未病って何?「未病を治すかながわ宣言」とは?
病気というほどひどくなくても、微熱があって体がだるくてどうも本調子ではないと思うときが誰にでもあります。また、自覚症状がなく元気だと思っていたのに健康診断のときの血圧や血液検査などで検査値に異常があることを医師に指摘されて驚いた経験を持っている人も決して少なくありません。
私たちの体にとって健康と病気の境はあいまいではっきり区別できず、病気まではいかないけれど健康でもない状態で暮らしている期間があります。この状態は「未病」と呼ばれ、発病までは至っていないけれども軽い症状がある状態のことです。「未病」を放置しておくと発症したり、病気が重症化したりする可能性もあることから、「未病」の段階で発病に至らないようにすることは、とても重要です。そこで「未病」とはどのようなことかを解説し、神奈川県が健康寿命延伸に向けて実施している「かながわ未病改善宣言」について紹介します。
未病とは
未病とは、西洋医学ではなく約2000年以上の歴史のある東洋医学の考え方です。西洋医学では、検査した結果、数値などに異常が出て初めて、自覚症状がなくても未病と判断されます。しかし、東洋医学ではさらに未病の範囲は広く、検査の結果、異常がなくても何となく体が本調子ではないと感じると未病と判断されます。このように、未病とは「まだ病気ではないが、放置しておいたら病気になる可能性のある状態」のことです。
厳密な定義では未病とは、「自覚症状あり・検査の結果は異常なし」あるいは「自覚症状なし・検査の結果は異常あり」が未病です。「自覚症状あり・検査の結果も異常あり」は、一般的には病気と判断されます。しかし、日本未病システム学会は、例えば糖尿病、脂質異常症、高血圧症、骨粗しょう症、サルコペニア(筋肉減少症)、ピロリ菌などの感染症や早期のがんまでも未病に含めています。そのため、未病の範囲は広く、「何となく体がだるい、調子が悪い」「頭、肩、腰が痛い」「食欲がない」「意欲がない」などの状態から、糖尿病や高血圧症、高脂血症などの現在治療中の状態であっても、さらに重い病気を発症するリスクがあるため未病と考えられ幅広い範囲にわたります。
神奈川県の「未病を治すかながわ宣言」と「かながわ未病改善宣言」
神奈川県の黒岩知事は、神奈川県が全国でも有数の速さで超高齢化社会へと進展することから「未病を治すかながわ宣言」を2014年1月に宣言しました。この宣言は、心身の状態を整えて病気の発症や重病化を予防する「未病を治す」取り組みを行わないと、このままでは将来、医療や介護などの社会システムが崩壊する可能性があることから行われました。「未病を治す」とは、治療が必要な病気になってから治療を開始するのではなく、ふだんの生活で何かおかしいと感じた未病の段階から「心身の状態を整えて、より健康な状態に少しでも近づける」ことを意味しています。
神奈川県は、さらに「未病を治すかながわ宣言」を強化するために2017年3月に新たにバージョンアップした「かながわ未病改善宣言」を発表しました。強化された内容は、「加齢に伴う心身の機能低下の過程で比較的早期に生じる口腔(こうくう)機能の低下対策」「介護が必要になる大きな原因の運動器障害(ロコモティブシンドローム)対策」および「子どもの成長や女性の健康、生活習慣病などに関係する睡眠対策」の3つです。
神奈川県の過去の未病対策では、『Pokémon GO』やその他とのタイアップでイベントに参加すると豪華な賞品が当たったり、賞品がプレゼントされたりしました。しかし、イベント参加だけでなく日常生活から未病に気をつけて生活することが大切です。
病気に備え、未病対策で病気を予防
万が一の病気への備えとして共済や保険へ加入することは、医療費の面で安心できるので必要です。しかし、お金だけの備えでは万全ではありません。健康であってこそ充実した人生が送れます。そのためにはどんな段階・状態であれ未病に早く気がついて、その時点から治療を開始したり、食生活を改善したり、運動をしたりなど生活習慣を改善することで病気の発症や重症化を防止できます。
さらに、未病対策は健康寿命対策にもつながります。今、平均寿命はどんどん延びて人生100歳時代になりつつあります。人生100歳時代が来ても病気で寝たきりになっては生活の質(QOL)は低く幸福とはいえません。そこで、いつまでも健康なまま長生きするためにも未病対策をして病気の発症や重症化を防止することが重要です。
体の調子が悪いとき、例えば「疲れやすい、体が冷える」「肩、腰、首が痛い」「食欲がない」「熟睡できない」「顔色が悪い」「むくみがひどい」など、少しでもおかしいと感じたら、一過性と思われるので気にしなくてもよい、調子が悪いのは気のせいに違いない、少し休めば問題ないだろうなどと考えて、無理を継続しないことが大切です。このようなときは時間を作って、体を休養させることが必要です。そして、常日頃から、「栄養バランスのとれた食生活と適度な睡眠で規則正しい生活を送る」「運動を欠かさない」「ストレスをためない」ようにしましょう。これによって未病の状態から抜け出すことが可能です。
全国共済への加入をお考えの方は、まずは資料請求からいかがでしょうか?こちらから全国共済への資料請求ができますので、ぜひお役立てください。