失火責任法と新型火災共済

2019年1月21日

2017年度の火災は、消防庁のデータによると3万9,373件発生しています。損害額は、2009年度のデータですが1件あたり182.1万円です。この金額は平均であって、万が一全焼すると1,000万円をこえる大きな損害が住宅と家財に発生する可能性があります。火災は気をつけることで火元になることは防止できますが、火災の原因で最も多いのは放火(放火の疑いも含む)で、約15%を占め、2位のたばこ(約9%)を大きく上回ります。自己防衛だけでは火災による損害は防ぎきれません。延焼による被害を受けたときは、原則として火元からの損害賠償は受けられません。火災の損害に対するリスクにどのように備えればよいのか、火災による損害賠償責任を定めた失火責任法について解説します。

第一章 隣の火事で燃えても賠償請求はできない!?

火災を起こして他人の財産に損害を与えたときの損害賠償責任について、あるいは逆に火災に遭ったときに火元に対する損害賠償請求権については、失火責任法と呼ばれる法律で定められています。

また、一般的な賠償責任については民法が定めています。民法は、「故意または過失によって他人の権利や財産などを侵害すれば、損害を賠償する責任を負う」と定めています。これに対して失火責任法は、民法が定める賠償責任は失火による火災については原則として発生しないと定められています(民法は一般法で失火責任法は特別法のため、民法の規定よりも失火責任法の規定が優先されます)。

そのため、隣が火元の火事で延焼した自宅を建て直さなければならないとき、自分の自宅は火災保険に加入していなかったため建て直すのが困難にもかかわらず、火元の家は火災保険に加入していたため住宅をすぐに建て直せても、火元の家への損害賠償請求は原則としてできません。逆に、自宅が火元となって周囲の住宅に損害を与えた場合、道義的な責任は発生しますが、原則として金額的な損害賠償責任は発生しません。

ただし、重大な過失で火災を起こしたときは、損害賠償責任が発生します。重大な過失とは「寝たばこによる火災」「台所で油を使っているときに台所を離れて油に引火して起きた火災」「暖房器具の不適切な使い方で起きた火災」などが該当します。なお、実際に損害賠償責任が発生するかどうかは個別に判断されるため、これらが原因で起きた火災の場合、すべて損害賠償責任が発生するわけではありません。

第二章 新型火災共済で火事に備える

火災は、自分でいくら努力しても放火や延焼による損害を受ける可能性があり、完全に防ぎきれません。また、火災を起こさないようにいくら注意を払っていても、ちょっとした油断で火元になってしまう可能性も考えられます。火災による損害は、小さな火災でも数百万円になることが多く、自宅が全焼するような火災では1,000万円を大きくこえる損害が発生し、経済的な負担が極めて重くなります。2017年の内閣府のデータによると、持ち家世帯の火災保険・共済への加入率は約82%もあります。逆にいうと約20%近くもの世帯が、万が一火災に遭ったとき保険による保障を受けられないというリスクを負っていることになります。

このように火災による損害は巨額になる可能性があります。火災保険にまだ未加入であれば全国共済の火災保険へ加入して火災に備えてみてはいかがでしょうか。全国共済の火災保険「地震基本共済金付新型火災共済」には以下の6つの特徴があります。

1.充実した保障

火災はもちろん消防破壊・消防冠水、落雷被害、車両の衝突など火災以外に対する充実した保障が手頃な掛け金で受けられます。

2.再取得価額による保障

損害を受けた住宅や家財は、修復、新築、新品を購入できる価額(再取得価額)を、加入した保障の範囲内で支払われます。

3.地震に対する保障も充実

地震の保障も受けられます。住宅の全壊・半壊損害に対して火災保険への加入額の5%、20万円をこえる住宅の一部破損損害については一律5万円が支払われます(加入額が100万円以上の場合)。

4.見舞共済金なども充実

臨時費用、持ち出し家財、失火見舞費用、借家修復、漏水見舞費用、風水雪害など見舞共済金が充実しています。

5.スピーディーな支払い

万が一の場合に必要となる共済金などの支払いは迅速な対応が行われます。また、火災などの事故の受付は24時間365日対応です。

6.掛け金の割り戻し

全国共済は営利を目的としておらず、効率経営に努め、決算後に剰余金が生じたときは、「割戻金」として返金されます。年度によって「割戻金」は変動しますが、2017年度の実績は払い込み掛け金の30.20%でした。なお、地震の保障にかかる掛け金は「割戻金」の対象ではありません。

第三章 個人賠償責任保険で火事の賠償請求に備える

火災を重大な過失で起こして近隣の住宅や家財などの資産に損害を与えると、失火責任法による免責を受けられず損害賠償責任が発生することを「第一章 隣の火事で燃えても賠償請求はできない!?」で紹介しました。火災の被害は大きくなるので多額の損害賠償責任を負わなければならず生活が破綻してしまう可能性があります。そのため火災で生じる損害に備えるには、自分の住宅や家財に対する損害への保障しかできない火災保険だけでは不十分です。重過失による火災で他人の財産に損害を与えるリスクにも備える必要があります。

このリスクに対しては、全国共済の個人賠償責任保険に加入することでカバーできます。全国共済の個人賠償責任保険は、年額の保険料がわずか1,680円で最大3億円を限度に損害に対する保障が受けられます。また、賠償額の示談交渉は精神的な苦痛が伴いますが、示談交渉サービスが付加されているのでこの苦痛から解放されます。なお、全国共済の個人賠償責任保険への加入条件は、「地震基本共済金付新型火災共済」への加入が必要なためセットで加入しておくのがおすすめです。

まとめ

失火責任法は、火災による損害賠償責任は重過失による場合を除き原則として負う必要がないと定めていること、ただし、重過失によって引き起こした火災で他人の住宅や家財に損害を与えると賠償責任を負うことになると定めていることを紹介しました。火災から自分の財産を守るには火災保険への加入が必要ですが、それだけでは重過失による火災で他人の財産に損害を与えるリスクはカバーできません。個人賠償責任保険へも加入し、火災で生じるリスクに対して万全の備えをしてください。

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