むち打ち症で共済金ってもらえるの?

交通事故や体の激しい接触を伴うスポーツ、転落事故などによって、首に不意に強い力が加わることで起きやすいケガに「むち打ち症」があります。かつて自動車には首を支えるヘッドレストがなく交通事故で多くの人が、重いむち打ち症になって社会問題化しました。そのため「むち打ち症」が、どのようなケガで、どのような症状を示すのかについて多くの人は一定のイメージを持っています。

しかし、実は「むち打ち症」は、首が損傷して起こるさまざまな傷病を表す総称で正確な医学用語ではなく、症状も多岐にわたります。また、インターネット上に「むち打ち症」になったときの共済金の支払いについて誤解を招く情報や明らかに間違った情報が掲載されています。そこで、一般的に「むち打ち症」と呼ばれているケガについて医学的に解説します。また、「むち打ち症」になったときの共済金の支払いに関する正確な情報についても解説します。

第一章 むち打ち症って何?

「むち打ち症」は、医学的には「頚椎(けいつい)捻挫・頚部(けいぶ)挫傷などの外傷性頚部症候群」「頚椎椎間板ヘルニア・頚椎症性神経根症などの神経根症」「脊髄損傷」などのことです。「むち打ち症」のさまざまなつらい症状は、前後左右に柔らかく動く首に強い力が加わることで、首の関節、筋肉、血管、神経などがなんらかの損傷を受けることで現れます。その程度は損傷する部位によって病名が変わってきます。

主な症状は、「短時間の意識障害」「首、頭部、腕、腰などの痛み」「腕、手足のしびれ・まひ」「首、肩、背中のこり・鈍痛」「めまい」「耳鳴り」「吐き気」「目のかすみ・疲労」「握力低下」「体全体のだるさ」「微熱」「睡眠障害」「情緒不安定」など多岐にわたります。首という局所の損傷ですが、首には神経が集中して通っているため神経に損傷が及んでいると体全体に症状が現れます。

最も一般的な「むち打ち症」は、外傷性頚部症候群の頚椎捻挫や頚椎挫傷ですが、外傷性頚部症候群については次の章で詳しく解説し、ここではそれ以外に「むち打ち症」に含まれる頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症と脊髄損傷などについてどのような病気(ケガ)かについて紹介します。

頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症は、首の神経が圧迫されて、また脊髄損傷は脊髄が圧迫されて症状が現れます。頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症は、首や脊椎に強い力が加わらなくても加齢によって起きることもある病気です。頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症の症状は、腕や手に痛み、しびれ、また手足の感覚が鈍くなって力が弱くなります。この病気はMRI検査をすれば異常が分かり、症状が重ければ外科手術が行われます。

脊髄損傷は、交通事故のほか高齢者が段差で転倒したり、ベッドや階段から落下したりすることでも起きる病気(ケガ)です。症状は、手足の感覚障害や運動障害が生じ、完全まひになると下肢が全く動かず感覚もなくなります。脊髄が損傷すると二度と再生しないので、寝たきりになる可能性があります。事故を避けることは難しいですが、高齢者は転倒、転落に注意が必要です。体にまひを感じるようなときは、そのままにしないでCTやMRI検査を受けたほうがよいでしょう。

これ以外にも、自律神経(交感神経と副交感神経)が損傷して起こるバレー・リュウー症状型と脳脊髄液がクモ膜下腔から漏れた状態になって起こる脳脊髄液減少症があります。バレー・リュウー症状型の症状は、めまい、耳鳴り、頭痛、記憶障害、けん怠感、吐き気など一般的な「むち打ち症」と似た症状を示します。脳脊髄液減少症の症状は、起き上がると頭痛が強まる起立性頭痛、首の痛み、全身のけん怠感、めまい、吐き気、耳鳴りなどです。

第二章 外傷性頚部症候群について

最も一般的な「むち打ち症」は、外傷性頚部症候群で「むち打ち症」全体の約7割から8割程度を占めるといわれています。外傷性頚部症候群は、骨折や脱臼をしていないかぎりレントゲン検査では異常が認められません。そのため客観的な異常が外見から確認できず第三者には症状が分かりにくい病気(ケガ)です。当事者にとってはつらい痛みを理解してもらえないことがあり、苦しい思いを強いられることがあります。

治療法は、症状の程度によって変わりますが、一般的には骨折や脱臼がなければ初期は器具を使って首を固定して動かないように安静にします。湿布、消炎鎮痛剤を使用すると効果的です。また、医師の指示のもとで低周波、温熱療法、けん引療法などの理学療法を行います。その後、症状が快方に向かっていれば、動かさなかった首の筋肉を積極的にストレッチや体操をして動かすことで痛みなどの症状が長期化することを予防できます。痛みを少し感じるからと安静にしていると、かえって痛みが長期化するので注意が必要です。なお、痛みが慢性化すると心理的な要因で体に異常がなくても痛みを感じるようになって非常に治りにくくなります。

「むち打ち症」は交通事故によって起きることが多く、その場合のケガの重さは、一般社団法人 日本損害保険協会の2013年のデータによると、4段階に分けられたなかの最も軽い「軽度」が全体の98.4%を占めています。平均治療期間は約78日です。

第三章 むち打ち症で共済金は支払われるの?

交通事故や思いもかけない事故で「むち打ち症」になる可能性があります。一般社団法人 日本損害保険協会のデータを紹介しましたが、「むち打ち症」の症状の重さは軽度でも治療期間は平均で約78日とかなりの期間がかかっています。自動車保険で100%カバーできない可能性もあり、その場合は医療費の負担が重くなります。傷害保険に加入していれば、広く事故に対する補償が受けられて安心です。

しかし、以下のような2つの情報がインターネット上にあるため「むち打ち症」には共済金が支払われないと誤解されている可能性があります。そこで情報の正しい意味と、間違った情報について訂正をしておきます。心配のないように結論を先に言っておきますと、むち打ち症は主に事故によって起きますが、事故による「むち打ち症」が明白であれば共済金は支払われます。「むち打ち症」には、事故以外でも起きる可能性がありすべての「むち打ち症」とは一概に言えませんが、全国共済では「むち打ち症」などのケガによる通院には1日あたり3,000円が支払われています(総合保障2型+入院保障2型に加入の場合)。

共済金がむち打ち症には支払われないと誤解を招く情報と間違った情報が以下の2つです。

1.全国共済の加入にあたっての注意事項

全国共済の加入にあたっての注意事項に、「共済金の支払いは、他覚症状(医師など患者以外の第三者が客観的に確認できる症状のこと)のない頚部症候群(むちうち症)は、減額または支払いができない」という意味の文章が記載されています。

「むち打ち症」は、第三者が客観的に症状を確認できないことが多いため、全国共済に加入していても「むち打ち症」は対象外のように読めます。しかし、これが意味するのは、日々の生活で突然痛み始めた事例に対してであって、交通事故などによる「むち打ち症」に対しては、共済金の支払い対象に当然なります。

2.交通事故でも「むち打ち症」に保険金は支払われないという書き込み情報

某掲示板で、『交通事故で生じた他覚症状のない「むち打ち症」に対して共済金が支払われないのは本当でしょうか?』という質問に対して、生命保険会社に勤務する者ですという人が、『本当だと思います。そうでないと本人が訴えるだけで給付金を支払っていたら保険会社はつぶれてしまいますから』という意味の回答を掲載しています。

その回答者が、実在する大手生命保険会社を名乗って回答しているため、何も知らないと本当だと思える書き込みです。しかし、これは上記で説明しましたが、誤りです。交通事故などの事故によるケガの「むち打ち症」に対しては共済金が支払われます。

 

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