その不調『隠れ脱水』では?冬こそ気を付けたい『隠れ脱水』について
初雪の便りが聞かれる季節になってきました。気象庁は2022年11月~2023年1月の冬の天候について、東日本・西日本の気温は平年並みか低いとの予想を発表しています。冬場は、寒くなることでインフルエンザと新型コロナウイルスの同時流行の懸念や運動不足などで健康面への悪影響に配慮して過ごす必要があります。また、冬場には意外なことで健康を害する危険性があります。その1つが汗をかかない冬場でも脱水状態になる『隠れ脱水』です。なぜ冬場なのに脱水状態になるのか、症状や予防策について紹介します。
第一章 冬場に起こる『隠れ脱水』とは?
脱水は主に「暑さや湿気による大量の発汗」「 発熱による発汗や下痢(げり)・嘔吐(おうと)による水分の消失」「トイレが近くなるなどの理由による 水分控え」などで起きます。これらは、体の状態の変化や水分が十分にとれていないという認識があるため、自分で水分を補給したり、周囲の人が水分補給を促したりすることで脱水状態を避けられます。しかし、上記以外による理由でも脱水状態になることがあります。それが冬場に起こりやすい『隠れ脱水』です。水分が不足しているという明確な自覚症状がないまま脱水状態になってしまうので、『隠れ脱水』と呼ばれています。
第二章 『隠れ脱水』はなぜ冬場に起こるのか?
『隠れ脱水』はなぜ冬場に起こりやすいのでしょうか?そもそも脱水は、体の水分が体外に排出され過ぎることで起こります。水分排出には『有感蒸泄(ゆうかんじょうせつ)』と『不感蒸泄(ふかんじょうせつ)』と呼ばれるものが2つがあります。『有感蒸泄』は汗や尿、下痢や嘔吐など、水分排出が自覚できることで、『不感蒸泄』は皮膚、粘膜、呼気から、自覚のないまま水分が蒸発していくことです。不感蒸泄で失われる水分の量は、体温や呼吸の状態などにより変動しますが、意外なほど多いです。常温・安静時で成人の場合、900ml程度(皮膚から約600ml、呼吸から約300ml)といわれています。
冬場の気候は湿度が低く、空気が乾燥している日が多くなります。空気が乾燥していると温度が高くなくても皮膚からの水分蒸発が進むため、体の水分は気が付かないうちに失われていきます。また、気温の高い夏場に比べると気温が低い冬場は喉の渇きを感じにくいため、水分の補給が少なくなりがちです。この結果、冬場は自覚できないまま『隠れ脱水』状態に陥りやすくなります。
さらに新型コロナウイルスの感染予防からマスクを着用していることが多く、マスクを着けていると喉の渇きを感じにくくなります。そのため水分補給が遅れがちになって『隠れ脱水』になりやすいのです。 水分は食材からも補給しています。水分量の多い果物や野菜を積極的に摂るなど、飲み物、食べ物からの水分摂取を心がけましょう。
第三章 体内の水分が不足すると体調が悪化する理由
人間の体の水分は、成人の場合、体重の約60%、65歳以上の高齢者の場合、約50%を占めています。体に含まれる水分は「体液」と呼ばれ、血液、リンパ液、消化液などに含まれています。そして、酸素や栄養分を細胞に運び、不要な老廃物は尿として体外に排出したり、体温を一定に保ったりするなどに使われて体の機能を正常に保つ重要な役割を果たしています。体液は、体の外に出ていく水分と体に入ってくる水分の量が一定になるようにバランスが保たれています。このバランスが崩れると『隠れ脱水』の状態になり、さらにバランスが悪化すると冬場でも脱水症になる可能性があります。
四章 『隠れ脱水』の症状と予防・対策法
1.『隠れ脱水』の症状
『隠れ脱水』の段階では以下のような症状が表れます。
- なんとなく頭が痛い
- 胃もたれがする
- 病気ではないのに微熱が出る
- 短期間での体重減少
- 体調が思わしくないと感じる
高齢者になると、さらに以下のような症状が表れやすくなります。
- 皮膚が乾燥して潤いがなくなり、皮膚がめくれてポロポロ落ちやすくなる
- 皮膚のハリがなくなり、つまんだ跡や靴下の跡が残る
- つばがよく出ず、口の中が粘つく
- つばを飲み込みにくくなる
- 便秘になったり、便秘がより悪化したりする
『隠れ脱水』状態を放置すると、脱水症へと進行して上記の症状が悪化します。また、「昼間でも強い眠気を感じる」「腹部の不快感、食欲低下」「脱力感、意欲の低下」「筋肉痛、足がつる」などの症状が表れます。
2.『隠れ脱水』の予防・対策法
2-1 定期的にコップ1杯の水を飲む習慣を付ける
『隠れ脱水』は自覚のないまま脱水状態になることなので、喉が渇いていなくてもコップ1杯の水を少なくとも1日に6回は飲む習慣を付けましょう。成人の体内の水分は不感蒸泄を含めて1日に2.5ほどが失われます。しかし、食事で得られる水分は一般的に1日に約1.3lといわれています。そのため、その差の約1.2lを毎日意識して補給することが必要です。コップ1杯で約200mlの水分を補給できるとすると、1日に6杯になる計算です。6回は、起床時、就寝時、3回の食事時、入浴時など決めて飲む習慣を身に付けましょう。運動などで汗をたくさんかいたときは適宜プラスして水分補給します。水分補給は、 糖分やカフェインの含まれたジュースやコーヒーなどではなく水や経口補水液が最適です。また、水分は一度に大量に飲むと尿から排出されてしまうので、コップ1杯程度の量を1日に数回に分けて飲むことが『隠れ脱水』防止には効果的です。
2-2 体重減少に注意する
入浴時などに定期的に体重を量りましょう。その際、いつもの体重から2%近く減少していると『隠れ脱水』状態です。通常、体内の水分が2%失われると喉の渇きを感じ、運動能力が低下しはじめます。 喉の渇きを感じる前に、水分補給をしましょう。
第五章 まとめ
夏に比べて冬は汗をかいている実感があまりなく、水分摂取を怠りがちです。しかし、冬場でも油断すると『隠れ脱水』になりやすく、その状態を放置すると脱水症になってしまうリスクがあります。そこで、今回の隠れ脱水のように、軽視されがちな病気で突然入院するなど、万が一の病気やケガに備えて、少額から始められる全国共済への加入をおすすめします。
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