大腸ポリープになったときにかかる手術費用ともらえる共済金
検診や人間ドックで大腸ポリープが見つかると驚く人が多くいます。それは、大腸ポリープが初期の段階では自覚症状がほとんどないからです。しかし、大腸ポリープは自覚症状がないからといって放置しておくと10年間で約10%の大腸ポリープが、がんになると考えられています。また、国立がん研究センターの報告によると大腸がんの患者数が、がん全体の患者数に占める割合は15.2%(2013年度)で胃がんに次ぐ2位と患者数の多いがんの1つです。胃がんは減少傾向にありますが、大腸がんは食生活が欧米化したことなどによって増加傾向を示しています。
そこで、大腸ポリープとはどのような病変で、どのような種類があり、大腸ポリープが見つかったら、どうすべきか。および、大腸ポリープの手術や費用はいくらくらいかかり、共済金からはいくら支払われるかについて紹介します。
第一章 大腸ポリープとは
1.大腸ポリープの分類と早期治療の必要性
大腸ポリープとは、実は病気の名前ではなく大腸の粘膜にイボのように盛り上がった突起物のすべてを意味する用語です。大腸にできた突起物(大腸ポリープ)は、大きく分けると「腫瘍性ポリープ」と「非腫瘍性ポリープ」の2つがあります。さらに「腫瘍性ポリープ」は、「悪性腫瘍(早期の大腸がん)」と「良性腫瘍(腺腫)」に分かれます。最も多くて一般的な大腸ポリープは、「良性腫瘍(腺腫)」です。「非腫瘍性のポリープ」が、がんになることはまずないのに対して「良性腫瘍(腺腫)」の一部は、がんに変化します。そのため「良性腫瘍(腺腫)」の大腸ポリープが見つかれば、大腸がんになる前に切除してしまうことで、がんに変化することを防止できます。
大腸ポリープには、早期の大腸がんが含まれ、良性腫瘍の大腸ポリープもがんに変わる可能性があることから、大腸ポリープが見つかれば早期治療が必要です。こうしたことから、検診や人間ドックで大腸ポリープが見つかったと医師から聞かされると、がんだとショックを受ける人が多いようです。しかし、大腸ポリープの段階で発見されたことは決して不運なことではなく、むしろ幸運というべきです。なぜなら、大腸ポリープの段階であれば、悪性腫瘍のがんであったとしても早期がんである可能性が高く、大腸がんは早期治療すれば治りやすいがんの1つだからです。なお、「良性腫瘍(腺腫)」は放置することで、すべてががんになるわけではありません。そのままの状態が続くか、場合によっては小さくなっていく大腸ポリープもあります。
2.大腸ポリープの症状
大腸ポリープは、初期の段階では症状がほとんどありません。このため、検診や人間ドックで自覚症状なしにいきなり見つかって驚くことが多く起こります。大腸ポリープがあっても自覚症状がないので放置状態になります。治療しないで放置し、大きさが2cmをこえるようになると排便時に便とこすれて出血し、さらに大きくなると腹痛、下痢、便が出にくくなるなどの症状が現れます。
3.大腸ポリープの検査方法
大腸ポリープの検査方法は以下の3種類の方法があります。
3-1 便潜血検査
便潜血検査は、便に血液が混じっているかを検査する方法で肉眼では判別できないほどのわずかな量の血液でも検出できます。他の出血が混じっても陽性と判定されるので、検査は通常2回行われます。1回でも陽性になれば、次は3-3の内視鏡検査を受けます。便潜血検査の効果は高く、この検査を受けることで大腸がんの死亡率や大腸がんになるリスクを大幅に低下させられることが分かっています。
3-2 注腸X線検査
注腸X線検査とは、肛門からバリウムを大腸のなかに注入して、X線写真を撮影して診断する方法のことです。この検査では、大腸全体にポリープがあるかどうか、またポリープの形や大きさ、および位置などを診断できるメリットがあります。一方で事前の処置が不十分であったり、大腸が重なったりしているときちんとした診断ができないデメリットがあります。
3-3 大腸内視鏡検査
大腸内視鏡検査とは、先端にレンズが付いた内視鏡を肛門から入れ、大腸内を撮影した映像をモニターテレビで確認して調べる方法のことです。この方法のメリットは、大腸ポリープが見つかると、その場で切除でき、またポリープの一部を採取して悪性腫瘍でないか組織検査ができることです。この検査のデメリットは、痛みを伴うことでしたが、現在は大腸が癒着などしていないかぎり痛みもなく検査ができます。
第二章 大腸ポリープの手術費用
大腸ポリープを切除する手術費用は、病院、切除する大腸ポリープの個数・大きさなどによって異なります。大腸ポリープの個数が1個増えると、1割負担で1,000円、2割負担で2,000円、3割負担で3,000円程度増加します。3割負担であっても、費用はおおむね5万円以内に収まります。
1割負担 | 2割負担 | 3割負担 | |
内視鏡によるポリープ手術 (日帰り手術、1カ所) |
6,000円から 7,500円 |
12,000円から 15,000円 |
18,000円から 22,500円 |
内視鏡によるポリープ手術 (入院手術、1カ所) |
9,000円から 11,000円 |
18,000円から 22,000円 |
27,000円から 33,000円 |
内視鏡検査のみ(参考) | 1,800円から 2,500円 |
3,600円から 5,000円 |
5,400円から 7,500円 |
注)上記費用には、診察代、採血代などは含まれていません。
注)上記の金額は、東京豊島区のA病院、名古屋市南区のB病院のホームページに掲載されている費用を参考にしています。正確な費用は手術を受ける病院で確認をしてください。
第三章 大腸ポリープ手術をしたときの共済金
全国共済の入院保障2型に医療1型特約をつけて加入していると、大腸ポリープの日帰り切除手術を受けたとき共済金が15万円支払われます。大腸ポリープの切除手術費用は、入院して複数個のポリープを切除しても一般的に5万円未満で収まります。共済金で支払われる15万円よりも、病院へ支払う費用が少なくても差額を返す必要はありません。費用の負担も軽く、将来がんになるかもしれないという不安も解消できます。
まとめ
大腸ポリープは、増加している大腸がんの原因の1つですが、その予防法は早期発見して早期治療を行うことです。大腸ポリープは初期の段階で切除しておくと将来に大腸がんになるリスクを回避できます。初期の段階では大腸ポリープは自覚症状も感じられないため手術費用の負担を重く感じますが、全国共済に加入していると共済金の支払いが手術費用を上回り、その差額も返す必要がないので積極的に切除手術を受ける気になれ、健康面と金銭面でダブルのメリットを得られることを紹介しました。この機会に、全国共済に加入していなければ加入し、同時に大腸ポリープの検診を受けて、あれば切除手術を受けることをおすすめします。
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