甲状腺疾患の病気 20代~40代の女性は特に要注意

女性の社会進出が進み、仕事をしている女性が増えています。女性は仕事のほかに家事、育児など抱えている人が多いため、いったん病気になると仕事は休めても家事、育児は簡単に休めないので大きな負担がかかります。そのため、女性は常日頃からどのような病気になりやすいのか、その病気の予防はどうすればよいのかについて知っておくことはとても大切です。そこで、今回は女性に多い病気の1つ甲状腺疾患について、どのような病気なのか、原因と症状、および治療法とセルフケア・予防法について紹介します。

第一章 女性に多い甲状腺疾患ってどんな病気?

甲状腺疾患とは、甲状腺の異常や障害によって引き起こされる症状の総称です。甲状腺は人間の体に必要なホルモンを作る臓器(内分泌器官)の1つで、「のどぼとけ」の下にあります。その働きは、脳からの指令を受けて、新陳代謝や体の成長に欠かせない甲状腺ホルモンの分泌です。健康であれば甲状腺から適正な量のホルモンが分泌されています。しかし、甲状腺疾患を発症すると、ホルモンを過剰に分泌したり、逆に少量しか分泌しなかったりして心身にさまざまな症状が表れます。

甲状腺疾患は、男性よりも女性が多く発症 する特徴があり、橋本病(慢性甲状腺炎)やバセドウ病(甲状腺機能こうしん症)などの病気があります。病気の種類によって男女比は異なり、橋本病の場合は男性1に対し、女性は20~30倍発症。また、バセドウ病では男性1に対し、女性は5~6倍発症します。

甲状腺疾患は、女性に多い病気であり、かつ甲状腺の機能は妊娠や出産にも影響を与えます。そのため女性は正しい知識を持って、少しでも気になる点があれば専門的な検査を受け、少しでも早く治療を始めることが重要です。甲状腺疾患は適切な診断・治療を受ければ怖い病気ではありません。

第二章 甲状腺疾患の病気の種類と原因および症状

甲状腺疾患の病気の種類

甲状腺疾患は大きく分けると「甲状腺機能の異常」「甲状腺の炎症」「甲状腺腫瘍」の3つです。

1 甲状腺機能の異常

甲状腺の機能が亢進(こうしん:過度に機能が高まること)してホルモンの分泌が過剰になるのが「甲状腺機能こうしん症」と呼ばれる病気です。代表的な病名はバセドウ病です。バセドウ病の原因は自己免疫疾患と考えられています。主な症状は動悸(どうき)、甲状腺の腫れ、また眼球が飛び出て見えるようになることがあります。一方、甲状腺ホルモンの分泌が足りなくなるのが「慢性甲状腺炎」で、代表的な病名は橋本病です。橋本病も自己免疫疾患が原因と考えられています。症状はむくみやだるさ、無気力などです。なぜ免疫に異常が生じるかはバセドウ病と同じく分かっていません。

自己免疫疾患とは、細菌、ウイルス、がん細胞などから体を守るため攻撃する働きのある免疫機能が、攻撃してはいけない自分の臓器・細胞を標的にして、攻撃することで起きる病気の総称です。体内の正常な細胞もウイルス、薬、日光、放射線などの影響で変化し、免疫機能が異物と認識することがあるため、自己免疫疾患を発症します。自己免疫疾患は、ある人に自己免疫反応の異常が生じたとき、その人と同じ条件でも別の人では異常が生じないこともあり、その理由は明確にわかっていません。

2 甲状腺の炎症

甲状腺の炎症で起こる病気としては「急性化膿(かのう)性甲状腺炎」「亜急性甲状腺炎」および上記の「甲状腺機能の異常」の病気の1つ「橋本病」です。橋本病は甲状腺に慢性の炎症が起きているため慢性の「甲状腺炎」でもあります。

「急性化膿性甲状腺炎」は、細菌に感染して炎症を起こし、症状は甲状腺の痛みです。「亜急性甲状腺炎」の原因は現時点で特定されていませんが、ウイルスによる感染ではないかと言われています。症状は甲状腺に腫れや痛み、しこりなどが起こります。「急性化膿性甲状腺炎」と比較すると早く治ります。橋本病(慢性甲状腺炎)の原因・症状は前述のとおりです。

3 甲状腺腫瘍

甲状腺にできる腫瘍の8割~9割は、特に治療の必要のない良性です。直径2cm以下の初期の甲状腺腫瘍では、自覚症状はほとんどありません。腫瘍が大きくなると、甲状腺に腫れやしこりが起こり、飲み込むときに違和感などの症状が表れることがあります。甲状腺の腫瘍が悪性である率は低く、他のがんに比べ進行が遅く、治りやすいのが特徴です。甲状腺腫瘍は、医療技術の進歩で10mm以下の微小な腫瘍も発見できるようになりました。早期発見・早期治療のためには違和感があるときは早めに医師の診察を受けることをおすすめします。

第三章 甲状腺疾患の治療法・セルフケア方法・予防法

1.主な甲状腺疾患の治療法

1-1 バセドウ病の治療法

バセドウ病の治療は甲状腺機能を抑制する薬を服用する薬物療法で行われます。個人差がありますが、通常2週間~3週間の服用で症状は改善します。しかし正常に戻って、服用を中止した後、再発率は約70%と高く、治療を継続しなければならない可能性があります。そこで、再発防止のため、1年~2年ほど薬の服用を継続します。なお、妊婦や授乳婦、および近い将来妊娠を考えている患者は、赤ちゃんへの健康を配慮したより専門的な治療が必要です。

1-2 橋本病の治療法

橋本病の治療は不足する甲状腺ホルモンを補充する薬物療法が基本です。薬で症状は治まりますが、甲状腺の機能が戻ったわけではないので、薬を継続する必要があります。流早産や妊娠高血圧症候群を発症するリスクが高くなりますが、治療によってリスクを改善できることが明らかになっています。そのため橋本病で妊娠を希望する場合や、妊娠した場合はすぐに医師の診察を受けましょう。

1-3 急性化膿性甲状腺炎の治療法

急性化膿性甲状腺炎の治療は抗生物質の服用による薬物療法のほか、炎症で化膿している部分を切開して膿(うみ)を排出する方法なども行われます。膿が正常に排出されると症状が回復していきますが、適切な治療後もカゼや扁桃(へんとう)腺炎を発症すると、再発することがあります。

1-4 亜急性甲状腺炎の治療法

亜急性甲状腺炎の治療は痛みがひどくなければ、自然治癒するため治療は不要です。痛みがあるなどのときは、対症療法として痛み止めや炎症を抑える消炎鎮痛剤、副腎皮質ステロイド薬が用いられます。薬は症状や検査結果をみて医師の指示のもと徐々に時間をかけて減らしていきます。症状が改善したからといって、医師の指示に従わないで止めると、症状が再発する可能性があります。

1-5 甲状腺腫瘍の治療法

悪性腫瘍は手術で摘出しなければなりませんが、良性腫瘍は基本的に治療の必要はありません。ただし、腫瘍の一部に悪性の細胞が潜んでいる可能性もあるので、1年~2年に1回程度の検査を受けましょう。悪性腫瘍は抗がん剤が効きにくいことが多いので手術で摘出します。

2.セルフケア法・予防法

甲状腺疾患に限りませんが、悪い生活習慣(喫煙、ストレス、食事など)はさまざまな病気の原因になっています。甲状腺疾患も喫煙は発症リスクを高めます。また、甲状腺疾患の代表的な病気のバセドウ病の治療に用いられるステロイド治療薬などは禁煙者に比べると喫煙者に効果が低い場合があります。喫煙以外にストレスも健康に悪影響を与えますが、甲状腺疾患でもバセドウ病などは、ストレスが大きな原因と言われています。ストレスによって自己免疫不全が起きて甲状腺疾患を発症するリスクが高くなります。

食事も健康に大きな影響を与えます。栄養バランスのよい食事を規則正しく摂取することが大切です。特に食べてはいけないものはありませんが、橋本病などの甲状腺機能低下症の場合は海藻類などヨードを含む食品の食べ過ぎには注意が必要です。甲状腺機能低下症の場合、ヨードを摂り過ぎると甲状腺の機能がさらに低下する可能性があります。

また、運動も健康には重要な役割を果たしますが、バセドウ病などの甲状腺機能こうしん症になると、甲状腺の機能が過剰となり、心臓に負担がかかります。そのため、激しい運動は控えて安静にすることが必要です。症状が落ち着くまでは、散歩やウォーキングなどの軽い運動でも控えましょう。また、動悸が激しくなりやすいので、長時間の入浴にも注意が必要です。

四章 まとめ

女性の社会進出が増加し、女性の収入が生活の安定に大きな影響を持っている世帯が増えています。加えて結婚している女性は家事、育児の負担を抱えている人が多いことから、健康維持は不可欠です。女性に多い病気や特有の病気もあることから、発症リスクに男女差のある甲状腺疾患などの病気に対する知識が必要です。発症リスクを抑えながら、早期発見・早期治療で家事・育児・仕事の負荷が重くならないようにしましょう。また、その他の病気も含めて治療に必要な医療費のため、負担の少ない全国共済の生命共済への加入をおすすめします。


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