合員同士の相互事業であることが柱となっています。
共済掛金を拠出する組合員に対する奉仕・還元が基本です。

共済掛金に対する配当を与えるための利益追求と言った営利目的はなく、あくまでも掛金の中で保険事業が運営されています。
事故や火災保険金請求や払い出しが少なく、共済掛金に余剰が生まれた場合は、組合員に均等に還元する仕組みも整っています。

 

まとめると、「たすけあい」のしくみが共済です

組合員同士でつくり上げたコミュニティ内で、困っている一人をコミュニティ全体で助け合う仕組みです。
たすけあいのための保険であるとイメージすると、「共済」の意味がわかりやすくなります。

 

損害保険の特徴を知ろう

損害保険は、事故・火災・盗難など偶然に生じた損害を補てんするための保険です。
損害保険の場合は、損害の程度を評価し、その評価額に応じて保険金の支払いが変わる「実損払い」を導入しています。

火災や事故に対し、その損害評価を算定します。
契約した損害保険の補償条件や損害の程度(評価)に応じて保険金を支払う仕組みです。

 

損害保険会社は営利を求めます

顧客から損害保険料を受取り、その保険料で有価証券を購入するほか、貸付金として運用することが損害保険会社の経営目的の一つとも言えます。
保険料を資産として運用し、得られた配当金や利息、売却益などは会社の利益として取り扱われます。

 

利益を追求しながら、損害保険事業を行います

損害保険の場合は、手厚い補償を行う代わり大きな掛金が求められます。
共済と異なり、契約者(顧客)としての扱いとなるため、余剰金が生じても顧客に対する配当金を支払う事はありません。
損害保険事業をメインとしていますが、余剰となった掛金で資産運用を行うことで会社の利益を高めていきます。

 

火災共済と火災保険の違いはどこ?

先に共済と損害保険について説明しました。
ここからは、「火災」にあった場合に家屋に適用される二つの保険の違いについてまとめました。

 

火災共済とは

共済商品の一つです。
建物や建物の中にある動産(家具・家電などの家財道具)が火災によって損害を被った場合の補償を行います。

火災の他、落雷による被害や、破裂・爆発などによって建物に生じた被害がフォローされます。共済の場合、満期を迎えても満期共済金が発生しない掛け捨て型の保険となります。

火災共済の場合、台風や風水害によって生じた建物の損害は補償対象外となります。あくまでも火災によって生じた損害にのみ適用される保険ととらえましょう。

 

火災保険とは

火災保険は、火災によって被害を受けた建物全般とその建物の中にある家具等の家財道具(動産)を補償する保険です。

補償内容は火災のほか、落雷によって被った建物や家電等の被害や、風水害による瓦の損傷・床下浸水というような自然災害による被害、なんらの原因で生じた水漏れや盗難被害など日常に起こりうる事故も補償されます。
幅広い補償が得られる火災保険ですが、補償範囲は提供する損害保険会社や加入商品によって異なるため、加入時には補償範囲の確認が必要となります。
こちらの保険も満期金が発生しない掛け捨てタイプの保険となります。

 

火災共済と火災保険の範囲の違いはここ

火災共済と火災保険の違いは「運営元」と「補償範囲の違い」にあると言えます。

火災共済は非営利団体である「共済組合」や「協同組合」が運営する保険です。
組合員のみが契約できる保険ということも違いといえるでしょう。

一方、火災保険は利潤を追求する「損害保険会社」が運営しています。
条件を満たせば顧客として保険契約することが可能です。

この運営元の違いが補償に対する条件や、保険商品の考え方を分ける一つの目安となります。

また、補償範囲も異なります。
火災共済は、火災または落雷・破裂や爆発によって生じた被害のみに限定していますが、火災保険は、これらの被害にプラスして、盗難や風水害、騒じょうなどの事故による建物の被害もカバー可能です。

これらの違いにより、保険料も大きく異なります。
わずかな掛金で済む火災共済に対し、火災保険は年間保険料が大きいため、家計に負担がかかることもあります。

 

まとめ

火災共済と火災保険には大きな違いがあることが分かりました。
掛金・保険料のみで比較することは若干のリスクも考えられます。
住宅の価値を踏まえることや、事故のリスクを受けやすい環境にあるか、手厚い保障が得られるかを考慮して加入すべき保険を選びましょう。

 

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