よく耳にするパンデミックとは?新型コロナウイルス(COVID-19)との関係は?

2020年2月14日

新型コロナウイルスが中国で爆発的に流行し、多くの感染者・死亡者が出ています。感染者数は、2002年に始まって流行した「重症急性呼吸器症候群(サーズ:SARS)」、2012年に初めて確認されて流行した「中東呼吸器症候群(マーズ:MERS)を上回りました。死亡率こそ低いですが、感染者数が多いことから、これからさらに増加していく可能性があります。このように感染力の強い病気が発生し、1つの国をこえて世界中で流行すると「パンデミック」という用語がテレビや新聞、インターネットで飛び交います。パンデミックとは一体どのような状況になることなのか、および連日テレビや新聞などで報道されている新型コロナウイルスについてもインターネットで拡散されているデマや根拠のない風説、あるいは真偽が不明な情報に惑わされないようにあわせて解説します。

第一章 パンデミックとは?

1.パンデミックとは

パンデミックとは、国立感染症研究所の定義によると「地理的に広い範囲の世界的流行および、非常に多くの数の感染者や患者を発生する流行」のことです。今、大きな問題になっている新型コロナウイルスや毎年流行が懸念されるインフルエンザウイルスだけでなくペスト菌やエイズウイルスなどに対しても用いられます。

2.パンデミックとエンデミック・エピデミックとの違い

あまり聞いたり、目にしたりすることはありませんが、パンデミックとよく似た語感にエンデミックとエピデミックという用語があります。これら3つの用語の使い分けは感染症の違いで異なることもあり厳密に区分されて使われるわけではありません。簡単にいえば、主に病気が流行している地域や感染者数の規模の違いです。その規模が大きい順にパンデミック、エピデミック、エンデミックです。

パンデミックが、「広い範囲の世界的流行、かつ非常に多くの数の感染者が発生している汎発流行」に対して、エンデミックとは、「特定の人々や特定の地域で、ある程度の感染者がいる状態」のことです。地域は狭い範囲に限定され、患者数も比較的少なく、拡大のスピードも比較的遅く、限定的な流行の段階で「地域流行」と呼ばれます。エピデミックとは、「特定の地域・コミュニティ内で、特定の一時期、感染症が広がった状態」のことで「流行」と呼ばれます。特に、突発的に規模が拡大し、集団で感染者が発生すると「アウトブレイク」とも呼ばれます。

3.WHO(世界保健機関)パンデミックインフルエンザフェーズ1~6とは(2009年)

今回の新型コロナウイルスではありませんが、毎年といってよいほど流行するインフルエンザウイルスは、これまでと全く異なる新型のウイルスが一定期間ごとに出現します。ほとんどの人がその新型ウイルスに対する免疫を持っていないため、パンデミック(世界的流行)が起き、多数の人に健康被害を与えることから社会的にも大きな影響を与えます。

そこで、WHO(世界保健機関)はインフルエンザウイルスがパンデミックの危険性のある段階からパンデミックになるまでを6つのフェーズに分け、それぞれの段階でパンデミックにならない対策を世界各国が講じることを求めています。これらのフェーズごとに分けての対策は、パンデミックになる可能性のある感染症に対しても同様に実施されます。

  • フェーズ1
    動物にはヒトに感染する恐れのあるインフルエンザウイルスが存在していますが、ヒトへの感染リスクは小さく、またヒトにおいては新たな亜型(種類)のインフルエンザウイルスは同定(分離)されていない段階。
  • フェーズ2
    ヒトにおいてはフェーズ1と同じですが、動物では感染が循環している亜型インフルエンザウイルスが、ヒトに感染して発症するリスクはフェーズ1より高い段階。
  • フェーズ3
    ヒト感染が見られるが、ヒトーヒト感染による拡大は見られない、または非常にまれに密接な接触者(例えば家族内)への感染が見られるにとどまる段階。
  • フェーズ4
    限定されたヒトーヒト感染が小さな集団で見られ、感染が増加していることは明らかですが、拡散は非常に限定されている段階。
  • フェーズ5
    フェーズ4より大きな(1つあるいは複数の)集団で感染が見られますが、ヒトーヒト感染は依然限定的で、ウイルスはまだ完全に感染する強い力は持っていない(著しいパンデミックリスクはないと考えられる)段階。
  • フェーズ6(パンデミックフェーズ)
    社会生活をしている一般のヒトへの感染が増加し、持続している段階。

4.WHO(世界保健機構)パンデミックインフルエンザフェーズとは(2017年改定)

WHOは、2017年に新型インフルエンザウイルスの世界的な広がりに応じて、新しいパンデミック警戒フェーズの基準として以下の4段階に改定しています。

  • パンデミックとパンデミックの間のフェーズ
    新型インフルエンザによるパンデミックとパンデミックの間の段階。
  • 警戒フェーズ
    新しい亜型インフルエンザのヒトへの感染が確認された段階。
  • パンデミックフェーズ
    新しい亜型インフルエンザのヒトへの感染が世界的に拡大した段階。
  • 移行フェーズ
    世界的な流行リスクが下がり、世界的な対応の段階的縮小や国ごとの対策の縮小などが起こる可能性のある段階。

第二章 パンデミックの歴史

過去に起きたインフルエンザパンデミックとして国立感染症研究所は以下の3つをあげています。インフルエンザ以外にも、14世紀に起きたヨーロッパにおけるペスト、16世紀にはコロンブスによってもたらされた南北アメリカにおける天然痘、19世紀から20世紀にかけてはコレラが、地域を変えながら7回起きた大流行もパンデミックです。

1.スペインインフルエンザ(1918年-1919年)

世界全体の患者数、死亡者数については正確な数字は把握されておらず、患者数が世界人口の25%から30%、または世界人口の3分の1、あるいは約5億人と推定されています。致死率は患者数の2.5%以上、死亡者数は全世界で4,000万人、5,000万人、または1億人ともいわれています。日本では、内務省(当時)の統計によると約2300万人の患者と約38万人の死亡者が出たと報告されていますが、死亡者について45万人という推計もあります。致死率は推定で約2%です。スペインインフルエンザは、非常に重症で短期間に死亡したため、当初はインフルエンザとは考えられず、脳脊髄膜炎あるいは黒死病と疑われました。

2.アジアインフルエンザ(1957年-1958年)

アジアインフルエンザは、スペインインフルエンザの時代と異なり、医学の進歩もあってインフルエンザウイルスに対するワクチンが開発され、細菌性肺炎を治療する抗生物質も利用できたことから、スペインインフルエンザよりも感染者の症状は多少軽症で済みました。しかし、全世界での死亡者数は200万人以上、日本人は約7,700人。致死率は約0.53%です。

3.香港インフルエンザ(1968年-1969年)

香港インフルエンザは、アジアインフルエンザよりさらに軽症で、低い致死率でした。ほとんどの国では、その前のパンデミックにみられたような爆発的な感染者の増加はなく、流行の進行は緩やかでした。世界での死亡者数は100万人以上、日本人は約2,000人。致死率は約0.5%以下です。

第三章 猛威を振るう新型コロナウイルス

1.新型コロナウイルスとは

コロナウイルスとは、インフルエンザとは異なる一般的なかぜの症状(発熱、のどや気管支の痛みなど)を引き起こすウイルスで、人に感染するコロナウイルスは6種類あることが分かっています。そのなかに、まだ記憶に新しいマーズやサーズなど重い症状の病気を発症する2種類のウイルスが含まれています。それ以外の4種類のウイルスは、一般的なかぜを発症させるだけなので恐れる心配はありません。しかし現在、感染すると死に至る可能性もあるほど重症化するコロナウイルスが、中国で猛威をふるい、感染が世界各国へ拡大しています。これが新型コロナウイルスです。

2.新型コロナウイルスの感染経路と予防策

感染経路の1つは新型コロナウイルスの感染者のくしゃみやせきで、ウイルスが付着したつばなどを口や鼻から吸い込んで感染する「飛沫感染」です。もう1つは感染者がくしゃみやせきをしたとき手にウイルスが付着し、その手でドアノブや電車のつり革などに触ると、そこにウイルスが付着。それを他者が触って、その手で口や鼻の粘膜に触ることで感染する「接触感染」です。空気中に浮遊するウイルスを吸い込むことで感染する「空気感染」は現時点ではないとされています。

そのため、予防策は自身が感染しないためにも、また他者に感染させないためにもマスクの着用や石けんによる手洗い、あるいはアルコールによる消毒が効果的です。ドアノブなど物の表面の消毒には次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)、手や指の消毒には消毒用アルコール(70%)が有効です。石けんによる手洗いは20秒以上行うことが必要です。

新型コロナウイルスに感染して重症化しやすい人は、60歳以上の高齢者、高血圧や内臓疾患などの重い持病のある人です。しかし、高齢者だけでなく若い人も重症化しているため、バランスのよい食事、規則正しい生活、十分な睡眠など免疫力を低下させないようにすることが大切です。無理なダイエットに取り組むなど、免疫力が低下するので避けたほうがよいでしょう。

3.新型コロナウイルスの感染者・死亡者の情報

毎日、テレビや新聞で全世界における感染者数の推移を報道していますが、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学は、新型コロナウイルスの感染状況をまとめたWebサイトを公開しています。WHOや中国の関係機関のデータを基に、症例数(感染者数)、死亡者数、回復者数などを地域別(国別)に地図上に表示しています。英文サイトですが、左上に世界各国の合計感染者数(赤色数字)、右上に死亡者数(白色数字)と回復者数(緑色数字)で表示されています。また、地図上で赤丸をクリックすると地域名・国名、感染者数、死亡者数、回復者数の順に表示されます。

第四章 まとめ

同じ病気で世界に多数の感染者・死亡者が出る感染症が話題になると、よく聞く用語のパンデミックとは何か、その歴史や新たにパンデミックが宣言されるかもしれない新型コロナウイルスについてその概要と予防策などを紹介しました。常日頃から免疫力を高めるようにして、同時に万が一に備えて、全国共済の生命共済へ加入しておくと安心して社会生活ができるでしょう。


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