白内障で共済金は受け取れるの?

2018年12月26日

高齢になることで誰もが避けて通れない恐れのある病気の1つに白内障があります。白内障とはどのような病気か、どうして避けられないのか、どうすればよいのか、手術が必要になったときの手術の内容や気になる費用について、また共済の支払いの対象になるのかについて紹介します。

第一章 白内障とは?

1.白内障の症状

白内障とは、光を集めてピントを合わせる働きをする透明な水晶体が加齢とともに白く濁ってくることで光が届きにくく、またピントが合わなくなって、主に次のような症状が現れる病気です。白内障の自覚症状は多岐にわたり個人差もあります。

・明るい光がまぶしい
・視界が全体的にぼやけて見えにくい
・視力の低下で見えにくい
・周囲が暗いときと明るいときでの見え方が変化してきた

なお、白内障という用語や透明な水晶体が白く濁ることから、症状として「白っぽく見えるようになる」という誤解がありますが、そのようなことはほとんどありません。なお、人によっては水晶体が白くなるだけでなく水晶体が硬くなることもあります。水晶体が硬くなるタイプの白内障は、一般的に視力低下の症状が出にくい傾向があり、この場合は自覚症状がないうちに白内障が進行している可能性があります。

2.白内障という病気の特徴と起こる仕組み

2-1 白内障の特徴

白内障は、加齢とともにすべての人に起こりうる病気で、薬での予防や進行を完全に抑えられない病気です。顔にシワができ、筋力が衰えるように加齢によって体に表れる変化の現象ともいえます。60代で約6割、80代でほぼ全員が発症するといわれています。発症の年齢は個人差があり、早ければ50歳以上で発症します。そのため白内障と診断されても、多少早いか、遅いかの差だけです。もし白内障になったとしても、どうして自分が病気になったのかと驚いたり、嘆いたりする必要のない病気です。

2-2 白内障の起きる原因は目の水晶体の性質が変化すること

白内障は、すでに説明しましたように目のなかでレンズの役割を果たしている「水晶体」が老化で透明から白濁・硬化することで起きる病気です。水晶体は、主にタンパク質でできており、このタンパク質が加齢やその他のさまざまな原因で変化することで濁ったり硬くなったりして白内障が起こります。タンパク質は、何らかの原因で性質が変化すると二度と元通りには戻らないという性質があります。

なお、一定のサイクルで細胞は新陳代謝をして新たな細胞ができます。タンパク質も新しいものに置き換わりますが、水晶体には新陳代謝がほとんど起こりません。そのため体に異常がなくて健康であっても加齢でタンパク質は性質が変化・劣化するので、白内障は予防したり、薬で進行を止めたりすることが不可能で、ほぼすべての人が症状の差はありますが白内障にかかります。

3.老眼と白内障の違いを見分ける困難さと白内障のサイン

3-1 白内障と老眼の違いを見分けることの困難さ

カメラのレンズの役割をする目の水晶体は、外からの光を通し屈折させるだけでなく、レンズの焦点を変化させることで焦点が合って、目で見たモノがくっきりと見えます。このピントを合わせる機能は、加齢に伴って次第に低下します。これがいわゆる老眼になる原因です。白内障も老眼のどちらも加齢が原因で「物が見えにくくなる」という視力低下の症状は同じです。ところが、見えにくくなければ老眼ではありませんが、白内障の可能性があります。

視力の低下を感じたとき、その原因が老眼なのか、白内障なのか、それとも他に別の原因があるのかを自分で判断するのは困難です。今までと見え方が変化した、見えにくくなったと感じたとき、念のため眼科を早期に受診することをおすすめします。それによって白内障の治療で重要な早期発見・早期治療が可能です。

3-2 白内障の分かりやすいサイン

視力の低下は老眼との区別がつけられません。見えにくくなった時点で一度、眼科を受診することがおすすめですが、今までにないまぶしさを感じたら必ず眼科へ行くようにしましょう。なぜなら、白内障と診断された多くの患者がまぶしさを感じるからです。まぶしさでしばらく動けなかったり、まぶしさで目がくらんだりしたら、かなり白内障が進行している可能性があります。白内障は進行性の病気で、白内障が進行した水晶体は、元の状態に決して戻りません。特に高齢者は、見えにくくなったり、まぶしさを感じたりすると転倒しやすくなることから早い治療が必要です。

4.白内障は早期発見・早期手術したほうがよい理由

理由1 治療が遅いと手術で目にダメージが残る可能性があること

白内障は、症状の進行が緩やかです。また、進行していても水晶体の硬化が進むタイプや片方の目の水晶体だけが悪化する白内障は、症状が現れにくいので気づかずに自覚できるほどの症状が現れる頃はかなり進行していることがあります。そのため気づいたときには重症化しています。重症化してからの手術は、角膜の内皮細胞に与えるダメージが大きくなるので早期発見・早期手術が大切です。症状がなくても60歳を過ぎたら眼科で白内障の検診を受けたほうがよいでしょう。

しかし、片方の目のみが悪化しているのに症状が現れにくいのは不思議な気がします。これは目からの情報を本来はそれぞれの目からの情報をまとめて1つの映像として脳は認識しますが、片方の目が悪化すると、脳は見えている目からの情報を優先して処理して、見えない方の目からの情報を無視するような働きをするからです。片方しか見えていなくても脳が不自由を感じないように処理してくれる点ではありがたいことですが、白内障を早く治す点ではマイナスな働きです。

理由2 治療が遅れると合併症のリスクが増すこと

白内障の手術にかぎりませんが、どんな病気も適切な時期・早期に治療を受けることが重要です。タイミングを逸すると手術による合併症のリスクが急激に上昇するからです。それぞれが大切な五感のなかでも、視力が弱くなったり、最悪視力を失ったりすると日常生活で最も不便を感じます。それだけに合併症のリスクはできるだけ減らすことが重要です。どのような手術でも恐怖を感じるものですが、特に目の手術は恐怖を強く感じて先延ばしにしたい気持ちになる人が多くいます。しかし、実際の手術では手術用の器械が目に近づいてくるのが見えることもなく、手術自体も苦痛が少なくて短時間で終わります。

第二章 白内障の手術と費用について

1.白内障の手術

白内障の手術は、主に濁った水晶体を超音波で砕いて取り出し、そこに「眼内レンズ(人工の水晶体)」を入れるという方法で行われます。入れた「眼内レンズ」は、取り換える必要はありません。レンズには保険が適用されるレンズと、保険が適用されない高機能なレンズがあります。白内障が進行して硬化しているときは、水晶体を丸ごと取り出す手術が行われることもあります。手術は、一定の条件を満たすと日帰り手術も可能です。入院の場合でも日数は1~3日程度で済みます。

なお、白内障の進行を遅らせる点眼薬があり、保険も適用されます。初期の白内障で視力の低下もなければ、いきなり手術をせずに点眼薬で様子を見ることが可能です。しかし、完全に白内障の進行を止める効果はありません。白内障は、薬で予防も進行も完全に止められません。白内障を完治させる方法は現在のところ手術のみです。

白内障の手術は顕微鏡を使い0.1mm単位の精密さで切開が行われ、わずかな手元の狂いも許されません。目は日常生活を送るうえで最も大切な器官のため評判などを確認して信頼できる眼科医で手術を受けることをおすすめします。

2.手術費用

3割負担で保険が適用されるレンズを片眼に入れたとき、食事代を含んで日帰りの白内障手術の場合、5万円~、入院手術の場合、8万円~くらいとなっています。金額は症状の程度によって、また病院によっても変動します。

第三章 白内障手術で共済金はもらえるの?

全国共済は「すべての病気」が対象となっておりますので、白内障の手術でももちろん共済金がもらえます。入院費用は1日目から、日帰り入院も含めてカバーされていますので白内障の日帰り手術でも問題なくもらえます。なお、加入しているコースによって支払われる共済金は変わってきます。詳しくは窓口にお問い合わせをお願いいたします。

全国共済への加入をお考えの方は、まずは資料請求からいかがでしょうか?こちらから全国共済への資料請求ができますので、ぜひお役立てください。