「コロナ疲れ」とはどのようなものなのか?どのように対処すればよいのか?
「コロナ疲れ」という言葉を聞いたことはありますか?聞いたことがなくても何となくどのような疲れなのかイメージできるかと思います。しかし、「コロナ疲れ」は単なる一時的な疲れで終わらず、ひどくなると体調を崩し、うつ病などの精神疾患や自律神経失調症を発症するリスクがあります。自分では大丈夫と思っていても、孤立しがちな高齢者、および高齢者でなくても在宅勤務や自粛営業によって精神的・身体的・経済的なストレスを長く、強く受けている人は疲れだけで終わらない可能性があります。そこで、「コロナ疲れ」とは具体的にどのような疲れか、どのように対処すればよいのかについて紹介します。
第一章 コロナ疲れとは?
コロナ疲れとは、明確な定義はされていませんが、「新型コロナウイルスへの脅威やおそれ によって自分の意思とは異なる強制・指示・制約を受け、またそのことによって生じる不自由さ、および先の見えない不安などによって生じる精神的・身体的・経済的なストレスで精神が弱っている状態」のことです。
多くの人は、ストレスを感じながらも毎日を過ごされているかと思います。しかし、内閣府が行った調査によるとコロナ疲れを「感じる」「やや感じる」と回答した人は7割をこえています。年代別では20代の「感じる」が41.3%と最多で、60代以上の「感じる」26%と比べて若い人ほど自粛生活に強いストレスを感じています。しかし、「やや感じる」も加えると年代に関係なく多くの人がストレスを感じているようです。
より強くストレスを感じるのは、他人の干渉を嫌って自由気ままに過ごしたい人、心配性な人、情報に敏感な人、自粛の意味を勘違いしている人、不規則な生活習慣の人、もともと孤立しがちな高齢者などです。これらの人は、軽度の「コロナ疲れ」から病気といえる症状に進行していく可能性があります。リスクの高い人の例で「情報に敏感な人」とは、例えばワクチンに関するデマなどを信じやすい人などのことです。社会が混乱しているときは根拠のないデマが多く流布されます。正しい情報を選別できればよいですが、感度が高すぎると不安だけが増幅する可能性があります。「自粛の意味を勘違いしている人」とは、例えばしっかりした感染対策をして趣味などのサークル活動を楽しんでいる人に対して、自粛生活をしていないと怒ってストレスを強く感じる人のことです。コロナ対策の自粛とは、楽しいことを含め、何もかもすべての行動を控えることではありません。感染の恐れの高い行動を控えることです。
第二章 コロナ疲れ 体調面での対処法
コロナ疲れは体調面と精神面に症状が表れます。ここでは体調面の対処法について紹介し、次の章で精神面の対処法を紹介します。
1.コロナ疲れによる体調の変化・症状
体調面では、主に「疲れがとれない・体がだるい」「眠れない」「目の疲れ」「頭痛・腹痛・肩こり・その他の痛み」「めまい」「どうき・息切れ」などの症状が出ます。
2.対処法
2-1 毎日の生活リズムが乱れているとき
自粛生活で多くの人がふだんとは異なる生活を強いられています。単純ですが、意識して生活リズムを自粛前と同じにできるようにスケジューリングして規則正しい生活ができるようにします。疲れや頭痛などの痛みの対処法とは関係がないように思えますが、一流のスポーツ選手がプレーを始める前や練習などで同じ動作を繰り返しているように医学的にも一定のリズムで生活することは心身の健康に非常に有用です。特に調子のいいときの習慣を繰り返すことが理想的です。日本人は、一般的に調子が悪いときほど気分転換が必要だと言って、いつもやらないことをやってしまう人が多いと言われています。一見、合理的に見えますが、ストレスマネジメントの常識には反しています。生活のリズムを崩すことでストレスが倍増する可能性があり、リズムを維持するにはできるだけ規則正しい生活が必要です。起床就寝・食事、在宅勤務であれば仕事開始・終了の時間を決めるなど規則正しく生活することを心がけましょう。
2-2 体調がすぐれないとき
生活のリズムを一定にするだけでは体調の変化を防止できない可能性があります。生活のリズムを維持しながら、食生活や運動、ストレスの発散など以下のこと を行いましょう。
- バランスのよい食生活を心がける
- 肥満防止のために食べすぎを避け、毎日30分程度の運動(ウォーキングなど)をする。なお、厚生労働省は18歳以上のウォーキングまたはそれと同等以上の強度の運動を毎日60分行うことを推奨。自粛生活では運動量が落ちるので毎日の生活に運動を規則正しく取り入れる
- ストレス発散のためにスポーツや趣味を楽しむ
- 次のことを避ける
「気を紛らわせるためのアルコール飲用」「何もしないでじっとしている」「家族・友人・知人などとの付き合いを避ける」「自分や他人を過度に責める」「過度な仕事や遊びをする」
なお、表れている体調の変化や症状が、長く続いたり、重かったりする場合は、他に原因が考えられます。早めに医師の診断を受けるようにしましょう。
第三章 コロナ疲れ 精神面での対処法
1.コロナ疲れによる精神(心理)の変化・症状
精神面では、心理的に「不安・心配」「イライラ」「落ち着かない」「気分の落ち込み」「緊張」「1人でいるのが怖い」「集中できない」「意欲がわかない」などの症状が出ます。ひどくなると、「強迫性障害」「適応障害」「うつ病」「自律神経失調症」などと診断されます。
強迫性障害とは
強迫性障害とは、きわめて強い不安感や不快感で、それを打ち消すために特定の行為を繰り返すことです。例えば、コロナに関するニュースが気になって仕事や家事が手につかない、過剰なほど手洗いや消毒を繰り返すなどです。このような行為を繰り返すと1人だけでなく周囲の人との関係も悪化していく心配があります。
適応障害とは
適応障害とは、ストレスで心身のバランスが崩れて社会生活に支障が生じることです。症状としては、精神面では「ゆううつな気分」「不安感」「不眠・過剰な睡眠」「頭痛」「集中力の低下」など、行動面では「攻撃的でけんかっ早くなる」「暴飲暴食」などです。人によって表れる症状はさまざまですが、社会生活を続けることが困難な状態になります。
うつ病
うつ病とは、「気分の落ち込み」「不眠・過剰な睡眠」「思考力・集中力の低下」「自殺願望」などの症状が出る病気のことです。それらによって「出勤できない」「仕事が手につかない・能率の低下」「ミスの増加」などの問題が生じます。
自律神経失調症
自律神経失調症とは、明確な身体的原因がないにもかかわらず自律神経がストレスによって正常に機能しなくなり、「めまい」「肩こり」「頭痛」「手足のしびれ・痛み」「どうき・息切れ」「下痢・便秘」「不眠」などの症状が出る病気のことです。
2.対処法
体調面と同じく生活のリズムを維持し、以下のことを心がけます。なお、生活リズムの維持を完璧にこなそうとすると精神的な疲労が逆にたまります。いきなり完璧にこなそうとしないで徐々にリズムを作り上げていくことが必要です。
- いろいろなことをあまり考え過ぎない
- 過度な情報収集を控える
- やる気が起きないときは、簡単にできること、楽しいことをやる
- 否定的、ネガティブ、悲しいことではなく、明るいこと、楽しいこと、ポジティブなことを探す
- 「義務感」や「べき論」にこだわらない
- 休息の時間を作って休む
- 親しい友人や知人と会話の機会を作る
- リラックスできる映像や音楽を視聴するなど趣味を楽しむ
- 生活リズムを壊さない程度に好きなことをして気分転換する
- 規則正しく質の高い睡眠ができるようにする
- 軽い運動を行う
- 時間を見つけて自然や芸術に接する
第四章 まとめ
コロナ疲れは、放置すると体調面、精神面で日常生活に大きな支障が生じます。また、ひどくなると通院または入院による治療が必要になる可能性もあります。ストレスは万病の元といわれるように免疫力を下げるので、新型コロナウイルスに感染すると重症化するリスクが高くなります。コロナ疲れを悪化させないようにするとともに、万が一に備えて全国共済への加入をおすすめします。
全国共済への加入をお考えの方は、まずは資料請求からいかがでしょうか?
こちらから全国共済への資料請求ができますので、ぜひお役立てください。