よく耳にする「がんのステージ」とは?備えておきたいがんの知識

がんは、かつては治らない病気として恐れられていました。しかし、医学の進歩で早期発見・早期治療を心がけることで治る病気になってきました。がん検診や医師の診断でがんが見つかると、医師からどこに、どのようながんができていて、「がんのステージ」や今後の治療法などが説明されます。そのため「がんのステージ」に関する知識があると医師の説明がよく理解でき、いたずらに大きな不安を抱くことなく治療に専念できます。そこで、「がんのステージ」とは何か、どのように決まるのか、ステージ別のがんの特徴や治療法、および最新のがんに関するがん患者数の傾向や死亡者数、ステージ別の生存率などの統計データを紹介しながら解説します。

第一章 がんのステージとは?どのように分類されるのか?

1.がんのステージとは

がんのステージとは、がんがどの程度まで進行しているのかを判定するための基準のことです。この基準は、がんの治療をどのようにすすめるかを検討するうえで必要です。がんの治療は、がんのステージ、がん患者の年齢・体力・症状、およびどのような治療を受けたいかの希望などを考慮して、複数のがん治療法のなかから最も効果が期待できて体への負担が軽い方法が選択されて行われます。

2.がんのステージの判定・分類方法

2-1 がんのステージの判定方法

がんのステージの分類方法には複数ありますが、よく知られて利用されているのは国際対がん連合(UICC)が定めている「TNM分類」に従った分類方法です。TNM分類では、がんのステージは以下の3つの因子を組み合わせて決定されます。

  1. T因子:がんがどのくらいの大きさになっているか
  2. N因子:周辺のリンパ節への転移の有無
  3. M因子:別の臓器への転移の有無

なお、がんのステージは、がんの種類によっては異なることや、さらに細かく分類されるほか、治療の前後で判定方法が変わるなど、がんの治療経過・目的によって変動することがあります。

2-2 がんのステージの分類とステージ別の特徴

上記の判定方法に従って、ステージは「0期から4期」までの5期に分類されます。各段階のがんの特徴は次のとおりです。なお、下記の分類はすべてのがんに共通して適用されるものではなくがんの種類によって異なる分類になる場合があります。

  • 0期:がん細胞が上皮内にとどまっていてリンパ節へ転移していない状態。上皮とは体や内臓などの表面を覆う皮膚・組織のこと
  • 1期:がん細胞が上皮層をこえているが、筋肉層にとどまっていてリンパ節へは転移していない状態
  • 2期:がん細胞が筋肉の層をこえてリンパ節へ転移しかけている状態
  • 3期:がん細胞がリンパ節へ転移している状態
  • 4期:がん細胞が最初の部位から他の臓器へ転移している状態

2-3 がんのステージから分かること

がんのステージが分かると、がんの病気の状態、これからの治療法などの効果の予測や選択ができ、がんとどのように向き合っていくか、あるいは治療がどのように進められるかなど以下のようなことが分かるようになります。

  • 治療をした場合としない場合での今後のがんの進行状態の見通し
  • がんの種類別・ステージ別の治療方法や治療の効果、副作用および治療結果の予測
  • 複数あるがんの治療方法のなかから有効な治療の選択が可能
  • 自分が受けている治療方法と別の患者への治療方法との効果の比較が可能

第二章 ステージの進行によって変わる生存率とステージごとの治療法

がんはステージが進行するほど生存率が低下します。また、治療法もステージごとに変わります。

1.がんのステージ別生存率(がん診療連携拠点病院等における5 年相対生存率)

生存率には実測生存率と相対生存率があります。実測生存率はすべての死亡を計算に含めた生存率のことで、がん以外の死因による死亡も含まれます。がん以外の死因で死亡する可能性に強く影響する性別や年齢などが異なる集団で生存率を比較する場合、がん以外の死因により死亡する影響を補正する必要があります。がん以外の死因による影響を考慮して集計されるのが相対生存率です。また、生存率は、がんと診断されてから一定期間後に生存している確率ですが、診断からの期間によって生存率は異なります。目的に応じて1年、2年、3年、5年、10年生存率が用いられますが、多く用いられるのは5年生存率です。公益財団法人 がん研究振興財団が公表している「がんの統計’18 」のデータによると主ながんの「5年相対生存率」は以下の表のとおりです。

1期 2期 3期 4期
胃がん 94.9% 68.2% 43.4% 9.6%
大腸がん 95.5% 88.4% 76.7% 18.5%
肝臓がん 59.8% 41.7% 16.1% 3.9%
肺、気管がん 81.3% 47.9% 21.7% 4.8%
乳がん 100.0% 95.7% 80.6% 37.8%
食道がん 79.7% 49.7% 26.4% 11.4%
すい臓がん 43.2% 20.8% 6.5% 1.8%
前立腺がん 100.0% 100.0% 100.0% 62.0%
子宮頸部がん 95.2% 80.8% 61.5% 25.3%
子宮内膜がん 96.8% 90.0% 75.4% 23.5%
ぼうこうがん 89.1% 64.5% 48.1% 19.2%

上記のとおり、がんの種類によってステージ別の生存率は大きく異なりますが、すべてのがんについて早期発見・早期治療ができれば生存率は高く、4期になると生存率は大きく低下します。

2.がんのステージ別治療法

がんの種類・ステージ別の現時点で最善と考えられる治療法が「標準治療」として確立されており、それに従って治療が行われます。がんの治療法としては、がんを取り除く手術やがんのある場所を放射線で治療し、がん細胞を消滅させるなどの「局所療法」と、全身に広がってしまったがんに対して治療を行う薬物療法(抗がん剤治療)などの「全身療法」に大きく分かれます。どの治療法が選択されるかは、がんの種類・ステージ、および患者の症状や体力(年齢)などによって異なります。

国立がん研究センターは、胃がんの場合を例にとってステージ別に一般的に行われる治療法を紹介しています。以下のようにがんのステージに応じて、手術、薬物療法、放射線治療などのさまざまな治療法を単独で、あるいは組み合わせて行うことで患者ごとに最適な治療法が検討されます。

1期の胃がんの一部に対しては、内視鏡治療により手術と同等の治療効果があります。このため、体の負担がより少ない内視鏡治療が積極的に行われます。

3期までの胃がんに対しては、手術を中心とした治療が標準治療として検討されます。手術のときにがんの周りのリンパ節についてがんの広がりを調べることがあります。リンパ節への広がりがなければ、より少ない範囲の切除ですみます。

4期の胃がんに対しては、多くの場合化学療法が行われます。状態に応じて、体への負担がかからないような副作用の少ない治療や進行したがんによる痛みやだるさなどの症状を和らげる治療やケアが行われます。

第三章 増加の一途のがんに備える

がんの患者数とがんによる死亡者数は高齢化の進展を主な要因として増加し続けています。具体的には国立がん研究センターによると、がんの患者数(全国推計値)は1985年以降増加し続けて、2012年のがん患者数は1985年の約2.5倍に増加。一方、2015年のがんによる死亡者数も1985年の約2倍に増加しています。増え続けるがんに対しては、ステージ別の5年生存率のデータを見ても早期発見・早期治療が最も効果的です。前述のデータから早期発見(ステージ0期)で発見できれば、多くのがんの5年生存率は80%を超えます。がんの初期段階では自覚症状がないまま進行することが多いため、早期発見のためにはがんの定期検診を受けることが重要です。がん検診は定期的に受診すると、がんによる死亡率が減少することが科学的に検証されています。国は以下の5種類のがん検診を推奨しています。

  • 胃がん検診
  • 子宮頸がん検診
  • 肺がん検診
  • 乳がん検診
  • 大腸がん検診

第四章 まとめ

がんはステージ別の5年生存率からも分かるように早期発見・早期治療で治せる病気です。しかし、がんを完全に予防することは現時点では不可能です。がんになると治療費が高額になったり、治療中の収入が減少したりとリスクが生じます。万が一に備えて全国共済がん特約に加入すると、家計の負担は少なく大きな安心を得られるのでおすすめです。

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