ウィズコロナ時代はCOPD(慢性閉塞性肺疾患)に要注意!

2021年11月29日

新型コロナウイルスの感染者数は激減し、27都道府県に出されていた「緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置」は2021年9月30日に 解除されました。しかし、世界を見ると新たな変異株などにより現在も感染者数が増加している国があります。また、日本においても専門家は感染の第6波が来る可能性は高いと述べており、従来と同様のマスク着用や消毒などの感染対策と3密を避ける必要があります。特に感染すると重症化しやすい人は、より感染対策をしっかり行って感染しないように注意しなければなりません。重症化しやすいのは、COPD、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患などの持病のある人、高齢者、肥満者などです。今回は重症化しやすい持病のなかからCOPDについて、どのような病気なのか、病気になる原因・症状、予防法、治療法などについて紹介します。

第一章 COPDとはどのような病気?

1.COPD(慢性閉塞性肺疾患:Chronic Obstructive Pulmonary Disease)とは

COPDは気管支が炎症を起こしたり、肺胞が破壊されたりして肺機能が低下し、呼吸がしにくくなる病気です。肺胞の働きは呼吸によって取り入れた酸素を動脈に送り込み、静脈中の二酸化炭素を取り込むガス交換の働きがあります。約3億個存在しているという肺胞がより多く破壊されると呼吸が正常にできなくなります。

COPDには、慢性の名称がついていることから急に発症する病気ではなく長い時間をかけて症状が表れる病気です。発症する原因の約9割が喫煙によることから、「たばこ病」とも呼ばれる肺の生活習慣病です。推定患者数は40歳以上の人口の8.6%・約530万人といわれています。あまり知られていない病気であることから適切な治療を受けている患者は約26.1万人 (男性18.3万人、女性7..9万人)。2020年の死亡者数は約1.6万人(男性1.3万人、女性0.3万人)と、男性の死亡者数が患者の男女比率よりも女性を大きく上回ります。

2.COPDはコロナ感染症を悪化させるリスク要因の1つ

口・鼻から肺に至るまでの空気の通り道である気道の粘膜にはウイルスや細菌から体を守る働きがあります。しかし、COPDを発症すると、通常 粘膜で覆われてウイルスなどの異物を外に排出する気道が炎症を起こして「線毛がなくなる」「粘膜そのものがはがれ落ちる」などで免疫の働きが低下します。その結果、新型コロナ感染症に限らずインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。さらに、新型コロナウイルスに感染すると「肺炎」を起こしやすく、COPD患者の肺は肺胞の破壊が進んでいるため、肺炎が重症化するリスクが高くなります。

第二章 COPD原因、症状、検査方法

1.COPDの主な原因と症状

COPDの原因は有害物質の吸入や大気汚染などです。そのなかで最大の原因は長期間の喫煙習慣で、喫煙者の約15%~20%がCOPDを発症し、患者の約9割を占めているといわれています。たばこの煙や汚染された空気などの有害物質を長期間吸引すると気管支が炎症を起こし、細くなります。その結果、せきやたんの症状や空気の流れが低下するので階段を上るときや運動時に息苦しくなる症状が出ます。

さらに有害物質が、気管支枝分かれした先にある肺胞にまで達すると、そこが 炎症を起こします。炎症で肺胞の壁が破壊されて肺胞が古くなったゴム風船のように弾力を失うと、酸素の取り込みや二酸化炭素を排出する機能が低下。安静時にも息苦しい状態が続くようになって体を動かせなくなるので日常生活に支障をきたしたり、体を動かすことが怖くて外出を控え、うつ病を発症したりする人もいます。悪化すると呼吸困難による意識障害を起こし、最悪の場合は死に至ります。

COPDは症状が軽くて認識できていなくても進行していきます。そのため運動をしたときに感じる息苦しさや息切れ、あるいは軽いせきやたんなどの症状を年齢だからと思い込んだり、軽いかぜと勘違いしたりして放置すると重症化するので注意が必要です。

2. COPDの検査方法(自己診断)

COPDは症状がなくても進行することから、自己診断して早めに診察を受けることが重要です。特に40歳以上で喫煙歴が10年以上あり、以下に当てはまる場合COPDの可能性があるため、検査を受けることをおすすめします。

  • 階段や坂道をのぼると息切れする
  • 同世代の人との歩行時に遅れることがあり、追いつこうと急ぐと息切れを起こす
  • せきやたんが3週間以上続く
  • ゼーゼー・ヒューヒューなどの呼吸音がする

なお、COPDを発症しているかどうかを定量的に簡便に調べる方法 があります。以下の5項目の質問に回答し、各点数を合計します。合計点数が4点以上の場合、COPDを発症している可能性が高いと考えられるので医療機関の受診をおすすめします。3点以下でもCOPDの疑いがある場合、保険適用で検査を受けられます。

(1)現在の年齢はいくつですか?

  • 35~49歳:0点
  • 50~59歳:1点
  • 60~69歳:2点
  • 70歳以上 :2点

(2)過去4週間にどの程度、息切れをしましたか?

  • まったくしなかった / 数回ほどした:0点
  • ときどきした:1点
  • ほとんどいつもした/、または常にした:2点

(3)せきをしたとき粘液やたんなどが出ましたか?

  • 1度もない/かぜや肺の感染症にかかったときだけ:0点
  • 1カ月のうち数日/ 1週間のうち、ほとんど毎日:1点
  • 毎日:2点

(4)この1年間で呼吸に問題があり以前より活動しなくなりましたか?

  • 思わない/なんともいえない:0点
  • そう思う:1点
  • 強くそう思う:2点

(5)これまでにたばこを少なくとも100本は吸いましたか?

  • 吸わない、または分からない:0点
  • 吸った:2点

(注)上記とは少し異なる質問・回答項目による調査方法が複数種類あります。

3. COPDの検査方法(医療機関)

医療機関では胸部X線やCTによる画像検査、肺の呼吸機能計測機器「スパイロメーター」を用いた検査などが行われます。「スパイロメーター」とは、最大に息を吸い込み最大の速さで吐き出したときの空気量である「努力性肺活量」などを測定できる機器です。

3-1 呼吸機能検査

肺にどれだけ多くの空気を吸い込めて、どれだけ大量にすばやく吐き出せるかについて「スパイロメーター」で調べます。吸い込んだ空気を一気に吐き出したときの肺活量に対して、最初の1秒間に吐き出せた量の割合が70%未満であればCOPDの可能性が高くなります。

3-2 画像検査

画像検査は胸部X線やCTによって行われます。ただし、胸部X線による画像にCOPDの所見が現れるのは、かなり進行してからとなるため、胸部X線での早期発見は困難といわれています。高分解能CT検査では肺胞の破壊が検出され、早期に病変を発見できます。画像検査は「間質性肺炎」や「気管支拡張症」などのCOPDと似た疾患との区別や肺がんの有無を確かめるためにも有用です。

3-3 その他の検査

COPDでは心臓に負担がかかることがあり、虚血性心疾患の合併も多いことから心電図や心臓超音波検査、およびCOPDが進行すると、慢性的な酸素不足(慢性呼吸不全)に至ることから、呼吸不全の判断にパルスオキシメーターを用いた酸素濃度(酸素飽和度)の検査・測定が行われます。

第三章 COPDの予防法と治療法

1.COPDの予防法

予防法は、喫煙しないこと。喫煙者は直ちに禁煙することです。いったん壊れた肺胞は治療しても二度と元に戻りません。悪化させないために早期発見・早期治療して、呼吸機能の低下・悪化を防ぐことが最も重要です。

2.COPDの治療法

COPDの治療法には薬物療法、呼吸リハビリテーションなどがあります。重症化した場合には酸素療法や外科療法が行われることもあります。また、肺の合併症、ぜんそく、骨そしょう症、心・血管疾患、消化器疾患、抑うつなどがある場合には、それらの疾患を考慮した治療も行われます。

なお、治療法があるというと一般的に多くの人が完治できる治療法と考えます。しかし、治療には、病気を完全に治す「根治治療」から症状の悪化や症状を緩和する「対症療法」まであります。COPDの治療法は、根治治療法ではなく対症療法です。そのためCOPDが疑われるときは、早期治療してこれ以上悪化しないようにすることが重要です。治療法があっても決して元の状態には戻れません。

COPDは、新型コロナウイルスに感染すると症状が悪化するリスクが高いほか、ただのかぜにかかっても症状が急激に悪化するリスクがあります。また、COPDの患者のなかには息切れがひどいため外出を控えて家に閉じこもりの状態になる人がいます。その結果、運動不足になって食欲が低下し、栄養状態が悪化、免疫力が低下してCOPDを悪化させるという悪循環に陥る可能性が高くなります。そのためCOPDは予防と早期発見・早期治療が極めて重要です。

第四章 まとめ

COPDは最悪の場合、死に至る可能性のある病気です。また、完治できる治療法がないため、悪化させるとQOL(生活の質)が低下します。主な原因は喫煙のため、喫煙者はまず禁煙することが重要です。また、COPDは完治させられないため、治療も長引きます。万が一に備えて、家計に負担の小さい手頃な掛金で始められる全国共済への加入をおすすめします。


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