うつ病を患っていても保険や共済に加入できる?合わせて知っておきたい公的保障

2020年12月19日

うつ病は、「心のカゼ」と呼ばれますが、それほど誰もがかかる可能性のある病気です。しかも、うつ病の症状はカゼと比較できないほど辛くて、毎日の生活に大きな悪影響を与えます。WHO(世界保健機構) は、うつ病になる可能性の高さ、症状の続く期間の長さと重さから、生活の質を落とす原因の第1位にうつ病をランクしています。薬による治療で完治が困難な病気であることから、治療が長期間にわたり医療費の負担が非常に大きくなる可能性のある病気です。

このようなうつ病を含む精神疾患(心の病気)になると、保険や共済に加入できない可能性が高くなります。そこで、うつ病発症後の保険・共済への加入の難しさと加入しやすい保険の紹介、およびうつ病になったときに受けられる公的保障について紹介します。

第一章 うつ病発症後に保険に加入するのは難しい?

うつ病発症後に保険に加入する難しさは、新規に保険に加入する場合と、加入後の保険の更新では多少異なります。

1.保険に新規加入する前にうつ病を発症していた場合

うつ病発症後に新規に保険に加入するのは不可能ではありませんが、加入できない可能性が高く難しいと言えるでしょう。その理由は、生命保険や医療保険に加入するときは、通常、持病の有無、過去の通院歴や入院歴、健康状態などを告知しなければならず、告知事項には、うつ病などの心の病気も含まれるからです。いつ、うつ病を発症したか、どのような診断結果で、処方された薬の種類は何であったかなどによって保険への加入の困難さは異なります。

なお、告知義務があるのは一般的に過去5年程度の期間内に医療機関で診察・治療・薬の処方などを受けていた場合です。保険会社が定める告知義務期間よりも前にうつ病であっても、それまでに完治し、告知期間内に医療機関を受診していなければ告知する必要はなく、保険に加入できます。また、完治したのが告知義務期間内であった場合でも、医療機関によって現在の健康状態について問題ないという証明が得られれば、特別条件付きで加入が認められる可能性があります。その際の判断基準は保険会社ごとに異なります。うつ病だからといって、保険に加入できないと最初から諦めるのではなく、病歴や健康状態を詳細に、かつ正確に伝えて保険会社の判断を仰いでください。

2.保険加入後にうつ病になった場合

保険には加入後、保障が生涯にわって続く終身型保険と一定期間ごとに契約を更新する更新型保険があります。この更新型の保険に加入している人が、加入後にうつ病になる可能性があります。この場合、保険の更新時には健康状態の告知や審査は必要ないので、そのまま加入を継続できます。ただし、更新時に保障内容を変更したり、新たな保険に新規加入したり、いったん解約して再加入したりすることは、新たに告知が必要になるため、継続ができない可能性があります。

第二章 うつ病でも加入しやすい保険はあるのか?

うつ病のために通常の保険への加入ができない場合でも、加入できる可能性の高い保険に「特別条件付き保険」「引受基準緩和型・限定告知型保険」および「無選択型・無告知型保険」があります。これらの保険については、「持病があっても保険に加入できる?特別条件付き保険・引受基準緩和型保険・無選択型保険とは」の記事で詳しく解説しています。ここでは概要を簡単に紹介します。

1.特別条件付き保険

「特別条件付き保険」とは、健康状態を告知した結果、保険会社から健康な人と同じ条件では加入できないと判断されたときに保険会社から出された特別な条件を承認することで加入できる保険のことです。保障額や減額、保障されない病気があるなどの制約条件が付きます。この特別条件は保険会社によって異なります。以下に紹介する2つの保険よりは保険料を安く抑えられるので最初に加入できないかを検討すると良いでしょう。

2.引受基準緩和型・限定告知型保険

「引受基準緩和型・限定告知型保険」とは、持病・入院歴などがあっても保険に加入できる条件が、通常よりも低く設定されている保険のことです。「特別条件付き保険」のような条件が付かずに保険に加入できますが、保険料が高くなります。

3.無選択型・無告知型保険

「無選択型・無告知型保険」とは、「特別条件付き保険」「引受基準緩和型・限定告知型保険」の保険に加入できなくても、原則として加入できる保険のことです。保険料は最も高くなります。なお、「現在、入院中」「余命宣告されている」など特別な健康状態である場合、および「加入年齢の制限」「加入後の一定期間は病気全般について保障を受けられない」「持病などは加入から一定期間が経過しないと保障されない」など細かな条件によっては加入できなかったり、保障内容に制約が付いたりする場合があります。

第三章 公的保障も活用しましょう

うつ病などの精神疾患(心の病気)に対しては、医療費の軽減や生活費の補助などの公的な保障が受けられます。

1.自立支援医療、重度心身障害者医療費助成(医療費の軽減)

1-1 自立支援医療

うつ病などの精神疾患で通院による治療を続ける必要がある場合に医療費が軽減されます。入院治療に関しては対象外ですが、デイ・ケア、訪問看護などの費用は対象です。市町村に申請して、認められると医療費の自己負担が原則1割に軽減されますが、所得に応じて月額の自己負担額に上限があったり、医療費軽減の対象外になったりします。詳しくは市町村の窓口で確認してください。

1-2 重度心身障害者医療費助成

うつ病など重度の心身障害(児)者に対して、都道府県や市町村が実施している助成制度で医療費の自己負担金(保険診療分)に対して助成されます。助成の詳細は自治体により異なります。詳しくは市町村の窓口で確認してください。

2.特別障害者手当、障害児福祉手当、特別児童扶養手当、児童扶養手当(生活費の補助)

手当の支給対象者・条件に関する詳細は市町村の窓口で確認してください。以下に記載されている金額は2020年4月現在です。

2-1 特別障害者手当

うつ病などで日常生活に特別な介護が常時必要な場合、月額2万7,350円が支給されます。医師の診断書や所得が証明できる書類などとともに市区町村に申請します。

2-2 障害児福祉手当

うつ病などの重度の障害がある児童(20歳未満)が日常生活で介護が常時必要な場合に、月額1万4,880円が本人に支給されます。

2-3 特別児童扶養手当

うつ病などによる一定程度の障害があり、在宅で生活する児童(20歳未満)を養育する人に、程度に応じて月額5万2,500円、または月額3万4,970円が支給されます。

2-4 児童扶養手当

母子家庭・父子家庭、および父または母がうつ病などで重度の障害を持っている場合などに、子どもに対して18歳の年度末まで、所得に応じて月額1万180円から月額4万3,160円が支給されます。

3.うつ病以外の病気を含む医療費の軽減に関する公的保障

うつ病などの精神疾患だけではありませんが、一定の条件を満足すれば受けられる公的な保障に「高額療養費制度」「傷病手当金」「労災(療養補償給付)」などがあります。これらも活用するようにしてください。

第四章 まとめ

厚生労働省の報告によると、うつ病を含む気分障害で医療機関に入院または受診した推計の患者数は約120万人 (2017年10月調査)です。内、うつ病の患者は最も多く7割弱の約81万人、医療機関を受診していない患者数を含めると約290万人になると推計されます。 また、2013年から2016年にかけて厚生労働省が行った調査で生涯に1度、うつ病を発症する人の割合は約20人に1人の5.7% でした。

今後も、社会・経済の複雑化や混迷度も深まり、うつ病を含む精神疾患(心の病気)の患者数は増加傾向にあると言われています。このため、うつ病になる可能性はまったくないとは言えません。うつ病になってから保険に加入しにくくなると、うつ病の医療費はもちろんケガやうつ病以外の病気、および死亡時の保障も受けられなくなり、生活に大きな不安を抱え込むことになってしまいます。そのため、万一に備えて健康なときから保険に加入しておくことをおすすめします。家計の負担を軽くするには安い掛け金で加入できる全国共済がおすすめです。

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