世界では30年で倍増した高血圧症!日本の現状と対策

世界的に患者数が増加している高血圧症ですが、日本ではすでに高血圧症と診断される人の割合は20歳以上の2人に1人と非常に多く、国民病の1つとも言われています。高血圧症は致死率の高い重篤な心疾患や脳卒中などの病気の原因となることから、予防と早期治療が重要です。WHO(世界保健機関)が高血圧症の増加について警告を発したことを受けて、世界と日本での高血圧症の現状と傾向、および予防策について紹介します。

第一章 世界では30年で患者数が倍増した高血圧症

WHOは2021年8月、30~79歳で高血圧症の人が1990年の6.5億人から2019年に12.8億人になったと報告し、新たな治療指針を公表しました。約30年間でほぼ倍増した理由は、人口増のほか高齢化の進展、発展途上国での患者率の増加と考えられています。そこで、WHOは新たな治療指針として最高血圧が140mmHg以上、もしくは最低血圧が90mmHg以上の人に対して降圧剤を用いた治療を強く推奨。それとともに高血圧症が心臓や脳、腎臓の病気の悪化につながることから循環器系の疾患や糖尿病、慢性腎臓病の患者に対しては最高血圧が130mmHg以上で降圧剤の使用を促しています。

なお、WHOの発表によると2012年頃から世界の成人の3人に1人が心臓病の主要な危険因子である高血圧症を患っており、発展途上国で高血圧症にかかる人が増えていると報告されています。アフリカ諸国の一部の国では25歳以上の男性が高血圧症である割合は、ニジェール50.3%、マラウイ44.5%、モザンビーク46.3%と非常に高率です。一方、日本と同じ先進国のカナダとアメリカは高血圧症患者が世界の国のなかで最も少なく5人に1人以下の割合(2012年時点)だと報告されています。

第二章 日本における高血圧症の傾向は?

減少の傾向を示していますが日本における高血圧症者数は約4,300万人いると推定されています。高血圧症に注意が必要なのは、高血圧症が心疾患(急性心筋梗塞などの心不全)、脳血管疾患(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)などの重い循環器疾患につながるからです。日本人の死因の2位は心疾患で4位は脳血管疾患です。

厚生労働省の「国民健康・栄養調査報告(2014年)」によると、20歳以上の国民全体の35.0%が高血圧症に該当(最高血圧140/最低血圧90mmHg以上)していましたが、5年後の2019年の同報告では29.5%に減少しています。高血圧には女性より男性、年齢は高齢になるほどかかりやすくなります。なお、同データは、20歳以上の血圧測定者の集計結果で降圧薬の服用者を含みます。家庭で測定すると、一般的に血圧は低い数値が出るため、最高血圧/最低血圧は135/85mmHg以上が高血圧と判断されます。一般的には、高齢化が進展するほど高血圧症者は増加していきますが、減少傾向の主な理由は高血圧治療の進歩と普及、食塩摂取量の低下、生活習慣・生活環境の変化などが考えられています。なお、減少傾向を示してはいますが、まだ以下の3点において問題があります。

・約4,300万人が高血圧症に該当しているのに対し、厚生労働省の「患者調査(2017年)」によると、継続的な治療を受けていると推測される高血圧症疾患の患者数は約994万人しかいないこと
・先進国のなかで患者数の少ないカナダ、アメリカよりも割合が高いこと
・「正常高値血圧または高値血圧」と呼ばれる高血圧症予備軍とも言える人の割合が、2014年の19.0%から2019年には22.0%に伸びていること

「正常高値血圧または高値血圧」とは、最高血圧/最低血圧が130~139/85~89mmHgの人が該当し、今までどおりの生活を続けていると高血圧症へと移行してしまう可能性が高いため注意が必要です。高血圧症にならなかったとしても、この範囲の血圧の状態が長く続くと、血管や心臓に負担が長い期間にわたってかかり、そこに加齢による影響などが加わると動脈硬化や脳梗塞などの怖い病気になる確率が約2.5倍から3倍に増加します。「正常高値血圧または高値血圧」の状態は、現状の生活を改善することで正常血圧に戻りやすいので早めの対策が重要です。最もリスクの低い血圧は「至適血圧」と呼ばれ、120/80mmHg以下です。「正常血圧」は、「至適血圧」以上、130/85mmHg以下です。

第三章 高血圧症の対策(新型コロナウイルスの重症化対策にも効果的)

高血圧の原因は病気や遺伝の場合もありますが、高血圧の予防・改善は、生活習慣の改善、なかでも日本人にとって重要なのは食塩の過剰摂取を抑えることです。

食塩摂取量は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日あたり成人男性が7.5g未満、成人女性が6.5g未満です。また、すでに血圧の高い高血圧症患者の場合、
日本高血圧学会は、目標量を1日6g未満にすることを強く推奨しています。日本の食生活は食塩が多くなりやすい特徴があるため、しょう油やソースはかけるのではなく、つける習慣に改めたり、ラーメンなどの汁物は飲みきらないようにしたりするなどの注意が必要です。厚生労働省は、減塩の工夫として以下の方法を紹介しています。

  1. 漬け物は控える:食べるときは自家製の浅漬けにして食塩量を控えめにする
  2. 麺類の汁は残す:全部残せば2~3gを減塩できる
  3. 新鮮な食材を用いる:食材の味で薄味の調理でもおいしく食べられる
  4. 具の多いみそ汁にする:同じ味付けでも減塩しておいしく食べられる
  5. むやみに調味料を使わない:味付けを確かめて量を加減しながら使う
  6. 低ナトリウムの調味料をつかう:酢・ケチャップ・マヨネーズ・ドレッシングを上手に利用すると減塩してもおいしく食べられる
  7. 香辛料、香味野菜や果物の酸味を利用する:こしょう・七味・しょうが・かんきつ類の酸味を組み合わせると減塩してもおいしく食べられる
  8. 外食や加工食品を控える:目に見えない食塩が多く含まれているので避けるだけで減塩できる。塩干物にも注意し、量を減らす

また、カリウムは食塩を体外に排出する働きがあるため、カリウムの多く含まれる野菜や果物、海藻類、大豆製品などを食生活に多く取り入れます。なお、腎臓病の人はカリウム摂取の制限が必要な場合がありますので主治医との相談が必要です。また、カルシウムにも血圧を安定させる効果があり、牛乳や乳製品も食生活に取り入れて長く継続することで高血圧を効果的に予防できます。そのほか、「暴飲暴食」「過剰な飲酒・喫煙」「ストレス(自律神経のアンバランス)」「運動不足」を避けることで血圧上昇を軽減できます。

なお、まだまだ新型コロナウイルスの猛威が続いていますが、重症化する可能性のある基礎疾患に「慢性腎臓病」「糖尿病」「心血管疾患」「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」などとともに「高血圧症」も含まれます。新型コロナウイルスによる外出自粛や在宅勤務は、運動不足やストレスを高め、その結果、食生活も不規則になると、血圧を高める方向に働き、重症化する懸念も高まるという悪循環を引き起こします。新型コロナウイルスは変異株が次から次に生まれてくるため、長く付き合っていかなければなりません。新型コロナウイルスのリスクを少しでも減らすには高血圧症の予防・改善は、これから避けて通れません。

第四章 まとめ

高血圧症は、遺伝や病気が原因で起こることもありますが、多くは生活習慣の改善で予防できます。食塩摂取を抑えた食生活を中心に生活習慣を見直し高血圧が分かったら、早期治療することで進行を抑えられます。しかし、残念ながら完全に生活習慣の改善ですべての人が高血圧を予防できるわけではありません。薬で血圧を抑え、合併症にならないように治療が必要になる場合もあります。そのためにも費用の負担の心配がないように全国共済の生命共済に加入して、万が一に備えておくことをおすすめします。


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