年末年始の宴会シーズンにお酒と健康的に付き合うための大切な知識

忘年会や新年会など宴会が多くなるうえにお正月も重なって何かと飲酒が増える年末年始のシーズンは、ついついハメが外れて飲酒の量が増える人が多くなります。お酒は適量であれば健康にもよいといわれ、ストレスも発散できてコミュニケーションもはずんで楽しい時間を過ごせるメリットがあります。

しかし、お酒の飲みすぎにはさまざまな健康リスクがあり健康に悪影響を与えます。このことは多くの人が知っていますが、それでも節度を持った飲酒がなかなかできない魔力がお酒にはあります。

そこで、楽しくて健康によい飲酒が新年への期待を生み、日々の活力となって生かせるように、あらためて節度ある飲酒を心がけることが必要な理由、過度の飲酒による健康・病気のリスク、および節度ある飲酒ができるために必要な知識を紹介します。

第一章 節度ある飲酒を心がけることが必要な3つの理由

過度な飲酒を避けて節度ある飲酒を心がけなくてはいけない理由について紹介します。お酒が健康を害し、病気のリスクを高める以外にも過度な飲酒を避けなければならない理由が3つあります。

1.アルコールは依存性のある薬物の一種

アルコールを薬物とまで考えている人は少ないと思いますが、厚生労働省はアルコールを麻薬や覚せい剤、その他タバコや睡眠薬などと同じく依存性のある「薬物の一種」とホームページに記載しています。薬物の一種であることから過度な飲酒の継続で誰もがアルコール依存症になる可能性があると警告しています。

アルコール依存症はゆっくりと進行していくため気づきにくいですが、次第に飲酒をコントロールできなくなってアルコール依存症になる可能性があります。なお、アルコール依存症の人と酔ったときに問題を起こす人は同じではありません。酔ったときにいくら問題を起こしても、たまにしか飲酒しない人はアルコール依存症ではありません。そのような人は単なる「酒乱」です。一方、酔ったときに周りに迷惑をかけなくても、飲酒がコントロールできなければアルコール依存症です。しかし、決して問題を起こさなければよいわけではありません。アルコール依存症でなくても過度な飲酒は、肝臓やすい臓、脳・神経などに悪影響を与えます。さらに飲酒のせいで遅刻や欠勤をしたり、頭が働かずに仕事の効率が低下したりします。アルコール依存症は、これらの問題に気づいてもやめられないためその深刻度が高まっていきます。

2.アルコール・ハラスメントは犯罪行為

近年はさまざまなハラスメント行為に対する厳しい目が向けられています。今ではハラスメントにあたるような行為も、かつては無礼講として比較的寛大な目で許されていたケースも多くありました。しかし、これからは過度な飲酒で判断能力や理性を失って人を困らせるような嫌がらせを安易にしてしまうと、それがひどければ犯罪になる可能性があります。特定非営利活動法人 ASK(アルコール薬物問題全国市民協会 )は、「飲酒の強要」「イッキ飲ませ」「意図的な酔いつぶし」「飲めない人への配慮を欠くこと」「酔ったうえでの迷惑行為」のいずれか1つに当てはまればアルコール・ハラスメントになるとしています。ハラスメントだけでなく死に至ることもあるため絶対にしてはいけません。

3.飲酒運転の厳罰化

飲酒運転もハラスメントと同様に厳しい目が向けられ、法律的にも社会的にも厳しい制裁を受けなければならなくなる可能性があります。また、運転手だけでなく、運転者が酒気を帯びていることを知りながら同乗したり、運転することを知りながらお酒をすすめたりすると処罰されます。

第二章 適度な飲酒のメリットと過度な飲酒による健康・病気のリスク

1.適度な飲酒のメリット

1-1 動脈硬化のリスクを低減

アルコールにはHDL(善玉)コレステロールを増やして血液を固まりにくくし、動脈硬化のリスクを低下させる効果があります。

1-2 食欲の増進

胃液の分泌が促進されて消化を助けるので食欲が増します。

1-3 ストレスの発散

精神的な緊張がほぐれてストレスの発散・軽減効果が期待できます。

1-4 血行の促進

アルコールには血行をよくする働きがあり、体内の老廃物や乳酸などの疲労物質がより早く排出されるので肩こり、冷え、肌荒れなどが改善され、疲労の回復も早くなります。

1-5 人間関係の円滑化

コミュニケーションが増し、人間関係を円滑にして良好な関係を築けます。

2.過度な飲酒による健康・病気のリスク

一方、過度な飲酒には多くの健康・病気のリスクがあります。適量をこえて飲み続けると、代表的な健康・病気のリスクとして中性脂肪を増加させ肝臓の病気(脂肪肝や肝炎)のほか、尿酸の量を増加させ痛風になるリスクが高まります。その他にも「口・のど」「食道」「心臓」「胃や腸」「すい臓」「脳」「手足の骨」など全身に悪影響を与えます。

2-1 主な臓器別の病気

体の場所 病名
口腔・喉頭 むし歯、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん など
食道 食道炎、食道がん など
心臓 高血圧、不整脈、心筋症 など
胃腸 胃炎、胃かいよう、胃がん、大腸がん 十二指腸がん など
肝臓 脂肪肝、肝炎、肝硬変、肝がん など
すい臓 すい炎 糖尿病 など
脳梗塞、脳出血、大脳萎縮、記憶障害、認知症 など
手足・骨 骨粗しょう症、末梢神経障害、痛風 など
胸部 乳がん
その他 幻覚、妄想、うつ病、急性アルコール中毒、アルコール依存症 など

2-2 少量でも過度な飲酒になるリスクが高く注意が必要な人とは

厚生労働省は、女性(特に妊婦)、未成年者、高齢者など少量の飲酒でも過度な飲酒になるとして注意を促しています。

2-2-1 一般女性

一般的に女性は男性に比べると飲酒による臓器障害を起こしやすく、またアルコール依存症になるまでの期間も短いといわれています。そのため厚生労働省は、女性の適度な飲酒量を男性の2分の1から3分の2程度だとしています。

2-2-2 妊婦、妊娠を計画中の女性

女性のなかでも特に妊婦は、飲酒すると胎児に発達障害や胎児性アルコール症候群を引き起こすリスクを高める悪影響や、妊娠合併症の発症を高めるリスクがあります。そのため妊婦、妊娠を計画中の女性はお酒を断つようにと警告しています。

2-2-3 未成年者

未成年者は法律で飲酒が禁止されているため飲酒はそもそも許されていません。しかし、中学生・高校生に対する4年ごとの大規模な全国調査で学年が進むに従い飲酒者割合が増加すること、それらの割合に男女間の差がほとんどないことが分かっています。未成年者の飲酒がよくない理由は以下です。

・アルコールの分解が遅いこと
動物実験で未成年者に相当する年齢の動物は成年者に相当する年齢の動物よりもアルコールの分解が遅いことが分かっています。このため成年者と同じ量を飲んでも未成年者の血中濃度はより高くなり、急性アルコール中毒や臓器に対する悪影響を引き起こしやすくなります。

・臓器障害やアルコール依存症になりやすいこと
過度な飲酒をすると、未成年者は成人よりも臓器障害やアルコール依存症になりやすいことが、動物や人で確認されています。また、未成年者の飲酒は事件や事故にあう確率が高くなるなどの社会的な問題を増加させます。

2-2-4 高齢者

65歳以上の高齢者は、若いときよりもアルコールの分解速度が下がること、あるいは血中濃度がそれほど高くなくても酔いがひどくなることなど若いときよりも多くのリスクが高まると考えられています。

2-2-5 飲酒すると顔が赤くなるフラッシング反応を起こす人

飲酒すると顔が他の人よりも早く赤くなるなどフラッシング反応を起こす人がいます。このような人は、がんやさまざまな臓器障害を起こしやすいといわれています。フラッシング反応とは、ビールコップ1杯程度の少量の飲酒で顔面の紅潮、吐き気、動悸、眠気、頭痛などが起きることです。2型アルデヒド脱水素酵素の働きが弱い人に多くみられます。

第三章 年末年始の飲み会を楽しむために飲酒時に気をつけるポイント

1.健康的で節度ある飲酒のための12のルール

厚生労働省は健康を守るための次の12の飲酒ルールを提案しています。

  1. 飲酒は1日平均2ドリンク以下
  2. 女性・高齢者は少なめに
  3. 赤型体質(顔がすぐ赤くなる人など)も少なめに
  4. たまに飲んでも大量の飲酒をしない
  5. 食事と一緒にゆっくりと
  6. 寝酒は極力控えよう
  7. 週に2日は休肝日
  8. 薬の治療中はノーアルコール
  9. 入浴・運動・仕事前はノーアルコール
  10. 妊娠・授乳中はノーアルコール
  11. アルコール依存症者は生涯断酒
  12. 定期的に検診を

2.節度ある飲酒の具体的な量とは

厚生労働省は、「過度な飲酒にならない節度ある飲酒の量」を「通常のアルコール代謝能を有する日本人は1日平均の純アルコールの摂取量を20g程度」としています。過度な飲酒量とは、「1日平均で純アルコールが約60gをこえる こと」です。

主なお酒の種類別・容量別の純アルコール量 は以下の表となります。下記の量をメドに個人差を考慮して節度ある飲酒を楽しんでください。

お酒の種類 容量 アルコール度数 純アルコール量
ビール 中瓶1本(500ml) 5% 20g
清酒 1合(180ml) 15% 22g
ウイスキー・ブランデー ダブル(60ml) 43% 20g
焼酎(35度) 1合(180ml) 35% 50g
ワイン 1杯(120ml) 12% 12g

第四章 まとめ

節度ある飲酒は心身の両面を健康にしますが、過度な飲酒は病気のリスクを高めます。また、過度な飲酒により節度ある行動ができないと法律的・社会的な制裁を受ける可能性もあります。なお、過度な飲酒だけでなく節度ある飲酒であっても病気やケガをするリスクはゼロにはできません。病気や、飲酒による思わぬケガに備えて全国共済の生命共済への加入をおすすめします。

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